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第47話 お礼と謝罪
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私達は、ザレング様との話を終えて、アルガンデ家を出て行くことになった。
結局、抗議は取り下げられることになったので、一安心である。
「セレンティナ様、今回はありがとうございました。あなたのおかげで、助かりました」
「いえ、気にしないでください」
アルガンデ家の玄関で、サレース様は私にお礼を言ってきた。
サレース様のお礼は、ザレング様を止めてくれたことに対するお礼なのだろう。この抗議に、サレース様は乗り気ではなかった。だから、このようにお礼を言ってきたのではないだろうか。
「それから、セレンティナ様の個人的なことを問い詰めたことについても、申し訳ありませんでした。後から冷静になってみると、私はおかしなことをしていました……」
「まあ、そのことももう気にしないでください。二度とやらないなら、私も何も言わないことにします」
サレース様は、私に対して謝罪してきた。
どうやら、私に意味のわからないことを聞いてきたことは、反省しているようだ。
反省しているなら、私もこれ以上何か言うつもりはない。二度とやらないなら、気にしないことにする。
「ところで、ロクス様、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「え? 僕ですか? なんでしょう?」
そこで、サレース様はロクス様に話を振った。
どうやら、ロクス様に何か聞きたいことがあるようだ。
「大方気づいているとは思いますが……私は、あなたに好意を抱いています」
「え? あっ……」
サレース様の言葉に、私達は全員驚いた。
その突然の告白に、困惑しないという方が無理だろう。
サレース様は、ロクス様に好意を抱いている。それは、私達が全員しっていたことだ。
だが、それを口に出して伝えたという事実が驚くべきことなのだ。それは、かなり勇気がいることだっただろう。サレース様も、思い切ったことをしたものである。
「……私は、あなたに好意を抱いているから、暴走してしまいました。セレンティナ様にも迷惑をかけて、非常に情けないことをしたと思っています……」
「……そうですか」
「だから、私は自身の気持ちに決着をつけることにしました。ここで、あなたから答えを聞くことで、前に進みたいと思っています」
サレース様が突然告白したのは、自身のしたことを悔いているからのようだ。
暴走してしまった自分を戒めるために、自身の気持ちに決着をつけようとしているようである。
この告白には、ロクス様もきちんと答えなければならないだろう。一応、勇気を出した行為なのだ。これに答えないというのは失礼というものである。
結局、抗議は取り下げられることになったので、一安心である。
「セレンティナ様、今回はありがとうございました。あなたのおかげで、助かりました」
「いえ、気にしないでください」
アルガンデ家の玄関で、サレース様は私にお礼を言ってきた。
サレース様のお礼は、ザレング様を止めてくれたことに対するお礼なのだろう。この抗議に、サレース様は乗り気ではなかった。だから、このようにお礼を言ってきたのではないだろうか。
「それから、セレンティナ様の個人的なことを問い詰めたことについても、申し訳ありませんでした。後から冷静になってみると、私はおかしなことをしていました……」
「まあ、そのことももう気にしないでください。二度とやらないなら、私も何も言わないことにします」
サレース様は、私に対して謝罪してきた。
どうやら、私に意味のわからないことを聞いてきたことは、反省しているようだ。
反省しているなら、私もこれ以上何か言うつもりはない。二度とやらないなら、気にしないことにする。
「ところで、ロクス様、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」
「え? 僕ですか? なんでしょう?」
そこで、サレース様はロクス様に話を振った。
どうやら、ロクス様に何か聞きたいことがあるようだ。
「大方気づいているとは思いますが……私は、あなたに好意を抱いています」
「え? あっ……」
サレース様の言葉に、私達は全員驚いた。
その突然の告白に、困惑しないという方が無理だろう。
サレース様は、ロクス様に好意を抱いている。それは、私達が全員しっていたことだ。
だが、それを口に出して伝えたという事実が驚くべきことなのだ。それは、かなり勇気がいることだっただろう。サレース様も、思い切ったことをしたものである。
「……私は、あなたに好意を抱いているから、暴走してしまいました。セレンティナ様にも迷惑をかけて、非常に情けないことをしたと思っています……」
「……そうですか」
「だから、私は自身の気持ちに決着をつけることにしました。ここで、あなたから答えを聞くことで、前に進みたいと思っています」
サレース様が突然告白したのは、自身のしたことを悔いているからのようだ。
暴走してしまった自分を戒めるために、自身の気持ちに決着をつけようとしているようである。
この告白には、ロクス様もきちんと答えなければならないだろう。一応、勇気を出した行為なのだ。これに答えないというのは失礼というものである。
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