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第2話 驚くべき出来事
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私は、仕事場である王城に戻って来ていた。
婚約破棄という大きな出来事があったが、それはもう気にしないことにする。
「セレンティナ様、大変です!」
「え?」
そんな私に、話しかけてくる者がいた。
部下であるラカニアである。何か、とても焦っている様子だ。
「ラカニア、どうかしたの?」
「セレンティナ様、大変なんです! 大変なことが起こっているんです!」
「ラカニア、落ち着いて。一体どうしたの?」
ラカニアは、かなり動揺している。
恐らく、何か驚くようなことがあったのだろう。
もしかして、私の婚約破棄のことを聞いたのだろうか。それなら、動揺するのも納得できる。
婚約破棄とは、一大事だ。当事者が納得していると知らなければ、このような反応もあり得るだろう。
「もしかして、私の婚約破棄を聞きつけたの? あれは、もう終わったことだから、そんなに気にしないでいいよ」
「え? 婚約破棄? そんなことがあったんですか!?」
私の言葉に、ラカニアは驚いた。
どうやら、私は勘違いしていたようだ。ラカニアは、私の婚約破棄のことを知らなかったのである。
それなら、一体何があったのだろうか。それ以外に驚くことがあったなら、それはとても面倒な気がする。
「あ、うん。実はさっきドルバル様に婚約破棄されてね」
「え? 一大事じゃないですか?」
「まあ、それはよくて……」
「いや、よくないですよ!?」
とりあえず、私は婚約破棄のことをラカニアに説明した。
ラカニアは、先程と同じくらい動揺しているようだ。
やはり、端から見れば、婚約破棄は一大事である。しかし、私本人としてはそこまでそう思っていないので、そこまで動揺しないで欲しい。
「もうその話は終わったことだから……それより、ラカニアの話を聞かせてよ」
「まあ、セレンティナ様がそう思っているならいいですけど……それなら、私の話をさせてもらいます」
私が念を押して言うと、ラカニアは納得してくれた。
ラカニアは、本当に話が早くて助かる。友人としても、部下としてもとても接しやすい人だ。
「実は、公爵家であるヴァンデイン家の次男であるロクス様が訪ねて来たんです」
「ロクス様? それは大変そうね……」
どうやら、この王城に公爵家の次男であるロクス・ヴァンデイン様が訪ねて来たようである。
それは、確かに大変なことかもしれない。公爵家の人間が来ると、色々と面倒なことが多いのだ。
「ロクス様は、セレンティナ様に用があるそうなんです」
「え?」
ラカニアの言葉に、私は目を丸くした。
なんだか、私が思っていたよりも大変なことになっているようだ。
婚約破棄という大きな出来事があったが、それはもう気にしないことにする。
「セレンティナ様、大変です!」
「え?」
そんな私に、話しかけてくる者がいた。
部下であるラカニアである。何か、とても焦っている様子だ。
「ラカニア、どうかしたの?」
「セレンティナ様、大変なんです! 大変なことが起こっているんです!」
「ラカニア、落ち着いて。一体どうしたの?」
ラカニアは、かなり動揺している。
恐らく、何か驚くようなことがあったのだろう。
もしかして、私の婚約破棄のことを聞いたのだろうか。それなら、動揺するのも納得できる。
婚約破棄とは、一大事だ。当事者が納得していると知らなければ、このような反応もあり得るだろう。
「もしかして、私の婚約破棄を聞きつけたの? あれは、もう終わったことだから、そんなに気にしないでいいよ」
「え? 婚約破棄? そんなことがあったんですか!?」
私の言葉に、ラカニアは驚いた。
どうやら、私は勘違いしていたようだ。ラカニアは、私の婚約破棄のことを知らなかったのである。
それなら、一体何があったのだろうか。それ以外に驚くことがあったなら、それはとても面倒な気がする。
「あ、うん。実はさっきドルバル様に婚約破棄されてね」
「え? 一大事じゃないですか?」
「まあ、それはよくて……」
「いや、よくないですよ!?」
とりあえず、私は婚約破棄のことをラカニアに説明した。
ラカニアは、先程と同じくらい動揺しているようだ。
やはり、端から見れば、婚約破棄は一大事である。しかし、私本人としてはそこまでそう思っていないので、そこまで動揺しないで欲しい。
「もうその話は終わったことだから……それより、ラカニアの話を聞かせてよ」
「まあ、セレンティナ様がそう思っているならいいですけど……それなら、私の話をさせてもらいます」
私が念を押して言うと、ラカニアは納得してくれた。
ラカニアは、本当に話が早くて助かる。友人としても、部下としてもとても接しやすい人だ。
「実は、公爵家であるヴァンデイン家の次男であるロクス様が訪ねて来たんです」
「ロクス様? それは大変そうね……」
どうやら、この王城に公爵家の次男であるロクス・ヴァンデイン様が訪ねて来たようである。
それは、確かに大変なことかもしれない。公爵家の人間が来ると、色々と面倒なことが多いのだ。
「ロクス様は、セレンティナ様に用があるそうなんです」
「え?」
ラカニアの言葉に、私は目を丸くした。
なんだか、私が思っていたよりも大変なことになっているようだ。
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