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21.母と娘(モブside)
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ルナーラにとって、ニルーアは理解しがたい存在であった。
ディオート王国に繁栄をもたらすはずだったフェルーナの排斥、そんなことをする意味があるのか、彼女にはわからなかった。
感情的にも合理的にも、ルナーラはそれが愚かなことだと理解している。ただ彼女は、そんな自分が少数派であることも、わかっていない訳ではなかった。
フェルーナのことを聖女だと認めた者は、この国ではほんの一握りだけだ。
王城では、ニルーアに同調する者が多く、フェルーナという聖女はひどい扱いを受けていた。それをルナーラは、本人や兄から聞いている。
「お母様、この国は腐っています」
「……そうかもしれないわね」
ルナーラにとって、ディオート王国は良き国ではなかった。
公爵家の長女として生まれた彼女は、いつかこんな日が来るのではないかと薄々思っていた。
ルナーラからしてみれば、それは起こるべくして起こったものなのだ。
「民達の声は、当然のものです。この国で彼らは虐げられてきました。そんな中で、やっとのことで聖女となったフェルーナのことを、王国は排斥した」
「……人の噂には蓋などできないということね。一体どこから漏れたのか」
「そんなことはどうでも良いことです。大方、フェルーナが去った後に標的となった平民辺りが漏らしたのでしょう。その者については、同情できるかはわかりません。その者も一緒になって、フェルーナにひどいことをしていたかもしれない」
ディオート王国では、民達が反発の声を出し始めていた。
それは平民の聖女であるフェルーナが、王城でどのような扱いを受けていたのかが、流れたからだ。
今まで積もりに積もってきたものが、それをきっかけに爆発した。ルナーラはそう思っている。
「ルナーラ、あなたは何をしたいのかしら?」
「お母様、私には王位継承権があります。王女と二人の王子、その三人がいなくなれば、次の王位を掴むのは私です」
「それは……」
「このままみすみすと、この国が衰退していくのを見ているつもりはありません。私は私で、行動させてもらいます」
ルナーラは、覚悟を決めていた。
この現状を変えるためには、ディオート王国を一新しなければならないのだ。それができるのは、自分だけである。ルナーラはそのように思っていた。
「なるほど、そういうことなら私も付き合うわ」
「お母様……」
「あなたが覇道を歩むというなら、私も背負うとしましょう。こう見えても、元聖女……役に立つとは思うわ」
ルナメリアの言葉に、ルナーラは言葉を呑んだ。
母親の助力、それは彼女にとってはとてもありがたいものだった。
ディオート王国に繁栄をもたらすはずだったフェルーナの排斥、そんなことをする意味があるのか、彼女にはわからなかった。
感情的にも合理的にも、ルナーラはそれが愚かなことだと理解している。ただ彼女は、そんな自分が少数派であることも、わかっていない訳ではなかった。
フェルーナのことを聖女だと認めた者は、この国ではほんの一握りだけだ。
王城では、ニルーアに同調する者が多く、フェルーナという聖女はひどい扱いを受けていた。それをルナーラは、本人や兄から聞いている。
「お母様、この国は腐っています」
「……そうかもしれないわね」
ルナーラにとって、ディオート王国は良き国ではなかった。
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ルナーラからしてみれば、それは起こるべくして起こったものなのだ。
「民達の声は、当然のものです。この国で彼らは虐げられてきました。そんな中で、やっとのことで聖女となったフェルーナのことを、王国は排斥した」
「……人の噂には蓋などできないということね。一体どこから漏れたのか」
「そんなことはどうでも良いことです。大方、フェルーナが去った後に標的となった平民辺りが漏らしたのでしょう。その者については、同情できるかはわかりません。その者も一緒になって、フェルーナにひどいことをしていたかもしれない」
ディオート王国では、民達が反発の声を出し始めていた。
それは平民の聖女であるフェルーナが、王城でどのような扱いを受けていたのかが、流れたからだ。
今まで積もりに積もってきたものが、それをきっかけに爆発した。ルナーラはそう思っている。
「ルナーラ、あなたは何をしたいのかしら?」
「お母様、私には王位継承権があります。王女と二人の王子、その三人がいなくなれば、次の王位を掴むのは私です」
「それは……」
「このままみすみすと、この国が衰退していくのを見ているつもりはありません。私は私で、行動させてもらいます」
ルナーラは、覚悟を決めていた。
この現状を変えるためには、ディオート王国を一新しなければならないのだ。それができるのは、自分だけである。ルナーラはそのように思っていた。
「なるほど、そういうことなら私も付き合うわ」
「お母様……」
「あなたが覇道を歩むというなら、私も背負うとしましょう。こう見えても、元聖女……役に立つとは思うわ」
ルナメリアの言葉に、ルナーラは言葉を呑んだ。
母親の助力、それは彼女にとってはとてもありがたいものだった。
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