「自分より優秀な部下はいらない」と国を追い出されました。それから隣国で大成した私に「戻って来て欲しい」なんてよく言えましたね?

木山楽斗

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4.二人の策略

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 魔術師団に入ってから一週間が経った頃、私は牢屋の中にいた。
 どうしてそんなことになったのか、それは私にもよくわかっていない。
 なんというか、魔術師団の資金に手をつけたとか、そういう罪でここに入れられたような気がする。

 当然私は、清廉潔白である。
 どうしてこんなことになっているのか、皆目見当がつかない。

「おお、ここか」
「うん?」
「ふふっ……」
「あなた方は……」

 そんな私の前に現れたのは、騎士団長のバルダンと聖女であるアレイシア様だった。
 二人は、私を見ながら気持ちの悪い笑みを浮かべている。その表情を見ただけでもわかった。今回の件が、誰によって引き起こされたものなかということを。

「いい気味だな。パーストンの娘よ」
「……これは一体、どういうことですか?」
「あらあら、流石のあなたもわかったのね。まあ、それくらいは理解できて当たり前かしら」
「ふん、パーストンの血族は優秀だ。まったく、そこが気に食わない」

 アレイシア様は、私のことを嘲笑っている。それとは対照的に、バルダンは怒っている。
 ただ、どちらも私に対する侮蔑の感情があるのことはわかった。やはりこの件は、この二人の差し金なのだろう。

「私はあなた方の恨みを買ったということでしょうか? そんな覚えはありませんが……」
「簡単な話よ。私より優秀な部下なんていらないの」
「……なんですって?」
「自分より実力がある者がいるなんて、鬱陶しいことこの上ないじゃない。目の上のタンコブ……ああ、あなたの場合は目の下のタンコブかしらね。とにかく、邪魔だったから廃除することにしたの。丁度、バルダンさんもあなたのことが邪魔だったみたいだから」

 聖女アレイシア様の発言は、とんでもないものだった。
 それはなんと、自分勝手な考えなのだろうか。それで私が排除されることになるなんて、溜まったものではない。

「ふむ。さて、君に一つ伝えておこうか。君の両親が亡くなったのは、私が手を引いていたからだ」
「……え?」
「パーストン夫妻は優秀だった。私の場合は、正しく目の上のタンコブだ。あの二人を排除しなければ、成り上ることができなかった。だから消したのさ。罠に嵌めてな」
「なっ……」

 バルダンの発言に、私は思わず固まっていた。
 彼が両親のことを良く思っていないことはわかっていた。だが、両親の死に関わっているなんて、予想していなかったことだ。
 目の前にいる男が、両親の仇である。その事実に、私の体はほぼ勝手に動いていた。

「バルダン! あなたはっ……!」
「無駄よ。あなたの魔法は、封じられている。ここではただの小娘だもの」
「はははっ! いい気味だ。田舎で大人しくしていればいいものを。過ぎたる欲望を持つから、こういうことになるのだ」

 アレイシアとバルダンは、私のことを嘲笑っていた。
 それに対して、何もできない自分が悔しくて仕方ない。私はなんとも、非力だった。
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