「自分より優秀な部下はいらない」と国を追い出されました。それから隣国で大成した私に「戻って来て欲しい」なんてよく言えましたね?

木山楽斗

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2.騎士団長との対面

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「レフィリア・パーストン? 君はパーストン一家の子女だったのか」
「……父や母のことをご存知なのですか?」
「ああ、かつて一緒に戦ったことがある。まあ、それ程親しい間柄ではなかったが」

 エパイル王国の騎士団の団長バルダン・オーガシスは、私のことを見ながら口の端を釣り上げていた。
 それは親しみを込めた笑みという感じではない。少なからず侮蔑を含んだ笑みだ。
 彼と私の両親は、本当に親しい間柄ではなかったのだろう。それ所か、険悪な仲だったかもしれない。

「両親のことは、残念だったとしか言いようがない。しかし、命を賭けてこの国のために戦った二人は立派だった。君の前でこういうことを言うのは気が引けるが、それでも騎士団の一員として言っておこう。名誉の戦死であったと。胸を張っていえる。彼らは騎士団の誇りだと」
「……理解はしています。しかし納得はしていません。私は娘ですので」

 私の両親は、騎士団のとある任務の際に戦死した。その際に上げた戦果は、すごいものだったと聞いている。
 国を守るという騎士団の役目を全うした両親を、私は誇りに思わなければならないのかもしれない。

 だが、娘としては返って来て欲しかったとしか思えなかった。いくら両親が称賛されても、良い気分にはなれない。
 増してや、目の前で称賛の言葉を口にしているのは、両親を侮蔑している疑惑がある者だ。嬉しい所か、不快である。

「しかしまさか、あの二人の子供が魔法使いとなっているとは……魔術師団の新進気鋭と聞いているが」
「ええ、一応入団試験はトップで通過しました」
「トップか。やはり才能がある訳だ」

 バルダン騎士団長は、少し忌々しそうに表情を歪めていた。
 やはり、この人にはいい印象を抱くことはできない。どうしてこんな人が騎士団長なのだろうか。この国の人事は、絶対に間違っている。

「魔術師団団長……まあ、聖女と言った方がわかりやすいか。アレイシア殿も、君の入団を喜んでいるだろう」
「ええ、そう思ってもらえているなら、嬉しいのですが……」
「まあ、私から言えることは頑張り給え、というくらいか。騎士団と魔術師団では関わることも少ないとは思うが、何か困ったことがあったら相談してくれてもいい。立派だった二人の娘だ。私も丁重に扱おう」
「ありがとうございます」

 最後に社交辞令のようなものを述べた後、バルダン騎士団長はその場から去って行った。
 その背中を見ながら、私は考えていた。これからの生活に置いて、あの騎士団長は何かしらの障害になるのではないかと。
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