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6.舞踏会への参加
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社交界では、噂なんてものはすぐに広まっていく。
ラカール様が私との婚約を破棄したことは、既に知れ渡っていることだろう。
そんな私が舞踏会に参加しているとなると、周囲の人々の視線も集中する。あまり良い気持ちはしないが、これに関してはもう仕方ないだろう。
「コーネリア、あなたは離れていてもいいのよ?」
「いいえ、大丈夫です。私は平気ですから……それにそもそも、少し言いにくいのですが、多分離れても視線が向けられるのは変わらないと思います。私はお姉様の妹ですから」
「それでも少しはマシになると思うのだけれどね」
舞踏会に参加しているのは、私とコーネリアの二人である。
アガート伯爵家で参加しているのは、私達だけだ。一応今回は、婚約者を探すための舞踏会であるため、既に婚約しているお兄様は来ていないのである。
「お姉様と離れる方が寂しくて嫌ですよ。私はまだ、そんなに場慣れしているという訳ではありませんし……」
「まあ、そうかしらね……」
妹のコーネリアは、私の七つも年下だ。年の割にはしっかりとしているため忘れがちになるが、まだ一人で行動したいとは思わないらしい。
そういうことなら、私がここに来られたというのも良いことなのかもしれない。これでも一応、少なくともコーネリアよりは七年分多くの経験を積んでいるので、色々と教えられることがあるはずだ。
「でも、そんなに緊張する必要はないのよ。舞踏会なんてものは、大半は踊っていれば良いから、楽なものだし」
「そうなんですか?」
「まあ、これは個人の感覚によっては違うのでしょうけれど、私としてはかなりマシな方だと思っているわ。踊っている間は、喋らなくても良いもの」
貴族同士でする会話というものは、疲れるものだと私は思う。
無礼があってもいけないため、色々と言葉も話題も選ばなければならないし、目上の人との会話というものは、特に疲れる。それが必要であることはわかっているのだが、そこまで乗り気にはなれない。
舞踏会では踊っている間は割と喋らなくても乗り切れるため、それなりに楽だと私は認識している。
とはいえ、よく考えてみれば、舞踏会も別に乗り気になれる場所という訳ではなかった。結局の所、疲れることはそれ程変わりないからだ。
「……失礼」
「え?」
私がそんなことを考えていると、声をかけられた。
そちらの方向に視線を向けると、一人の男性がいる。その男性が何者であるかはわからないが、状況的にどうやらダンスの誘いに来たらしい。
ラカール様が私との婚約を破棄したことは、既に知れ渡っていることだろう。
そんな私が舞踏会に参加しているとなると、周囲の人々の視線も集中する。あまり良い気持ちはしないが、これに関してはもう仕方ないだろう。
「コーネリア、あなたは離れていてもいいのよ?」
「いいえ、大丈夫です。私は平気ですから……それにそもそも、少し言いにくいのですが、多分離れても視線が向けられるのは変わらないと思います。私はお姉様の妹ですから」
「それでも少しはマシになると思うのだけれどね」
舞踏会に参加しているのは、私とコーネリアの二人である。
アガート伯爵家で参加しているのは、私達だけだ。一応今回は、婚約者を探すための舞踏会であるため、既に婚約しているお兄様は来ていないのである。
「お姉様と離れる方が寂しくて嫌ですよ。私はまだ、そんなに場慣れしているという訳ではありませんし……」
「まあ、そうかしらね……」
妹のコーネリアは、私の七つも年下だ。年の割にはしっかりとしているため忘れがちになるが、まだ一人で行動したいとは思わないらしい。
そういうことなら、私がここに来られたというのも良いことなのかもしれない。これでも一応、少なくともコーネリアよりは七年分多くの経験を積んでいるので、色々と教えられることがあるはずだ。
「でも、そんなに緊張する必要はないのよ。舞踏会なんてものは、大半は踊っていれば良いから、楽なものだし」
「そうなんですか?」
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貴族同士でする会話というものは、疲れるものだと私は思う。
無礼があってもいけないため、色々と言葉も話題も選ばなければならないし、目上の人との会話というものは、特に疲れる。それが必要であることはわかっているのだが、そこまで乗り気にはなれない。
舞踏会では踊っている間は割と喋らなくても乗り切れるため、それなりに楽だと私は認識している。
とはいえ、よく考えてみれば、舞踏会も別に乗り気になれる場所という訳ではなかった。結局の所、疲れることはそれ程変わりないからだ。
「……失礼」
「え?」
私がそんなことを考えていると、声をかけられた。
そちらの方向に視線を向けると、一人の男性がいる。その男性が何者であるかはわからないが、状況的にどうやらダンスの誘いに来たらしい。
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