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47.王子達の結論

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「リヴェンドがクルルネ嬢からの愛を受け入れることはないだろう」
「……そういうものなのでしょうか?」
「平時はどうだったかは知らないが、少なくともあの場で見せたクルルネ嬢の一面というものは、リヴェンドが一番苦手なタイプだといえる」
「それは……そうかもしれませんね」

 ラメリオ殿下の言葉に、ルーアス殿下はゆっくりと頷いた。
 二人は兄弟であるため、リヴェンド殿下のことは私以上に知っていることだろう。異性の好みに関しても、それなりには把握しているのかもしれない。
 いやこれに関しては、性別は関係ないだろうか。単純にリヴェンド殿下が束縛されることを嫌うということなら、私も納得できない訳ではない。

「まあ、クルルネ嬢をともにゲヘナドに送れば、リヴェンドも大人しくせざるを得まい。あれに傍にいられることは、気力を奪われるだろうからな」
「……クルルネ嬢は、恐らくリヴェンド兄上のことを諦めないと思います」
「ああ、だが彼女にとってはこの結果が一番だともいえる」
「そうですね。本人は幸せでしょう。その愛がどこまで受け入れられないものだとしても……」

 ラメリオ殿下は、クルルネ嬢をゲヘナドに送るつもりであるらしい。
 それは名目上は、リヴェンド殿下の世話をするということになるだろう。ただ実際の所、彼女は男女を求めるはずだ。
 今のリヴェンド殿下にとって、それは最早罰ともいえる。クルルネ嬢に締め付けられるということに、彼は明るい反応など見せはしないだろう。

「結局は当初の予定とそれ程変わらない。奴から自由を奪い監視する。ゲヘナドで大人しくしてもらう」
「……クルルネ嬢がいる限り、そうなるでしょうね」
「俺としては、リヴェンドなど歴史の闇に葬り去ってやりたいが、それはお前やアフェリア嬢が望むことではない。それなら俺は、お前達の判断を尊重するとしよう。それも王家の頂点に立つものとしての責務の一つだ」
「ええ、そうしていただけると、僕としては助かります」

 ラメリオ殿下は、リヴェンド殿下に手を下さないという判断をした。それが正しいことなのかどうかは、わからない。
 だが、ラメリオ殿下というこの国を新たに背負う王が、余計な重荷を背負わずに済むというのが一番だろう。彼はこれから、もっと大きなものを背負っていくのだから。

「さてと、そろそろ王城に帰るとしようか。父上にも色々と報告しなければならない」
「そうですね。アフェリア嬢も、そろそろエゼルス伯爵家からの返答があるでしょうし……」
「ああ、そうでしたね……なんというか、手紙から色々とあったので、情報は遅れているような気がしますが」

 ルーアス殿下の言葉で、私はまたエゼルス伯爵家に報告すべきことが、増えたことを認識することになった。
 手紙に書くべきことが山程あるというのは、少々憂鬱である。しかしエゼルス伯爵家の令嬢として、しっかりと務めは果たさなければならない。
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