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3.噂の婚約者
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双子である私達のどちらがロディオン子爵家を継ぐ婿を迎えるかという問題は、早々に解決した事柄である。お父様が、魔法学園での成績によってどちらに家を任せるかを決めると、豪語していたからだ。
今から私がどう足掻いた所で、結果というものは変わらないだろう。よって、ロディオン子爵家はリメルナに任されることになるのだ。
それについて私は、その方が良いと思っている。
単純に優秀な者が家を背負う方が良いだろう。そもそも私なんかは、適当に生きていく方が性に合っている。
とはいえ、これでもロディオン子爵家の一員だ。家のことを守りたいという気持ちはある。よって私は、ロディオン子爵家の時期後継者となるかもしれない人を確認しに来た。
「オーディス・トレファー侯爵令息……」
リメルナが求婚を受け入れたとされている相手は、魔法学園の一年生であった。
私達は二年生であるため、後輩にあたる人物であるらしい。
その人物トレファー侯爵家の次男オーディス様は、教室の隅の方で多くの人に囲まれていた。人望があるということなのだろうか。彼は人々の中心で笑顔を浮かべている。
「かっこいい人だね。あれは流石のリメルナも撃沈したって感じかな?」
「見た目できめるような子ではないと思うけれど……」
「それなら中身か。まあ、悪くないんじゃない? あんな風に囲まれて、なんか慕われているみたいだよ?」
テセネアの言う通り、オーディス様の容姿は端麗であった。
囲まれていることからは人望が伺えるし、何より彼は侯爵家の令息だ。
私達に子爵家にとって、侯爵家との婚約は重要な意味を持つ。そういった所を考慮して、リメルナも婚約を受け入れたのかもしれない。
「話を聞いてみた方がいいんじゃない?」
「……そうかな?」
「ラルーナにも関係あることだし、どうせ何れは話さないといけない訳でしょう?」
「それはそうだけれど、リメルナが紹介してくれるのを待った方が……いや、それを待っていたら、いつまで経っても挨拶できなさそうかも」
テセネアの言葉に、私はリメルナと自分との関係というものに気付いた。
私達は、特別な何かがなければ学園内で交わらない。婚約者ができたというのは充分特別なことのようにも思えるが、それをリメルナが私に言うかは微妙な所だ。
まず両親に話して、正式に婚約が決まるくらいないと紹介はされないような気がする。それはなんというか、良いこととは言い難い。
今この場において私の役目は、彼という人間を見極めることにあるだろう。
同じ学園内にいる私には、わかることがたくさんある。それを両親に報告するのが私の務めだ。そのためにも、彼とはきちんと話をしておいた方が良い。
そう思って私は、近くにいる後輩の女生徒に取次ぎを頼んだ。すると彼女は快く了承してくれて、私達の方にオーディス様がやって来た。
今から私がどう足掻いた所で、結果というものは変わらないだろう。よって、ロディオン子爵家はリメルナに任されることになるのだ。
それについて私は、その方が良いと思っている。
単純に優秀な者が家を背負う方が良いだろう。そもそも私なんかは、適当に生きていく方が性に合っている。
とはいえ、これでもロディオン子爵家の一員だ。家のことを守りたいという気持ちはある。よって私は、ロディオン子爵家の時期後継者となるかもしれない人を確認しに来た。
「オーディス・トレファー侯爵令息……」
リメルナが求婚を受け入れたとされている相手は、魔法学園の一年生であった。
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その人物トレファー侯爵家の次男オーディス様は、教室の隅の方で多くの人に囲まれていた。人望があるということなのだろうか。彼は人々の中心で笑顔を浮かべている。
「かっこいい人だね。あれは流石のリメルナも撃沈したって感じかな?」
「見た目できめるような子ではないと思うけれど……」
「それなら中身か。まあ、悪くないんじゃない? あんな風に囲まれて、なんか慕われているみたいだよ?」
テセネアの言う通り、オーディス様の容姿は端麗であった。
囲まれていることからは人望が伺えるし、何より彼は侯爵家の令息だ。
私達に子爵家にとって、侯爵家との婚約は重要な意味を持つ。そういった所を考慮して、リメルナも婚約を受け入れたのかもしれない。
「話を聞いてみた方がいいんじゃない?」
「……そうかな?」
「ラルーナにも関係あることだし、どうせ何れは話さないといけない訳でしょう?」
「それはそうだけれど、リメルナが紹介してくれるのを待った方が……いや、それを待っていたら、いつまで経っても挨拶できなさそうかも」
テセネアの言葉に、私はリメルナと自分との関係というものに気付いた。
私達は、特別な何かがなければ学園内で交わらない。婚約者ができたというのは充分特別なことのようにも思えるが、それをリメルナが私に言うかは微妙な所だ。
まず両親に話して、正式に婚約が決まるくらいないと紹介はされないような気がする。それはなんというか、良いこととは言い難い。
今この場において私の役目は、彼という人間を見極めることにあるだろう。
同じ学園内にいる私には、わかることがたくさんある。それを両親に報告するのが私の務めだ。そのためにも、彼とはきちんと話をしておいた方が良い。
そう思って私は、近くにいる後輩の女生徒に取次ぎを頼んだ。すると彼女は快く了承してくれて、私達の方にオーディス様がやって来た。
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