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17.王家に仕える者

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 私は、レリクス様とセリティナとともに食堂に向かっていた。
 その道中、私は見知った人物を発見する。

「バウール様……」
「む、お前は……」

 その人物とは、バウール・ガスディオンという人物だ。
 こちらの世界では、私と彼はほとんど面識はない。
 だが、私は知っているのだ。例によって、彼がゲームの登場人物だからである。

「この間は、ありがとうございます。おかげで、助かりました」
「別にお礼を言われるようなことをやったつもりはない。私は、当然のことをしたまでだ」

 セリティナは、バウールにお礼を言った。
 それは、昨日の入学式の後起こったとある出来事が関係しているだろう。

 彼女は、入学式の後、ひょんなことから道に迷ってしまうのだ。
 その時、助けたのが、目の前にいるバウールという人物なのである。

「……バウール、相変わらずのようだね?」
「……レリクス王子殿下、申し訳ありません。あなたの前だというのに……」
「そういう所も、相変わらずなんだね……」

 バウールは、レリクス様の前に素早く跪いた。
 その動作に、セリティナは驚いている。私は知っていたのだが、それでも実際にその動きはすごかったので、それは当然のものだ。

「できれば、ここでそういうことはやめて欲しいな……ほら、皆見ているじゃないか」
「……わかりました」

 レリクス様の指示に従い、バウールはゆっくりと立ち上がった。
 彼は、王子であるレリクス様に忠実だ。それが、彼なのである。

「二人とも、驚いていますよね……彼は、いつもこんな感じなんです」
「そ、そうなんですか?」
「ええ、彼は王家に代々仕える騎士の家系なのです。だから、僕に対してこんな態度なんですよ。僕としては、少々困っているんですけど……」
「な、なるほど……」

 レリクス様の言葉に、セリティナはゆっくりと頷いた。
 彼の言っていることは、よくわかるだろう。顔を合わせて、いきなりあんな風に跪かれるのは、当然困る。

「それにしても、セリティナさんはバウールと知り合いだったのですね?」
「あ、はい。入学式の後、道に迷っている所を助けてもらったんです」
「そうですか……それは、いいことをしたね、バウール」
「騎士として、困っている人を助けるのは当然です」
「ふふ、そういう所は、君のいい所だと思いますよ」
「ありがとうございます」

 バウールは、レリクス様に頭を下げた。
 彼は、基本的に親切であり、いい人だ。
 ただ、レリクス様の前では、このように少し面倒になる。そんな人物なのだ。
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