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10.気づいた過ち
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「あのレリクス王子……」
「なんですか?」
「えっと……」
自らの行動の過ちに気づいて、私はレリクス王子の方を向いた。
彼は笑顔を浮かべている。だが、その笑顔が少し怖い。
もしかしたら、彼は私の何かに気づいているのではないだろうか。そんな予感がして、少し身震いしてしまう。
「あなたは、私の行動がおかしいと思っていますか?」
「……ええ、思っていますよ。あなたは、クラス表を確認してから真っ直ぐに席に着いた。黒板に目もくれず席に着くなんて、おかしいことです」
「……」
私の質問に対して、レリクス様ははっきりと答えてくれた。
どうやら、私の行動のおかしな点は完璧に把握されているようだ。
私は、必死に言い訳を考える。
だが、なんだか誤魔化しようがないことのように思えた。
それは、相手がレリクス様であるからだ。
聡い彼に変に誤魔化した所で、簡単に見抜かれてしまうだろう。
「理由を聞きたい所ですが、あなたはきっと答えてくれませんよね?」
「それは……」
「あなたにどのような事情があるのか。それは、気になります。ですが、それは私の個人的な興味に過ぎません。あなたが話したくないと言うなら、話す必要はありませんよ」
レリクス様は、淡々とそう話してきた。
話さなくていい。そう言ってもらえるのは、こちらとしてもありがたいことである。
「うっ……」
「エルファリナさん?」
そんな彼にお礼を言おうと思っていた私は、背中に熱を覚えた。
その熱には覚えがある。つい先程体験した熱だ。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ、大丈夫です……」
しかし、背中の熱は先程よりはひどくなかった。
急なことで驚いたが、これならそこまで問題はなさそうだ。
「おや、彼女は……」
そんなことを考えていると、教室に一人の女性が入って来ていた。
当然のことではあるが、それはセリティナである。とあるイベントを終えて、教室にやって来たようだ。
「聖痕を宿す少女、ですか……」
セリティナは、黒板を確認してからゆっくりとこちらに歩いて来た。
彼女の席は、私の隣である。そのため、それは当たり前の動きだ。
だが、私はとても緊張していた。
彼女が近づいてくる度に、背中の熱が高まるのではないかと恐怖していたのである。
「……」
「……」
しかし、彼女が自分の席に座っても、背中の熱は高まらなかった。
どうやら、これ以上ひどくなることはないようだ。
ただ、この程度の熱でも恒久的に続くとなると厳しい。
そう思っていると、熱がだんだん引いてきた。よくわからないが、とりあえずこの謎の熱は冷めてくれるようだ。
「なんですか?」
「えっと……」
自らの行動の過ちに気づいて、私はレリクス王子の方を向いた。
彼は笑顔を浮かべている。だが、その笑顔が少し怖い。
もしかしたら、彼は私の何かに気づいているのではないだろうか。そんな予感がして、少し身震いしてしまう。
「あなたは、私の行動がおかしいと思っていますか?」
「……ええ、思っていますよ。あなたは、クラス表を確認してから真っ直ぐに席に着いた。黒板に目もくれず席に着くなんて、おかしいことです」
「……」
私の質問に対して、レリクス様ははっきりと答えてくれた。
どうやら、私の行動のおかしな点は完璧に把握されているようだ。
私は、必死に言い訳を考える。
だが、なんだか誤魔化しようがないことのように思えた。
それは、相手がレリクス様であるからだ。
聡い彼に変に誤魔化した所で、簡単に見抜かれてしまうだろう。
「理由を聞きたい所ですが、あなたはきっと答えてくれませんよね?」
「それは……」
「あなたにどのような事情があるのか。それは、気になります。ですが、それは私の個人的な興味に過ぎません。あなたが話したくないと言うなら、話す必要はありませんよ」
レリクス様は、淡々とそう話してきた。
話さなくていい。そう言ってもらえるのは、こちらとしてもありがたいことである。
「うっ……」
「エルファリナさん?」
そんな彼にお礼を言おうと思っていた私は、背中に熱を覚えた。
その熱には覚えがある。つい先程体験した熱だ。
「大丈夫ですか?」
「え、ええ、大丈夫です……」
しかし、背中の熱は先程よりはひどくなかった。
急なことで驚いたが、これならそこまで問題はなさそうだ。
「おや、彼女は……」
そんなことを考えていると、教室に一人の女性が入って来ていた。
当然のことではあるが、それはセリティナである。とあるイベントを終えて、教室にやって来たようだ。
「聖痕を宿す少女、ですか……」
セリティナは、黒板を確認してからゆっくりとこちらに歩いて来た。
彼女の席は、私の隣である。そのため、それは当たり前の動きだ。
だが、私はとても緊張していた。
彼女が近づいてくる度に、背中の熱が高まるのではないかと恐怖していたのである。
「……」
「……」
しかし、彼女が自分の席に座っても、背中の熱は高まらなかった。
どうやら、これ以上ひどくなることはないようだ。
ただ、この程度の熱でも恒久的に続くとなると厳しい。
そう思っていると、熱がだんだん引いてきた。よくわからないが、とりあえずこの謎の熱は冷めてくれるようだ。
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