乙女ゲームの悪役法師陰陽師に転生した俺は、どうやら昔助けた秀麗な半妖陰陽師を狂わせているようです。

第41話-子供心を侮る事なかれ＊＊

善晴の額には、白い肌だから余計に濃く影を作った血管が浮かんでいる。

「ああ、だからな兄様、先に私があなたの体に深い契を印してしまえば、他の者は寄って来ないだろう？」

「本、気、か？」

「俺は兄様が嫌がることはしたくないんだが、先に勝手にいなくなったのは貴方だ」

善晴の顔は悪夢に魘される子供の様だが、さらに見るに忍びないものだった。

こいつは、あの時、俺に置いていかれたことで、こんなにも苦しんでいたのか。

俺は幼い善晴と真摯に向き合うことから逃げるように、あの屋敷から去った。

別に苦しめるつもりはなかった、だが、結果幼い善晴の心を苦しめることになってしまった。

まだ、幼い子供だった善晴を、ここまで追い込んだのは俺、か。

償い、そんな大層なことではないが、ここで善晴に抱かれることでこいつの気が晴れるなら、俺は受け止めるしかないのか……。

ああ、あんな夢を見た後だというの、なぜか善晴に触れられたところは気持ちが悪いと感じない。

……俺は、善晴に抱かれても良いと思っているのか？

「そのように他のことを考える余裕をもって、黙っていられるのだな」

「ちがッ！」

兄様、と言って善晴は俺の目に白い長紐を巻き付けた。

「おい！　善晴何を、んむぅ、」

突然自分の唇に生暖かい薄い唇が混ざり合うように押し付けられる。隙間を嫌うその唇の主は、背骨、胸骨、さらには内臓まで潰しかねない強さで体を密着させる。

あ、クソ、絶対骨一本逝った。

「……ちぅ、兄様はそうやって他のことを考えていればよい、私は自分の好きなようにさせもらう」

善晴のぶっきらぼうなその声が聞こえてから、視界は意味を持たず感覚だけ研ぎ澄まされていく。

「おい！　ンあ、やぁ、あああ、」

「ちゅ、ちゅぅ……フフ、よく啼いてくれよ」

やばい、触れられたところが熱い。

善晴の太腿の上に座り、向かい合ったまま、平べったい男の胸を撫でられ、突起したとこを指で摘まれるとはじめのうちは優しく指の腹で撫でられ、物足りなさを感じた頃には、刺激として爪を立てられ、激しく擦られる。

「あ、あああ、……ヒィッ！」

俺が声を上げると耳元で溜息をつき、耳を噛みつかれ、悲鳴に似た声がでた。

そんなことでさえも、視界を奪われたせいでより神経が鋭くなって感じてしまう。

すると、下の方で布が擦れる音して、俺は頭の中で善晴の妖刀が露になっている状態を想像してしまう。

「……兄様も興奮してくているのか」

耳元でそう呟かれると、俺の陽物は熱気に溢れた布の中から出て、新鮮な空気に触れ敏感になっている先端は震えた。

「ん、、」

「いまさら、声を抑えるな」

そう言って突起に触れていた手が離れ、俺の口の中に一本、二本と舌を指で挟み強めに前に引き出されると、善晴の分厚い舌が歯列をなぞって中を犯していく。

唇を噛まれ、離れた思ったら優しく吸われ、気分がクラクラしてくると、陽物に善晴の手が優しく触れる。

陽物から漏れた、てらてらの液体で滑りが良くなるほど濡れると、丁寧な手の動きは次第に激しくなり、俺の陽物は快楽を吐き出した。

「私の指を入れる、息を整えろ」

「あ、……んん、ンアッ、あ、ああ」

善晴の細い指が肉の中に入るのが分かる。

「ハア、狭いな……」

「、あっ」

善晴、どこに行くんだ。

体が重たく感じる呪をかけられ思い通りに動かない自分の体に力を入れて、善晴の体が自分から一瞬離れていくことの肌寒さに恐ろしく感じ、善晴の割れた腹に手を当て、そのまま上に向かって、鎖骨、首、そして顔に辿り着くと、俺は善晴の唇を触って捜し、俺は、どうしてそうしたのか、頭で考えるよりも先に唇を重ねた。

横で瓶が床に落ちる音が聞こえ、自分から善晴に唇を合わせたことに気が付いた。

恥ずかしさで顔を背けるが、善晴に顎を掴まれ、顔を前に向かされ、何度も何度も角度を変え、唇を求められた。

「中を解す油だ。大丈夫。ゆっくり入れるからな」

「……ひ、ぁあ、……ンぅ」

塗れた指が入口から少しずつ、中を探る様に油を塗りこんでいる。

「あ、そ、そこ…‥」

小さな声だ、すでに喘ぎ疲れて掠れている声。

そんな、俺の声を聞き逃さなかった善晴は執拗にそこを弄る。

強い快楽が高波のように襲ってきた。俺はのみ込まれないよう意識をしっかりと持つ。

俺の首の裏に善晴の手が置かれ、頭の骨と首の骨の形に添うように強くもなく、弱くもない力で掴まれる。

「あにさま、……入れるぞ」

「あ、ん、はあ……んぁアッ！」

善晴の妖刀が俺の肉を掻き分けて奥に、さらに奥にと迫り上がってくる。

中での滑りを良くするために塗られた油が、善晴の妖刀にまとわりついて、奥を突かれるごとに抜かれると入口の方が少し冷たくなり、この行為への罪悪感を呼び起こす。

突き上げられる腰の動きに、俺の中も善晴の妖刀を欲し、内の肉で包むように締め付け、善晴の動きに合わせて重たい腰を激しく揺らしていた。

畳や衣服に漏れた白い液体は、どちらの物だったのか分からなくなるまで、俺たちは何度も果てた。

俺は重たい体をだらりとさせているだけで、止まらない快楽にのみ込まれ、最後は善晴に首を噛まれた痛み快楽を感じながら意識を手放した。

夢の中で、屋敷を出る前夜に寝ている俺の額に触れ、「兄様、兄様、ごめんなさい」そう謝る子供姿の善晴の手を、謝らないでと強く願いながら握った。