【運命】に捨てられ捨てたΩ

諦念

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第ニ章 運命の番

十五

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 秀也のスラリとした長い指が拓海の脚の付け根から白い臀部の陰花に触れると、拓海は身体を震わせる。指が触れたそこは、トロリと濡れていた。秀也は絡みついたそれを二本の指に塗り込むように交差させている。
 一本の指が拓海の陰花に今度はゆっくりと中へ肉壁を割って進んでいく。
「んぁ……!」
 外気に触れた濡れた秀也の指は冷たく感じた。拓海は両手で口を覆った。

 焦れったくて、いちいち恥ずかしい。俺はΩだ、こんなに優しくされなくても、そのまま突っ込んでも良いのに……

「秀也……早く、大丈夫だから」
「……いえ、拓海先輩の身体を傷つけたくありません」

 くそ! 別に俺は初めてじゃないんだ! こいつだって、きっと童貞じゃないだろ!

 拓海はそう自分で思っといてチクリと心臓が痛くなった。陰花の奥を入口から解そうとしている秀也の手を片手で掴んだ。「どうかしましたか?」秀也は不思議そうに言った。
「ンあッ!」
 そんな秀也を無視して彼の指をむりやり奥に突っ込ませた。慌てて引き抜こうとしている秀也の手首を強く掴み、自分の腰を浮かせて指をしゃぶるように抜き差しする。拓海はむず痒い小さな快感を拾おうと肉壁に意識を集中させる。けれど、スラリとした一本の指だけでは満足出来なかった。

 足りない、早く秀也の……欲しい。

「拓海先輩ッ!」と顔を真っ赤にした秀也が叫んだ。
 拓海はその声に驚いて彼を見た。秀也が銀フレームの眼鏡を普段の彼に似付かわしくない荒さで、無造作に外した。拓海は彼の熱を含んだ鋭い双眸に睨みつけられ腹の底が熱くなった気がした。
 拓海は温い息を吐き「……欲しい」と言って、秀也の腰に細い脚を回して陰花を押し付けた。
 秀也は指を抜き、狩りを行うかのように拓海から目を離さず、理性を留めていた布から陰経を天井に震わせながら仰がせた。秀也は自身の陰茎に手を添え、亀頭の先に拓海の陰花に指をあてた。まだ一本の指しか挿入されていない陰花に押し込んだ。
「いッ!」
「大丈夫ですか!?」
 拓海の目元から痛みの涙がシーツに垂れる。耳に雫がまとわりつくよりも、見た目以上に大きすぎた秀也の陰茎に、緩かったはずの肉壁が悲鳴をあげた。
 秀也の大きめな手からはみ出る秀也の陰茎に錯視していた。

 よく見るとデカすぎる。てか、こいつ一気に入れやがった……。

「お前、そのサイズ一気に入ると、本気で思ったのか?」
「……ごめんなさい、その、ハジメテなんです」
「本気か?」
 コクコクと頭を上下に揺らす秀也。本当に申し訳無さそうにしている顔を見て、拓海は愛おしさを感じた。もちろん、「その見た目で?」という気持ちはあったので、見た目とのギャップに可笑しく口元をモゴモゴとさせた。
「そ、そうか、その全部入ったよな?」
「……えーと、あと少しだけ」
 秀也が目を下に向けたので、それに倣って拓海も上から覗き込むと、「嘘だろ、三分の一も残ってんのかよ」と素の声が出てしまった。
「大丈夫です! 無理しないでください! あの、本当に、貴方の中に受け入れて頂けて、もう心が幸せいっぱいです」
「……ゆっくり、入れていけば奥まで入るさ、多分」
 慌てふためく秀也の首に腕を回すと唇を喰むとお互いの舌を交えさせる。
 そして、深くまで秀也を受け入れるために、秀也を押し倒して、秀也の陰茎を中心に腰に垂直にする。
「あ、ん!」
 秀也が上半身を起き上がらせようとした時に、彼の陰茎が前立腺に掠ったのだ。拓海はそのままゾクゾクと感じる快楽を得ようと激しく腰を上下させる。秀也の抑え込もうとする口から漏れる息遣いを耳で聞きながら、彼の陰茎を自身の気持ちのイイ場所に擦りつけた。
 いつのまにか秀也の大きな掌が拓海の細腰にくっきりと跡が残りそうなほど強く掴んでいた。
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