楽器店に流星

乃翠奏頼

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16 仕事納め

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 hisaの引退報道が初旬だったため、涼にとっては月末、すなわち年末までこの上なく長く感じた。
 年初には地区合同の吹奏楽演奏会が控えている。師走の忙しさに便乗した駆け込み修理依頼が立て込んだことは、今年に限って有り難かった。

「じゃあ行ってくるけど、涼もちゃんと仕事締めなさいよ? 今日中に!」

 そして二十八日の夕方、父と母は先に仕事を納めた。立野も、区切りがついた頃だろうか。

「分かってる。そっちもあんまり飲みすぎんなよ」
「は~い」
「すげえ生返事じゃん」
「行ってきま~す」

 ゴルフ仲間との忘年会が今年は豪華にも旅館で開催されるようだ。両親は仕事を納めた後に大騒ぎしながらキャリーケースに荷物を詰め込み、一泊二日の小旅行へ出掛けて行く。

 二人を見送った涼はリペアルームに戻り、席に着いて作業を再開した。年始の休み明けに即納品の依頼は年末の内に終わらせておきたい。

 とはいえ残っているのは最終調整だけだ。
 修理依頼の多いクラリネットのキー動作が問題ないか、オイルの拭き残しがないか、くまなく確認する。タンポと穴の間に薄紙を挟み、滑らせて外しながらネジの締まり具合が適切かを確認する。
 最後に楽器全体を布で磨いて楽器ケースに収めた。両親から遅れて二時間ほど、涼の今年の仕事が終了する。
 腕を上げて身体を伸ばしていると、穏やかな声音が響いた。

「――お疲れ様です」

 涼は目を見開いて顔を上げる。

 リペアルームの扉の前には、ベージュ色のセットアップスーツと細いストライプのノーカラーシャツに身を包んだ長身の男が立っていた。腰の位置まで流れる長髪はハーフアップに整えられて、流星色に煌めく。

「裏口、開いてましたよ。夜なのに不用心でちょっとびっくりしました」

 革靴はそれこそチェロの色のような深い飴色に輝き、肩から下げている大きな荷物は楽器ケースで、恐らくチェロだ。

「立野、くん……?」
「遅くなってごめんなさい、涼さん。ただいま戻りました」

 おとぎ話の世界からやって来た妖精のような男がめかし込んで微笑むと、本当に花が舞うほどの輝きを放つのだと知った。
 あまりに現実味がなくて、涼は瞬きを繰り返す。

「えっと……今日は、二十八日で……」
「はい」
「そんなすぐに……?」
「はいっ、急いで帰って来ました!」

 満面の笑みを向けた立野に涼は思わず立ち上がって飛び付きかけたが、作業で汚れたエプロンを着ている自分に気付いて踏みとどまる。
 楽器ケースを置いた立野はそんな涼に駆け寄って迷わず抱き締めた。

「ま、待った立野くん……、俺まだエプロンがっ、スーツが汚れ……っ」
「だめです、離しません」

 抱き寄せられた腕に一層力が籠り、息が詰まる。しかしこの苦しさにひどく安心する自分がいて、涼は立野の肩に額を乗せた。

「涼さん、会いたかった……っ」

 鼓膜を震わせるこの声が好きで、頭を撫でる大きな手と、髪を梳く長い指が好き。
 こうして触れているだけで満たされていく気がして、泣きたいほど嬉しい。

 詰まる声を振り絞って立野と同じ言葉を返そうとして――その前に、控えめな口笛がどこからか漂ってきて涼は瞬いた。辺りを見回すが人影はない。

「鳥?」

 すると立野は珍しく残念そうなため息を吐いた。

「……忘れてた。franです」
「フラン……、franってあの<VINCERO>の?」
「はい……ここまで送ってくれて……」

 するとこの時を待っていたとばかりに、ひとりの男性がリペアルームに飛び込んできた。

「いかにも、ワタシが元<VINCERO>のfranです! 初めまして、スズシ!」

 その男性の顔を涼は思わず凝視してしまう。<VINCERO>のfranは冷静沈着で訥々と話していた印象があり、こんなに生き生きと話すのかと驚きを隠せない。

「に、日本語お上手ですね?」
「ありがとう!」

 得意げに胸に手を当てて会釈をしたfranは立野よりも背が高く、かつてのユニットの世界観のような服装ではなく濃紺色のスーツに身を包んでいた。ワインレッドのネクタイはfranの華やかな風貌に彩りを添え、袖から見えるブレスレットと、裾から見える靴下の深紅がとても洒落ている。

 立野と並ぶと二人は対照的だった。ウェーブがかった濃い茶色の短髪がfranのオーバーな動きによって揺れ、微かにムスクが香る。顎髭を蓄えたfranの逞しい色気も相まって、不可抗力で涼の胸は高鳴った。

「fran知ってる? 空気ってね、読むものなんだよ」

 立野がこれまた珍しく低い声で告げる。

「いや本当待って、今外で待ってるとめちゃくちゃ寒くてね。そこにこんなに熱々のカップルがいるなら、暖を取らせて貰ってもバチは当たらないんじゃないかって」
「ごめんなさいは?」
「ごめんなさい……」

 立野に諭されてしょぼくれる長身の男を見ていられず、涼は椅子を引っ張ってくる。

「ど、どうぞ。ストーブこっちにあるんで」
「涼さん……!」

 立野が抗議するように声を上げたが、きまりが悪そうに口を噤んだ。

「大丈夫だよ、ヒサ。君のスズシにお礼を伝えたらワタシすぐに帰るから」

 早速ストーブ前に陣取って、暖を取り始めたfranに涼は瞬いた。

「俺に?」
「その通り」

 彫りの深い目元を優しく和ませたfranは、深紅の瞳に涼を写して言う。

「ありがとう、スズシ。ヒサが辞めると決意してくれたおかげで、ワタシも辞めることができた。事務所のコトはワタシも困っていたのに、ワタシはどこかあきらめていた」
「そんな、俺は何も……」

 急に言われて涼は首を横に振ったが、franも微笑んだまま涼と同じことをする。

「ヒサはね、スズシのために戦うと言った。アナタがいるから立ち向かえると。ワタシもそのために立ち向かえば良いのだと思い出させてくれて、目を覚まさせてくれた」

 franは丁寧に、懸命に日本語で言葉を紡ぐ。流暢な日常会話より途中つっかえる時があったが、涼には一直線に届いてきた。

「ヒサを助けてくれたアナタだから、これはこと。アナタたちのおかげで、ワタシも愛する人と、一緒になる自由を掴むことができた。……この素晴らしいことを、どれほど、感謝すればいいのか分からない」

 涼の右手を両手で包んだfranは、祈るような声音で言葉を置いた。

「ありがとう、スズシ。一生忘れない」

 穏やかな響きで紡がれた言葉は、涼の胸に染み渡る。

「……こちらこそ。このためにこんな遠い所まで来てくれてありがとう。良かったな……」

 意識してゆっくりと告げる涼にfranは深紅の瞳を潤ませながら深く頷いた。感情が溢れたfranは涼を抱き寄せ、離れ際に頬にキスを落とす。
 franの流れるような手際に思わず感心していると、立野が涼の肩を掴んで強めに引き戻した。

 立野の胸元にすっぽり落ち着いてしまった涼は、立野を見上げながら声を掛ける。

「ニュース聞いたよ。……終わったんだな」

 強張っていた立野の表情は和らいだ。

「……はい。franの婚約者さんにもお手伝い頂いて、なるべく今日付けで帰れるように急ぎました。おかげさまで僕たち、晴れて一般人です」
「イエス! ワタシのフィアンセはスゴ腕の弁護士だからね。彼女のおかげで事務所は今、ダツゼーが発覚したり、他にもアーティストがダッタイしたりで事業どころじゃない。皮切りはワタシたち、<VINCERO>ってわけ!」

 franは胸を張って両手を広げる。それが大袈裟に映らないカリスマ性に、涼はただ圧倒された。

「それでも……よく数か月で片が付いたよな。裁判とか言ってたからもう少しかかると思ったし、あのマネさんだって、どうやって納得したのか……」

 立野は苦い顔をして頬を掻く。

「ご存知だったんですね。色々揉めたんですが、まあ、今まで稼いだお金で何とかして」
「な……大金持ち……?」
「いや~、流石に使い切っちゃったのでまた一文なしです。あとはとにかく、franの婚約者さんに足を向けて寝られないくらい助けて頂いて」
「ん? 待て、今思い出したけど、その人だってそろそろ子が生まれるって話だったような……それでその対応したってわけで……ど、どういう……?」
「僕も心配だったんですけど、すごい勢いで何とかしてくれたんですよね……。そして高柳さんですが――最後の方は話していません。裁判になるかならないかという頃には、もう会って頂けないようになっていて……」
「そうか……」

 怒涛の報告に涼は混乱したが、最後だけは静かに受け止めた。その結末に涼が何かを言える立場ではないが、後味に苦みは残る。

「過ぎたことは、過ぎたこと。ワタシたちは、この先の未来のために、ここまで来た。――そうだろう?」

 franは涼と立野の肩を叩き、意志の強そうな深紅の瞳を細めた。そして、リペアルームの外へそっと歩みを進める。

「ワタシはここでオイトマしようと思う。いつまでも、ヒサを我慢させるわけにはいかないからね」

 franは胸に手を当てて美しい所作でお辞儀をする。立野を揶揄っていながら、はっきりと感じる離別の空気に涼は二人の顔を交互に見た。

「……そうだね、フラン。ここまで頑張れたのが、君とで良かった。今まで本当にありがとう。これからも元気で」
「ワタシからも、最大級の感謝を。タツノくん、スズシと幸せに」

 戦友であっただろう二人のやりとりに、涼の胸が仄かに熱くなる。
 ーーその余韻を打ち消すかのように、手を叩く乾いた音が響いた。

「さあ! 後は誓いのキッスだけだよスズシ! ハリー! ハリアップ!」
「は?」
「へ?」

 立野と涼のふたりの声が重なる。

「最後にタツノくんとキッスしてくれたらワタシ大人しく帰るから! さあ! ヒトオモイに!」
「なぁっ……!?」

 今の感動を返してほしいくらいの気安い声に思わず声を上げてしまうが、涼はすぐさま立野に声も視界も塞がれた。最初は触れるだけだった唇が、次第に涼の唇を柔らかく食む。

「ごめんなさい、さっきからずっと、キスしたくて……」
「っん……ったく……、二人そろって自由だな……!」

 立野が涼の舌を掬い取り、すぐに絡める。温かな舌の感触を久しぶりに味わい、涼は思わず鼻から息を漏らした。
 鳥の囀りのような口笛はいつしか遠のき、リペアルームには涼と立野だけが残される。

「ま……て立野くん、fran、本当に行っちゃったけど……っ」
「大丈夫です。彼はこの近所に家を買ったそうなので、いずれご近所になります」
「へ……っ、この商店街、元<VINCERO>の二人を迎えんの……? 荷が重……」
「大丈夫ですから、集中して……」

 何が大丈夫なのか心の底から疑問だったが、立野の深い口付けに思考は塗りつぶされた。
 帰ってくると言っていた立野の決意を一度でも疑った自分を恥じる。だがそれを上回るほどの純粋な思いを全身に受け、涼はひどく安心する。

「は……っ」

 ようやく解放してくれた立野に、涼は肩で息をしながら口を開いた。

「……おかえり。ちゃんと待ってたけど、急いでくれて良かった」
「本当ですか?」
「結構、限界だったからな……」

 素直に吐露した涼に立野は瞬くと、状況を理解したのかどんどん頬を染めて涼の顔を見下ろしている。

「……何だよ」

 少し素直になりすぎたかもしれないと涼が内心焦っていると、立野は泣きそうな顔になりながら涼に笑いかけた。

「僕もっ……、ずっと会いたくて仕方なかったです。同じ気持ちで、嬉しい」

 微笑んで細くなったカーキ色と心地の良い声音が、涼の心の煮凝っていた部分を完全に溶かしてしまう。

「待っててくれて、ありがとう……」
「……おう」

 涼は立野の胸元に身体を預けると、立野は待っていたように涼を抱き締め直した。

「あっ……そういえば涼さん、お片付け中でしたよね。手伝います」

 立野は涼を抱えたまま周りを見回す。

「……そうだっけ。何かもうこの数分の出来事が濃すぎて、何してたか思い出せねーよ」
「多分残ってるのは鍵閉めですかね? 倉庫とかも片付けますか? 明日からお休みですよね?」
「いーよいーよ、キレーな格好してる人にそんなことさせられない」
「何を言っているんですか、こうして戻ったからにはバリバリ働かせて頂きたいです!」

 涼の顔を覗き込んで力強く言った立野に、思わず涼の口元が緩む。

「……そうだな。両親もお待ちかねだよ」
「そういえばお二人は?」
「ゴルフ仲間と泊まりで忘年会。明日の朝帰ってくるよ。……今日泊まっていくだろ?」

 敢えてぼかした言い方で様子を見たら、立野は既に察したように涼を見ていた。カーキ色の瞳が、待ち切れないと言わんばかりに。

「……片付け手伝って。復帰早々悪いけど」

 もう涼の身体も、期待に疼いていた。




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