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10 指名手配
しおりを挟むそれから数日後。
立野を商店街の防災訓練に参加させたため、涼が届いた郵便物や荷物のチェックを行っていた。
その中に不審な封筒が一つある。修理に使う小さな部品かと思いきや伝票にはCDと書かれ、送り先はいがらし楽器店で間違いないが頼んだ覚えもない。CDを商品として仕入れる時は十刻みで発注するので、段ボールで届くはずだ。
「数間違えたかな……」
涼は独り言とともに、事務的に封を開けて中身を取り出す。やはり入っていたCDのジャケットに目を落として――息を止めた。
頬杖を突いてこちらを向く人物の頬の部分に『WANTED』と手書きのタイトルが書き込まれている。
誰の顔かなんて一目瞭然だった。今しがた避難訓練に向かった男であり、ほぼ毎晩身体を重ねている男のそれだ。
薄い黒レースで両目を覆っていたが、目の部分を切り抜かれているので見つめる瞳の色がカーキ色だと分かる。撫で付けたように流れる長髪はあの流星色だ。ヴィジュアル系バンドの雰囲気を感じるメイクで印象は随分異なるが、顔の造形は見間違いようもない。
田中顧問の一言が思い出された。演奏会の当日に、失踪したチェリストがいたと。
母が寄ってきて、声を潜めた。
「立野くん、事務所に連絡するとは言ってたけど……やっぱりしてなかったのね」
「……事務所って?」
涼が掠れた声で聞き返す。
「やだ、気付いてなかったの? 立野くん、見るからにhisaじゃない」
『ここで、今入って来たニュースです』
唐突にラジオDJの声が割り込んできた。
『男性二人組のクラシックユニットである<VINCERO>のメンバー・hisaさんが、七月二日に出演予定だった演奏会以降、失踪していたことを所属事務所が明らかにしました。また同日、hisaさんのミニアルバム『WANTED』を緊急リリースすることも合わせて発表し、すでに発売・配信も開始されており話題を呼んでいます』
息を詰めて放送を聞きながら、涼の手の先は冷たくなっていった。
『所属事務所はhisaさん本人と慎重に協議を重ねて今後の方針を決めていく、とのことですが……これってhisaさんの無事は確認できてるってことなんですかね? うーん、今後の発表が気になる限りです。では早速、本日リリースされたアルバムの中から、エリック・サティ『ジムノペディ』を。話題のチェリスト・hisaさんのチェロアレンジでお送りします』
あっさりと話題を切り上げたDJの後に、現代ではヒーリング効果もあると言われる緩やかな三拍子のピアノ伴奏が流れてきた。
やがて凛とした中低音の旋律がその上に乗り、涼の鼓膜を震わせる。
(これが――立野くんのチェロ……)
落ち着くはずの静かな楽曲は、今は涼の思考を大きく混乱させた。思わずラジオの電源を落とす涼に、母は声を掛ける。
「……初日にね、立野くんhisaでしょ。お仕事はどうしたのって聞いたら、事務所に黙って出てきた、でもちゃんと連絡するから心配しないでって言われたの。何でもするから、ここで働かせて欲しいって」
hisaは、ヴァイオリニスト兼作曲家のfranと<VINCERO>を組んでいるチェリストとして、クラシック好きなら知っている知名度を持つ演奏家だ。美男二人が魅せる超絶技巧と、ゴシック風の独特な世界観を持つクラシックユニットとして数年前にデビューし、テレビ出演も果たしている。
当人たちのメイクや世界観の作り込みは正直ヴィジュアル系ロックバンドのように涼には見えていたが、それが人々の心を掴むのか普段クラシックを聴かない人にも認知されるようになっていた。演奏する音楽は古典からアレンジ、オリジナル曲まで幅広く、テレビに出ていれば見る程度の関心を涼も持っている。
そんな<VINCERO>メイクのhisaと普段の立野が涼の脳内で未だに繋がらないのだが、立野が失踪していたhisaであると仮定すると、今まで不可解だったことの点と点が繋がり始めた。
演奏の仕事をしていたという立野。
弦楽器に馴染みのある様子だった立野。
スマホも持っておらず、免許証を裸でポケットに入れていた立野。
hisaは演奏会の直前で姿を消したという。詳細は分からないが、逃げてきたのであろうことは想像に難くなかった。
(じゃあ、俺と会ったことがあるって言ってたのは……?)
少なくとも会社員時代に有名人と遭遇した記憶はない。
涼はCDジャケットのhisaを改めて見下ろした。
眺めていると、普段のhisaメイクよりも薄化粧なことに気付く。だから涼ほどの認知度でも立野を感じ取れたのだろうと思ってから――同時に恐ろしくなった。まさしくこれは、指名手配書なのだ。事務所の執念が伝わってくる。
涼が距離を置くようにCDをテーブルの上へ置いたその時、ガラス扉が急に開いた。
訓練から戻ってきた立野だろうかと顔を上げると、そこには目の覚めるような青いスーツを着て、茶髪を後ろで引き詰めた細身の女性が立っている。
スーツと同じコバルトブルーのハイヒールを高く鳴らしながら、涼たちのいる店の奥へ一直線に向かってきた。
女性が到達するまでの僅かな時間、母は素早くリペアルームへと向かう。父を呼びに行ったのだろう。
「――いらっしゃいませ」
涼は会釈をして女性を迎える。残された涼の成すべきことは、時間稼ぎだ。
「私、チェリスト・hisaのマネージャーをしております高柳と申します。この店にhisaが来ていますよね?」
高柳と名乗った女性は涼の目の前に立ち、直球かつ棘のある語調で投げつけ涼の顔を引き攣らせた。
「……恐れ入りますが、仰っている意味が分かりかねるのですが」
「とぼけても無駄ですよ。こちらの商店街で、姿も確認されています」
高柳は長い爪で器用にスマホを操作し、涼に突き出すようにして画面を見せた。
それはこの間、立野と商店街を回った時のもので背中に汗が流れる。
「こんな田舎まで来て何をしているのかと思えば、こんな小さな楽器店の手伝いなんて。一体彼に何をさせたんですか? 彼の手指はチェロを弾くためのものです。変な仕事させて怪我でもしたら、こんな店が責任取れるんですか?」
言葉の端々に滲む無礼さに感情が乱されそうになるが、ここで会社員時代の経験を生かさずしていつ生かすのかと、涼は冷静な態度を崩さない。
「お見せ頂いた写真に写っているのは確かに私と従業員ですが、本人からそういった話は受けておりませんので現時点では分かりかねます。従業員は現在外出しておりますので、本人に確認次第、改めてご連絡させて頂ければと思いますが」
「とにかくこっちは急いでますので! 奥を調べさせてもらいます!」
高柳は涼の語尾に被せて言いながら、涼の脇をすり抜けようとした。
「ご遠慮ください。奥はお客様からお預かりしている楽器類を保管してある倉庫です。人が入る隙間はありませんし、貴重品なので部外者の方は入れません」
「そう言って倉庫にhisaを隠しているんでしょって言ってんの! さっさと見せなさいよ!」
急に高柳が声を張り上げてさすがに動揺した。しかし義務感で高柳の行く手を塞いでいると、涼は容赦なく肩を突き飛ばされる。
「なっ……」
迷いのない攻撃に反応が遅れ、涼は楽譜や書籍を並べてある平棚の上に倒れ込んだ。上の段の棚から落ちてきた小さな本を頭や肩で受け止めながら、この隙に奥へ入ろうとする高柳の腕を執念で掴む。
「ちょっと! 何触ってんのよ、離しなさいよ!」
「ご遠慮ください。これ以上は警察を呼びますよ!」
涼は語調を強めて言い放った。それに多少高柳は怯んだものの、すぐさま早口で言い返してくる。
「呼べばいいじゃない。事務所に連絡も寄越さず、hisaを軟禁していたあなた方のことも同時に通報してやるわ!」
「涼さん……!」
店内に立野の悲痛な声が響いた。
走って来た立野は高柳と涼の腕を千切るように引き離した後、倉庫の反対側の方向へ高柳を突き飛ばす。
「きゃあっ!?」
高いヒールで踏み止まれなかった高柳は悲鳴を上げながら簡単に倒れ込んだ。高柳の方を見もせず、立野は涼を抱き起こす。
「涼さん、大丈夫ですか!?」
「あ、ああ、俺は全然……。むしろそちらの方が大変なことに……」
厄介な客だが同情せずにはいられない転び方に気を取られ、自分を支える両手が震えていたことに遅れて気が付く。
立野を見上げると彼は既に高柳を見据えており、空気が張り詰めたのを察して涼は立野の腕から離れた。
「涼さん、危ないから後ろにいてください」
大袈裟だと思った直後、視線の先では高柳がよろめきながらそのハイヒールを投げ捨てたところで涼は大人しく頷く。
「あんた……、今まで何をして……、誰に向かってこんなことしたか分かってんの!?」
素足の踵で鳴らす足音を響かせながら高柳は立野に突進し、頬を掌で引っ叩いた。
肌を弾く乾いた音に涼は眉を寄せる。
「帰るわよ! 今すぐに!」
高柳は立野の腕を掴んで引っ張ったが、立野は右手を薙ぎ払って高柳の手を振り解いた。
それだけでよろめいた高柳の顔が更に気色ばむ。濃く引いたアイラインは彼女の怒りを増幅させて見せ、純粋に涼は恐怖を覚えた。
「……もうやめましょう、高柳さん。戻ったとしても僕は、前みたいに弾けません」
「はあ!?」
(……前みたいに、弾けない?)
涼の耳にはそれが妙に引っかかった。
「何? 今更……勝手なことして、散々迷惑かけて、弾けないからやめよう……?」
声を震わせながら呟いた高柳は立野の服を掴んで詰め寄る。
「ふざけてんじゃないわよ! 今まで陰に隠れてコソコソ逃げ回っていたくせして、いきなり何なのよそのふてぶてしい態度!」
金切り声の高柳に立野の呆れたため息が重なった。その冷たさに涼は息を飲む。
「それはこちらの方を高柳さんが突き飛ばしたからです。信じられない。怪我でもさせたら、どう責任を取るつもりだったんですか?」
「知ったこっちゃないわよ! あんたの手の方が数倍大事でしょうが!」
「やめてください!」
立野は苛立ちを隠しもしない声音で高柳に被せた。
「……やめてください。いつも高柳さんは言い方が最悪です。僕なんてもう治らないから良いですけど、この人は違う。楽器を治す職人さんで、今も治してもらうのを待ってる楽器と人がいるんです。考えを改めるのは無理かもしれませんが、まずは知ってください。事実を」
「うるさい! 責任問題が山積みのくせに偉そうなこと言ってんじゃないわよ! あたしがどれだけ方々に頭下げたと思ってんの!」
「本当に話にならないな……それも後ほど日を改めて謝りますから。今日は帰ってください」
「今すぐ着いて来なさいって言ってんの!」
涼は辺りを見回す。
倉庫から心配そうに見ている母。平日の昼時で来客の人数は僅かだが、異様な空気に竦んでしまっている客。
膠着した言い合いを突破するきっかけが、どこかにないか。
「五十嵐さ~ん」
すると控えめな声が店に投げかけられた。
「……佐山のおじさん?」
ガラス扉を開けていたのは、生花店の温和な老店主だった。この道半世紀の大旦那が眉毛を下げて困っている。
「お取り込み中すまんが、お店の前のおっきい車、どかしてくれんかのう」
「車?」
涼は瞬いた後、二人の言い合いを背にして小走りで店の外へ出る。そして扉を開いて絶句した。
テレビドラマでしか見たことのないような車体の長い高級車が商店街の表通りに入り込み、店の前で停まっている。
楽器店は商店街の端の方に建っているとはいえ、車両通行禁止の道に無遠慮に首を突っ込んでいる状態の車に血の気が引いた。
「……おじさん、まさか接触事故とか……」
「いんや、まだ人通りは少なかったからそれは大丈夫。だけどリムジンはだいぶ困っちゃうから、何とかしてほしくてねえ……」
「分かってる、本当ごめん。すぐ動かしてもらうから」
左折して商店街に侵入した長い車体の横を走った涼は、反対側にある運転席の窓と思しきガラスを叩いた。だが反応がなく焦りが募っていく。
「涼ぃ、こいつは多分左ハンドルだよ」
いつの間にか外に出ていた父が、店側にある車窓のガラスを何度か小突いた。開いた窓からは老いた運転手が顔を出し、青ざめながら会釈する。
「あ、運転手さん? よくこんな車で来たねぇ。だめだよ、侵入禁止よ? ここ」
父がいつも通りの間延びしたテンポで言うが、いつもより声が固い気がした。
「申し訳ございません……。お嬢様の運転によってこのように乗り付けてしまいまして、動かしたいのは山々でございますが、お嬢様をお待ちせねばならず……」
涼と父は顔を見合わせた。
運転手も高柳と同等の態度で出てくると覚悟していたので拍子抜けする。
「え、何。お嬢様ってあの人のこと?」
「じゃあ、おじさんは運転手さんというより執事さんということになるなあ。あのー、執事さん? この辺でおっきいお車止められるの、市民ホールの近くぐらいしかないんですよぉ」
飲み込みの速すぎる父が、エプロンのポケットから涼の作った求人チラシを出して裏に地図を書き始めた。
「だから一旦駅前に戻って、駅を背にして真っすぐ進んだらレンガでできた建物見えてきますから、そこに置いてからもう一回来てもらえます? お話はその後にして頂いて……」
そこへ店のガラス扉が乱暴に開けられる。現れたのは暴れる高柳を肩に担ぐ立野だった。
物々しい空気に流石の父も目を丸くする。
「降ろしなさい! 降ろしなさいって言ってんの!」
「暴れないで! 本当に良い加減にして下さい!」
あれほど無邪気に輝いていた立野のカーキ色は今は鋭い光を放ち、形の良い眉も厳しく吊り上げられていた。
立野は肩の上で暴れる成人女性をよろめきながら担いで走り、高級車の後部ドアを自力で開けて高柳を放り込む。もちろん高柳がそれを大人しく受け入れるわけがなく、掴み合いになる二人の様子を涼たちは冷や汗を流しながら見守った。
「出して下さい!」
立野は車内に向けて叫んだ。同時に高柳の肩を押し、倒れ込んだのを確認してからドアを閉め、車から飛び退る。
高級車は立野の声を合図にすぐさまエンジンをふかした。来た道を少々荒めに後進し、商店街から抜け出て行く。人通りがなくて助かった。
高級車は無事に方向転換をしてから走り去り、方向的に市民ホールを目指して行ったものと見られる。
そうして辺りは水を打ったように静まり返った。
遠巻きに見ていたご近所たちは硬い表情ながら、何事もなかったように仕事に戻っていき、老店主の佐山もゆったりとした歩幅で店へと帰っていく。
涼が頭を下げてそれを見送った後、視線の先にいた立野と目が合った。
「立野くん……」
息を飲み、目に見えて立野は怯えた顔をした。
高柳との攻防で乱れた髪を恥ずかしそうに押さえ、さっと涼から目を逸らす。
「……何から何まで、すみません……。お店も、かなり散らかしてしまって……」
掠れた声で言った立野を見て、涼はひどく心許なくなった。
聞きたいことは山ほどある。あるにはあるが、今はそれより立野が心配だった。普段はたくさんの輝きを溜め込んだカーキ色の瞳に、今は一切の光がない。
「あ……あの、僕……っ」
それが今にも泣きそうに歪んだ時、てきぱきと立て看板を引き上げていた父が立野と涼の手を引いて店へと入った。
「早く中へ。騒ぎがウチで起こる前に今日はもう店を閉めるよ。それにあのお嬢さんもすぐに戻ってくるだろうし」
やはり求人チラシの裏を使って臨時休業の張り紙を出した父は、ガラス扉の目隠しとなるカーテンを閉めてからきらりと目を光らせた。
「そこで二人にお願いがある。偶然にも第一中学校へ届けてほしい楽器があるから、今から一緒に行ってきてほしい」
「は?」
涼と立野は揃って瞬きを繰り返す。
「ほら、急いだ急いだ。田中先生には話しとくから」
「い、いや、なんで今……? お嬢様が戻ってきたら立野くん……話とか、するだろ?」
視界の隅で立野の肩がびくりと強張る。
すると父は呆れ顔になり、かつてないほど深いため息を吐いた。
「そりゃ~、涼。今の立野くんには頭を整理する時間が必要でしょうよ。お前といた方が安心するだろうし。はい、これとこれと、これ持ってって」
「え? ええ?」
次々と父にお使いの品を持たされながら、涼の頭はいよいよ混乱していく。
「だからぁ、お前のひよこは、ちゃんと面倒見てやんなさいってことだよ」
父はそれ以上、説明することはなかった。
「防災訓練、立野くん大活躍だったそうじゃないか。ゆっくりお昼取ってくるんだよ」
そう言って立野の肩を叩き、リペアルームに戻っていった父の猫背を見送った涼は改めて隣を見上げる。
立野はびくりと身体を強張らせた後、目を伏せた。
「……ごめんなさい……」
その声はもう震えている。
何となく父の言っている意味が分かってきたような気がした涼は、立野の腕を引いて裏口の駐車場に停めてある軽バンへと走った。
立野を助手席に乗せ、楽器や荷物を荷台に乗せて固定してから運転席に飛び乗った涼は急いで車を発進させる。
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