フゥの錬金冒険録

まーぶる

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第8話 ✧錬金スキルを使ってみよう(ようやく)

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刺し身、サシミさんと別れた私は西の森に向かった。
今度こそウルフに負けないぞと気合いを入れていると、西の森の方へ出ることが出来る街の門の周りに人が集まっていた。
私はその辺にいた女の人に話しかける。

「西の森で何かあったんですか?」

「さっき掲示板でね。西の森でドラゴンをテイムしたっていう書き込みがあったのよ。本人は名前出してるし、β版テストで有名なシルヴィアさんもほんとだと言ったから信憑性が高いって話でね。他にも何かいるんじゃないかって話になってるのよ」

あ、これ私の話だ。私が本人ってバレたら色々面倒そうだ。シルヴィアさんの提案でシルを従魔の石にしておいて良かった。

今西の森に行くのは危ないかもしれない。
どこまでリアルか分からないが、人が沢山来て殺気立ったウルフ達だとさっきのように、✧気配遮断で隠れてもバレるかもしれない。では私はどうするべきか、なんだかんだ使ってない✧錬金を使いたいのはあるのだが、いかんせん素材もお金も大してない。
サシミさんのとこで装備を作ってもらうのに500G必要で、1000Gの手持ちから20Gは串焼きに使ったので480Gは好きに使える。
ウサギの素材はかなり安いそうだが、いくらだろうか?それを確認して決めるとしよう。

このゲームにおいて物の売り方は4つある。
1つ目はNPCの店に売ることだ。
値段は低いものの基本的に買い取って貰えるし、すぐに売り払えるので手持ちを圧迫しないのが特徴だ。
2つ目はサシミさんのように、露店売りだ。
生産者ギルドで売っている露店セットなるものを購入すると街の中、セーフティエリア(フィールドにおいてモンスターが入ることの出来ないエリア。ダンジョンのボス前などにあるらしい)において露店を設置し、物を売れる。生産職ならば名前を売るチャンスであったり、定期購入してくれる顧客の確保であったりの為にやるようだ。
3つ目は販売掲示板で売ることだ。販売掲示板とは各ギルドに設置されているもので、素材に自身で値段をつけ、出品するとその値段で誰かが購入出来るというものだ。
枠で言うと10枠出品出来る。露店売りとは違い、売れた値段の10%が手数料で引かれてしまうので少し高くなる傾向があるが、ほっとくだけでいいので便利ではある。
四つ目は個人取引だ。取引申請を相手に送って取引をするというものだ。
露店セットは必要ない上に物とお金の取引だけでなく、物と物の取引も出来るのでこれを使う人も多い。しかし露店セットの方が商品の中身を見やすく、一目で何を売ってるかわかるので売れやすいとの事だ。
個人取引をするなら掲示板の〈個人取引掲示板〉というもので募集し、待ち合わせして取引するのが暗黙の了解らしい。

とりあえず私はウサギの素材の値段を確認すべく、冒険者ギルドに向かった。

◇◇◇◇◇◇

冒険者ギルドについた私は販売掲示板でウサギの素材を調べてみる。✧錬金は皮でも肉でも大丈夫なので1番安い素材を買おうと思う。

「ウサギの素材はーっと.....皮は100G。100Gか.....思ってたより高いなぁ.....。ウサギの肉は.....10G。って10G!?やすっ!?これ買おう」

色々見ていくと、ウサギの皮は80G~120G。ウサギの肉は10G~20G程で売られていた。他にもウサギの骨などもあったが出品数が少なく、値段も高めだったのでおそらくレアドロップだろうと判断した。
一つだけウサギの耳というアクセサリーが1万Gで売られており、高!!と思ったのだが、速攻で売れていた。みんなうさ耳大好きなんだなぁと思いつつ1万Gの商品が速攻売れるってみんなお金めっちゃ持ってない?と思ってみたり。

とりあえず私はウサギの肉を10Gで48個購入し、装備の分の500Gは預けた。
そういえばウルフの皮が1枚だけあるが、あれはいくらで売れるのだろう。私は再び購入掲示板を見る。

「えーとウルフの皮で検索っと.....1枚900G!?高い!!」

しまった。少し大きな声を出してしまった。
周りにいた人がびっくりしてこっちを見ている。私は思わず顔が赤くなるのを感じた。
深呼吸をして落ち着いたあと、もう一度購入掲示板でウルフの皮を見る。
ウルフの皮は900G~1200Gで売られていた。ウサギの皮はウサギの肉よりかなり高かったから皮は少し出にくいのかもしれないが、それでも高い。西の森へ行く人があまり多くなかったからだろう。そう考えるとシルの影響で西の森にへ向かう人が増えた今ウルフの素材の値段は下がるだろう。値段が高い今のうちに売って、必要であれば安くなってから買えばいい。そう考え私はウルフの皮を少し休めに850Gで出品。他のと比べて安いからか、すぐに売れた。そしてそれでウサギの肉を追加購入。私は全部で133個のウサギの肉を手に入れた。これで錬金をしよう。

私は冒険者ギルドの隅っこの方で錬成陣の紙を出し、存在値を見るメガネもかける。
まずはウサギの肉を鑑定する。

素材:ウサギの肉  品質1  レア度1
普通のウサギの肉。少し筋張っており、弾力がある。

次にウサギの肉の存在値を見てみる。

〈ウサギの肉:存在値1〉

うんうん、ウサギの肉はやっぱり存在値1だ。最初に手に入るような素材だしね。
とりあえずウサギの肉2つ錬成陣に乗せてみる。

「よし、行くよ。【合成】!」

するとウサギの肉は空中にふわっと浮き上がりクルクル周りながら混ざるように1つになった。

「おぉ、なかなか面白いね!」

メガネで存在値を見ると2になっている。存在値が2のものには存在値2のものしか合わせることが出来ない。掛合わせで使う素材の数がどんどん増えていくことになる。
その後私はウサギの肉を16個使って、存在値5まであげた。その時システムメッセージが表示された。

《素材:ウサギの肉の存在値が最大値となりました。この素材はもう存在値をあげることが出来ません》

ウサギの肉の存在値が最大になったようだ。品質1、レア度1の素材は存在値が最大5のようだ。
では次にウサギの肉を【昇級】させる。
昇級は存在値の大きさで成功率が高まり、失敗すれば素材は消える。存在値が最大なら失敗はしないだろう。

「いくよー、【昇級】!」

ウサギの肉が宙に浮いて光っている。なんだか某ゲームの進化を見てる気分だ。「Bボタン!」とか言ったら止まるかもしれない。
そこでまたシステムメッセージが来る。

《素材:ウサギの肉の品質とレア度、どちらを昇級させますか?》

ここはレア度にしておこう。そっちの方が面白そうだし。
そして光が収まるとウサギの肉が大きくなっていた。さっきの数倍はある気がする。
✧鑑定してみよう。

素材:大ウサギの肉  品質1  レア度2
ウサギのボスである大ウサギの肉。大ウサギの強靭な肉は固いように思われるが、ちゃんと下ごしらえすれば柔らかく美味しくなる。
市場にはほとんど出回らない品。

おぉ!レア度が2になった。大ウサギの肉....ウサギのボスということは東の草原のボスだろうか?ボス素材がウサギの肉16個で手に入るってすごくない?なぜみんな✧錬金をしないのか分からない。

その後出来上がった大ウサギの肉にウサギの肉を【合成】しようとしたが出来なかった。レア度が違うからだろう。

私は大ウサギの肉をさらに7個制作し、合計8個の大ウサギの肉を手に入れた。これを売ればかなりの利益を得られるだろう。
✧錬金のスキルレベルを確認すると4レベル上昇し、5レベルに達していた。大した素材じゃなくてもたくさん合成したかいがあったようだ。さらに5レベルに達した時に【錬成】のアーツの使用制限が緩和したと書かれていた。詳細は表示されないため分からないが、便利になったのならよしとしよう。まだ【錬成】のアーツ自体使ったことないのだけど。

私はひと仕事終えてぐいーっと体を伸ばした時、ふとギルドの受付嬢が目に入った。

〈ヒューマン:存在値1〉




..........
.........



........

......



....

.....ん???





ーーーーーーーーーーーーーーー
後書き

2、3日に1回の投稿って言ってましたしセーフですよね!セーフ!(必死)
ようやく✧錬金のスキルに手を出しました。
私の小説は見切り発車のため✧錬金のスキル中身の詰め込みが甘く、色々矛盾が生じていくと思います。(今も怪しい)
まず迷ったのはウサギの肉のレア度が2になるとどうなるか、です。
私の想像として第2の街までの素材はボスを除き基本全てレア度1、ボス系素材はレア度2というイメージで、第2の街~第3の街でレア度3、4のように上がっていく感じにしました。当然第2の街へ行くと魔物は強くなりますが、レア度を見るとボスよりレア度が高い....そう考えると第2の街にいる魔物はボスより強いのがうじゃうじゃいる、という感じがして違和感があります。難易度上がりすぎです。第2の街からはウサギの上位種としてホーンラビット(角ウサギの方がいいかもしれない)が出てくる予定だったんですけど、大ウサギより強いのかな?と考えてしまいます。
大ウサギはウサギがでっかくなっただけなんですが、大きくなって突進はより重く、体は強靭に、的は大きくなりましたが大きいは強い。ですよね。でもウサギは狩りまくれるのに大ウサギは狩ることが出来ないの?って思ってしまいます。なのでウサギの中でも特殊な個体、イメージとしては6話の後書きで書いた最大ステータスによる特殊進化先が1番しっくりくるのでは?という結論に至りました。
よってレア度はボスクラスという扱いでレア度2。バランスがまあまあ取れている気もしますね。
それと、【合成】のシステムについて話しておきます。合成はレア度、品質、存在値が同じで【合成】できます。(今のところ)正直これで良いのか悩んでますので変更される可能性があります。すみません。ウサギの肉は存在値5で最大となり、レア度または品質の増加となります。こうなると品質があげにくいような気もするので品質あげた場合は素材が2つになった方がいいのかもしれないなとか考えてます。ちなみに存在値ごとの素材の必要数を計算する時は「素材の必要数=2^n-1、nは存在値」という計算になり、レア度、品質が上昇したら存在値は1に戻ります。

さて、長くなりましたが最後です。
〈ヒューマン:存在値1〉で「どういうことや!」ってなった方もいると思います。すみません。第3話にて全ての素材には存在値というものがある、と言いました。つまり人も素材ってことですね!
錬金術って割と禁忌って感じじゃないですか。キメラとか作れちゃいますしね?なら人も【合成】したり【錬成】したりしてもいいかなって思っています。
むかしむかし、禁忌を犯して人間に錬金を使って人体実験を繰り返し、全て人類を超越した存在を作ろうとした人もいたとかいないとか。

ほんとに見切り発車なのでめちゃめちゃな話ですがこれからも呼んでもらえると嬉しいです。後書きで解説(?)も入れていくのでそれで何とか伝わってくれたら嬉しい限りです笑

✧錬金スキルの中身に関してこうした方が面白いとかこういう方がスッキリするとかあれば感想で言って欲しいです!いいなと思ったものを取り入れて少しずつ良くなればと思います。誤字脱字は結構気をつけているつもりですがあるかもしれないので教えていただけると有難いです。
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