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ブラコン姉妹は、天使だろうか?(12)
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お化け屋敷を終えて、俺たちは次のアトラクションへと向かっていた。その道中でお腹が空いたのか、美羽がアイス屋を指差して笑顔を浮かべて言った。
「アイス!兄者、美咲、アイス食べよぉ~!」
「そうですね。そろそろお昼が近いですし、お兄様はどうしたいですか?」
「お前たちの自主性に任せるよ」
俺がそう言うと、美咲の瞳がキラキラとし始める。トコトコと美羽の元へと行くと、二人でアイスを選び始めていた。
「(どうしたい?じゃなくて、アイスで良いよね?って同意を求められたもんだよなぁ、これって)」
そんな事を考えながらも、俺も微かな空腹感満たす為にカフェオレを注文した。ちなみに美羽は無難にバニラアイスで、美咲が意外な物を頼んでいた。
「ねぇねぇ美咲、それって美味しいの?」
「ん?美味しいけれど?」
「そうなんだ。美羽には美咲が『歯磨き粉』をペロペロしているようにしか見えないんだけど……」
「全国のチョコミント派に喧嘩を売りましたね、美羽」
何やらくだらない話が耳に入ってくる。だが気にしたら負けだと思いつつ、俺は取っ組み合いの喧嘩にならないかの注意を払う。ちなみに俺は、チョコミントもイケる口である。ってどうでも良いか……。
「騙されたと思って、ひと口食べてみますか?その減らず口を叩けなくて差し上げます」
「ぬぅ……ホントに美味しいのぉ、それ。もぉこれ、匂いも既にスースーするんだけど」
「まずはひと口。人には好き嫌いがあるので、押し付けようとはしません。ひと口食べてから決めて下さい。はい、口を開けて下さい」
「ええ~?(あ、兄者~)」
困惑した声を上げながら、こちらに美羽の視線が飛んでくる。俺は咄嗟に聞いてないフリをしながら、カフェオレを飲む。
「さぁ、さぁ、さぁ!!」
「もうとっくに押し付けてるよ!?」
「これは同意を得ているので、問題はありません。さぁ美羽もチョコミントへの道を歩みましょう!さぁさぁ!」
「な、なんか怖いよ?美咲?……あーもう、分かったよ!食べれば良いんでしょ!?あ、あーん……」
変な宗教の押し売りをされているようにも見えたが、なんだかんだで美咲に付き合う美羽。そのこは姉妹なのだろうと思いながら、視界の端で観察する。まるで探偵とか偵察任務に来ている捜査官になった気分だ。なんて、頭のオカシイ奴だと思われたくないから、妄想は自重しておこう。
「んん……」
「どう?美味しいでしょ~♪」
「オ、オイシイヨー?(あ、兄者ぁ、ヘルプッ!!!)」
美味しいと言われて満面の笑みを浮かべる美咲とは違い、半分涙目となってしまっている美羽はこちらを見てくる。大方、早く助けて兄者ぁ~状態だと思うが……さて、どうしたものか。放っておくか、それとも美羽に助け舟を出すか。
「はぁ…………美咲、俺にもひと口分けてくれないか?」
「お兄様も食べて下さるのですか?な、なら!ひと口どころか、ガブガブとすると良いです!さぁお兄様っ、ドンと来いです!!(お、お兄様との間接キスのチャンスッ!!)」
そう言いながら、まるでアイスをマイクのように向けてくる美咲。その瞳には期待という眼差しだけしかなく、俺には他に選択肢が無いように見えた。これはもう、食べるしかないのだろう。
「食べてくれないのですか?お兄様……」
声色を変えて、甘えたように上目遣いをする美咲。どこで覚えてくるんだ、そういうテクニックは。そう思いながら、俺は溜息混じりにアイスにかぶり付いた。
「どうですかお兄様、美味しいですよね?」
「お、おう。スースーするけど、食べれなくは無いぞ?」
「ですよね!ほら美羽、お兄様もこう言ってますよ!どんなもんですか♪(お兄様と間接キス……いよっしゃぁー!!!)」
美羽が納得いかない表情を浮かべて、ジト目をこちら向けている。『兄者は甘いんだね』って言いたそうな顔をしてる。違うんだ美羽。兄とはこういう生き物だ。
「ご、ゴホン。さて、これからどうする?まだだいぶ時間があるしな、少し休憩したら違うアトラクションにでも行くか?」
「さんせー!」
「私もお兄様の意見に賛成です。このまま席に居たら、他の人に迷惑を掛けるかもなので」
大きく手をあげる美羽と違い、真っ当な理由を言いながら手を出す美咲。そんな事を考えるのは立派なのだが、もう電車内である程度の騒ぎ方をしてる事を忘れているのだろうか。
「んじゃ、行くか。おっと……またかお前ら」
「次は何乗る?兄者」
「次こそ、私の選んだ物を先に乗って下さいね?お兄様」
来たばかりと同じく両手を引かれ、俺は次のアトラクションへと向かう。気恥ずかしさもあるが、まぁ……楽しんでる様子だから、良しとしよう。
「アイス!兄者、美咲、アイス食べよぉ~!」
「そうですね。そろそろお昼が近いですし、お兄様はどうしたいですか?」
「お前たちの自主性に任せるよ」
俺がそう言うと、美咲の瞳がキラキラとし始める。トコトコと美羽の元へと行くと、二人でアイスを選び始めていた。
「(どうしたい?じゃなくて、アイスで良いよね?って同意を求められたもんだよなぁ、これって)」
そんな事を考えながらも、俺も微かな空腹感満たす為にカフェオレを注文した。ちなみに美羽は無難にバニラアイスで、美咲が意外な物を頼んでいた。
「ねぇねぇ美咲、それって美味しいの?」
「ん?美味しいけれど?」
「そうなんだ。美羽には美咲が『歯磨き粉』をペロペロしているようにしか見えないんだけど……」
「全国のチョコミント派に喧嘩を売りましたね、美羽」
何やらくだらない話が耳に入ってくる。だが気にしたら負けだと思いつつ、俺は取っ組み合いの喧嘩にならないかの注意を払う。ちなみに俺は、チョコミントもイケる口である。ってどうでも良いか……。
「騙されたと思って、ひと口食べてみますか?その減らず口を叩けなくて差し上げます」
「ぬぅ……ホントに美味しいのぉ、それ。もぉこれ、匂いも既にスースーするんだけど」
「まずはひと口。人には好き嫌いがあるので、押し付けようとはしません。ひと口食べてから決めて下さい。はい、口を開けて下さい」
「ええ~?(あ、兄者~)」
困惑した声を上げながら、こちらに美羽の視線が飛んでくる。俺は咄嗟に聞いてないフリをしながら、カフェオレを飲む。
「さぁ、さぁ、さぁ!!」
「もうとっくに押し付けてるよ!?」
「これは同意を得ているので、問題はありません。さぁ美羽もチョコミントへの道を歩みましょう!さぁさぁ!」
「な、なんか怖いよ?美咲?……あーもう、分かったよ!食べれば良いんでしょ!?あ、あーん……」
変な宗教の押し売りをされているようにも見えたが、なんだかんだで美咲に付き合う美羽。そのこは姉妹なのだろうと思いながら、視界の端で観察する。まるで探偵とか偵察任務に来ている捜査官になった気分だ。なんて、頭のオカシイ奴だと思われたくないから、妄想は自重しておこう。
「んん……」
「どう?美味しいでしょ~♪」
「オ、オイシイヨー?(あ、兄者ぁ、ヘルプッ!!!)」
美味しいと言われて満面の笑みを浮かべる美咲とは違い、半分涙目となってしまっている美羽はこちらを見てくる。大方、早く助けて兄者ぁ~状態だと思うが……さて、どうしたものか。放っておくか、それとも美羽に助け舟を出すか。
「はぁ…………美咲、俺にもひと口分けてくれないか?」
「お兄様も食べて下さるのですか?な、なら!ひと口どころか、ガブガブとすると良いです!さぁお兄様っ、ドンと来いです!!(お、お兄様との間接キスのチャンスッ!!)」
そう言いながら、まるでアイスをマイクのように向けてくる美咲。その瞳には期待という眼差しだけしかなく、俺には他に選択肢が無いように見えた。これはもう、食べるしかないのだろう。
「食べてくれないのですか?お兄様……」
声色を変えて、甘えたように上目遣いをする美咲。どこで覚えてくるんだ、そういうテクニックは。そう思いながら、俺は溜息混じりにアイスにかぶり付いた。
「どうですかお兄様、美味しいですよね?」
「お、おう。スースーするけど、食べれなくは無いぞ?」
「ですよね!ほら美羽、お兄様もこう言ってますよ!どんなもんですか♪(お兄様と間接キス……いよっしゃぁー!!!)」
美羽が納得いかない表情を浮かべて、ジト目をこちら向けている。『兄者は甘いんだね』って言いたそうな顔をしてる。違うんだ美羽。兄とはこういう生き物だ。
「ご、ゴホン。さて、これからどうする?まだだいぶ時間があるしな、少し休憩したら違うアトラクションにでも行くか?」
「さんせー!」
「私もお兄様の意見に賛成です。このまま席に居たら、他の人に迷惑を掛けるかもなので」
大きく手をあげる美羽と違い、真っ当な理由を言いながら手を出す美咲。そんな事を考えるのは立派なのだが、もう電車内である程度の騒ぎ方をしてる事を忘れているのだろうか。
「んじゃ、行くか。おっと……またかお前ら」
「次は何乗る?兄者」
「次こそ、私の選んだ物を先に乗って下さいね?お兄様」
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