自分語り

あるべきものがない。

私は知らなかった。
他の人にはあって、私にはなかったもの…。
ないはずがないのに、私にはなかった…。
戸籍…
私は無戸籍だった…。
大人になるまで全く気が付かなかった…。


事の発端。
２０代の私は、アミューズメント施設の面接を受けた。
バイト３ヶ月から始めて、社員になる予定だった。
社会保険も年金も残業もボーナスも、ちゃんとしているわりと有名なチェーンの施設だった。
同僚とも上司とも仲良くお仕事が出来た。
雰囲気が良くやりがいもあり毎日楽しく勤めていた。
３ヶ月経ち正社員として働き始めた。
正社員になるにあたり、今まで加入していた父親の社会保険から抜け私個人の社会保険に加入する事になった。
本社から契約書と住民票を提出するように伝えられました。
その頃私は週末の夜だけ、ライブハウスのお手伝いをしていた。
そのせいもあり忙しく自分で役場に行かず、母親に住民票を貰ってきてと頼んでいた。
何日か経った。
三日、もう少し待って…
一週間、もう少し待って…
二週間、三週間…
１ヶ月経った。
さすがに店長から注意をうけた。
家に帰り母にいい加減にしてと怒った。
すると母は直接店長と話すと言い出した。
そんなに疑問に感じていなかった。
ただ謝ってくれるだけなんだと思っていた。