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番外編:ほろにがチョコプディング〜バレンタイン仕立て〜
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二月十四日。泣いても笑っても今日でいろんなことが決まる。
会社に着くと真っ先に一階の事務室をちらりと覗いた。総務部の川畑さんを筆頭に、経理部へあのチョコが贈呈される瞬間に立ち会ってしまい、僕は固唾を飲んで見守った。
お局の美山さんがにこやかに受け取っているのが小窓から見える。なんとかうまくいったようで何よりだ。僕はそそくさと社員証を取って、自分の部署へ向かった。
食品開発部へ行く道すがら、背後から「真殿さーん!」と小走りに駆け寄る女子社員の声が聞こえて振り返る。
「汐田さん、おはよう」
「おはようございます! はい、これ、バレンタインチョコです!」
「え? 個別にくれるの?」
こういうの、女子社員からまとめてっていうのが普通だと思ってたんだけど。
「そりゃ、真殿さんにはいろいろとお世話になりましたし。この前の罪滅ぼしと言いますか……あとは口止め料というか」
「まぁ、そんなことだろうとは思ったけど……ありがとう。嬉しいよ」
小さな紙袋は白地にピンク色のラインが入っていて、どうやら手作りではないことが窺えた。筒井さんの言う通り、義理で手作りは重いよな。
それでもちょっぴり浮かれてしまう僕は早速紙袋を開けた。
「………」
なんか、見覚えがあるパッケージだなと思い、汐田さんをチラリと見る。彼女は茶目っ気たっぷりに笑うと一目散に逃げていった。
紙袋と同じラッピングの白い小箱の中身を僕は知っている。だって、これは先週僕らが売っていた生チョコだ。
なるほど。いざもらう側になると、なんだろう……ものすごくテンションが下がる。いや、ありがたいけどね!
「おはようございます、真殿さん」
へこんでいたところに佐藤くんが横切って止まった。いつもなら僕の挨拶を待たずすれ違うのに。不思議に思いながら僕も挨拶を返す。
「おはよう? えっと、どうかした?」
「汐田にチョコもらったんですね……彼女がいるのに、もらったんですね」
なぜだろう。軽蔑的な目で見られている。
「いや、普通に義理だよ。佐藤くんだってもらったでしょ、うちの生チョコ」
「もらってませんよ」
即座に否定され、僕はわずかにたじろいだ。
「それ、本命だったらどうするんですか。汐田の気持ちを弄ぶようなことがあったら、さすがに僕も黙ってませんよ。同僚として見過ごせない」
「ちょっと待って! 誰が弄んだって?」
そう言えば、佐藤くんは汐田さんが僕に惚れてる的な勘違いをしていたな……まだ誤解が解けてなかったようだ。
汐田さんには悪いが、ここは僕の名誉のためにバラすしかない。事の顛末を佐藤くんに話して聞かせた。
「……ということで、汐田さんは湯崎さんに本命を渡すと思うよ。だから、断じて僕は弄んでない。わかった?」
「あー、そうですか……」
佐藤くんの反応はあまりいいものではなかった。先ほどよりもさらにテンションが下がっているように思えるのは僕の気のせいだろうか。
「まぁ、湯崎さんなら仕方ない」
うん。そういうことだから、もう変な誤解はしないでくれ。
くるりと踵を返す佐藤くんは僕に謝罪もなく、スタスタと企画営業部へ戻っていった。その背中に僕はもう一つ付け加える。
「あ、これは絶対に誰にも言わないでねー!」
通じたかどうかはわからない。
ようやく部署にたどり着くと、僕の机と湯崎さんの机に白い紙袋が置かれていた。
「女子社員一同より」と書かれたメッセージカードが入っている。そして、中身は先週僕が売っていた自社製品のチョコケーキである。
「あ、それバレンタインね」
後ろの席にいる安原さんが情緒のかけらもなくサラリと言った。
「ありがとうございます……」
もう何も思うまい。所詮は義理だ。それに僕は今日、頼子から手作りのお菓子をもらう予定だから寂しくなんかない。
「はよーござーます」
湯崎さんが眠たそうに出社してきた。手には僕と同じ白い紙袋を持っている。
「おはようございます。あれ? 湯崎さん、それ誰にもらったんですか?」
コートを脱ぎながら訊くと、彼はマフラーを取りながらキョトンとした顔で返した。
「誰って、汐田さんですけど。真殿さんも同じの持ってるじゃん」
「中身は?」
「中身? 見てないっすけど、どうせ生チョコかケーキでしょ。このロゴ、うちの系列店のだし」
僕の様子に不審を抱いたのか、湯崎さんが眉をひそめる。一方、僕も困惑していた。
おかしい。汐田さんは湯崎さんのために本命チョコを作ってたはずだ。それなのに義理の方を渡すなんて……彼女に限って、間違えたとは考えにくいし。どうしたんだろう。
「あ、今年もこれだよ。たまにはよその店のチョコがいいのにー」
湯崎さんが自分の机に置かれた「女子社員一同より」の義理チョコを見て文句を垂れた。
「もらえるだけいいじゃない。感謝して食べなさいよ」
「そういう安原さんは個別にくれないんですか? 義理でもいいからくださいよ。昨日、高級チョコ買いに行ったんでしょ」
「はぁー? あんたたちにあげるなんて勿体ないわ!」
思案する僕の横で安原さんと湯崎さんが、いつものように仲良く言い合いをしている。それを聞き流しながら、僕は汐田さんの本命が誰なのか勘違いしていることに気がついた。
思えば、このバレンタインまでの期間はいろんな人たちの思惑と勘違いが交錯していた。そしてみんな浮かれすぎだと思う。かく言う僕も浮かれていたけれど、たまにはいいじゃないか。いくつになってもこうしてくだらないことでワイワイ騒いでいけたらいい。
汐田さんの本命が誰なのかはもう詮索しないでおこう。
こうしてバレンタインデーは本日の業務終了と同時に賑やかに幕を閉じようとしていた。
が、僕らのバレンタインはまだ終わらない。女性社員たちの知らぬ間に行われている義理チョコ委員会の結果報告を聞きに、僕と湯崎さん、途中で拾った佐藤くんは第二会議室へと向かう。
前回来られなかった杉野さんが議長席に座っており、今回は総務部が欠席していた。
「えー、お忙しい中、ありがとうございます。みなさんのご尽力により、なんとか無事に経理部へチョコを渡すことができました。まずは厚くお礼申し上げます」
杉野さんが一礼すると、みんなもつられて一礼。
なんともかしこまった雰囲気で始まる義理チョコ委員会議だが、ほかの社員たちは「いいから結果だけ教えろ」と言わんばかりに目を光らせている。
「結論から言いますと、今回の作戦は失敗でした」
「えぇーっ!」
思わず驚きの声が漏れてしまうが、ほとんど全員がどよめいたので僕の声もその中へ紛れ込んでいった。佐藤くんを見ると、悔しそうに項垂れている。
「相田部長よりもいいものを贈ったことは事実です」
杉野さんが口を開くと、みんな一斉に黙り込んだ。ただただ困惑だけが室内に充満していく。
「ですが、どうやら相田部長が三年前に贈ったものと丸かぶりだったそうで……とは言え、僕らの頑張りは一応、経理部に伝わったと思います。今、総務が相田部長の経費について経理部にかけあってるので、もしかすると今後はもっとよりよい職場環境になるかと」
その言葉に、全員がどことなく晴れやかな顔をした。僕もこの急激な進歩に感心していると、横で佐藤くんが腕を組んで言った。
「まぁ、こんなことせずに相田部長の経費問題を訴えればいいだけの話ですよ」
「じゃあ、君が訴えたの?」
「はい。当たり前じゃないですか」
サラリととんでもないことを言ってのける佐藤くん。
本人に聞いたって、そういうことだったのか。なんて命知らずな。
まぁ、これでこのくだらない画策はなくなっていくんだろう。その方が平和だ。
「でもまぁ、義理チョコ委員会はまだ続くと思いますよ」
僕の安堵を秒でぶち壊しにくるのは湯崎さん。笑いながら言う彼に、僕と佐藤くんは「え?」と声を揃えて聞き返した。
「だってそうでしょ。俺らは相田部長と横並びになったわけじゃない。今後もなんだかんだ言って相田部長は経理にちやほやされるだろうし。あの人、常日頃から経理に出入りしてるし、イケメンだから気に入られてる。同じ土俵に上がるなんてそもそも無理な話なんですよ」
湯崎さんは当然のごとく言った。そんな身も蓋もないことを言わないでほしい。だったら、この委員会そのものが無駄ってことになる。まぁ、無駄なことだけどね。最初からわかってたけどさ。
「それがわかってて、湯崎さんはどうして参加してるんですか?」
周囲は来年の抱負について盛り上がる中、佐藤くんが神妙に訊く。
すると、湯崎さんはあっけらかんと返した。
「こんなバカなことを真剣にやってる人を見るのが面白いから」
「………」
この答えに佐藤くんは不満そうに椅子の背にもたれ、僕はため息をついた。
いつもながらわずかな時間で終了する義理チョコ委員会からの帰り、佐藤くんはまだ仕事を残しているそうなのでエレベーター前で別れた後、湯崎さんと一緒に一階まで降りる。
ドアが開くと、そこには筒井さんが立っていた。
「あ! 真殿くん、いた!」
このシチュエーション、デジャブだな。
筒井さんはエレベーターのドアをこじ開けるようにして中へ入ると、僕をエレベーターから引きずり出した。その脇を湯崎さんが「お疲れーっす」と冷たくすり抜けていく。助けようという気概は一切ない。
「なんですか、どうしたんですか?」
「もう、散々探したんだから! ほら、早く早く早く!」
慌ただしく玄関まで追い立てられ、僕は前につんのめりながら会社を追い出される。筒井さんはなぜか怒っているようであり、僕の背中をドンと叩いて右の道を指す。
「あっち!」
その声が指し示すのは、見覚えのあるクリーム色のロングコート……頼子だ。
「なんで!?」
「いいから、追いかける! はい、じゃーね! お疲れ様!」
一体なんなのかわからずに僕は頼子の後ろを追いかけた。
「頼子ー」
おそらく聞こえるくらいの距離で声をかけると、髪をおろした彼女がくるっと振り返る。
「あ、修くん。お疲れ」
「お疲れ。どうしたの? もしかして、会社に来てた?」
「うん。ここ最近はずっと筒井さんと仕事の打ち合わせに来てたよ。修くんはデパートに行ってたから知らないだろうけど」
味陽の仕事をしていることは知ってたけど、まさか会社に来てたとは。
頼子はわずかに拗ねたような顔で、僕から目をそらすとそっけなく言った。
「今日はもう終わり?」
「うん。一緒に帰ろう」
横に並んで歩き出す。いつもなら勝手に腕を組んでくる頼子だが、今日はどうにもぎこちない。僕は手に持っていた紙袋に目を落とした。
「あ、これは義理チョコだからね」
慌てて言うも頼子は「わかってるよ」と、またもそっけない。唇をとがらせて俯いている。
なんで機嫌が悪いのか見当もつかない僕は無理に明るく声をかけた。
「そういえば、今日はバレンタインだよ。頼子、僕に隠してることあるよね」
「………」
「頼子?」
返事がないので彼女の顔を覗き込む。すると、頼子は眉をひそめてボソボソと言った。
「修くんも隠してることあるよね?」
「え?」
なんだろう。僕は何を隠してるんだっけ……? ここ数日の出来事を一気に巡らせて考える。隠し事は多々あれど頼子に直接関係があるものではない。
「……ぎ、義理チョコ委員会のこと?」
見当がつかないので言ってみると、頼子の目がキョトンとなる。
「義理チョコ委員会? 何それ」
「いや、それじゃないなら……なんだろう?」
本当に思い当たるものがない。困った。必死に考えてもわからないので黙り込むと、頼子は顔のパーツ全部をすぼめて言った。
「先週木曜日、調理室で女の子と一緒にチョコ作ってた」
「……あぁ」
その瞬間、僕はすべて悟った。
そうか。あれはつまり、頼子が見つけて筒井さんが様子を見に入ってきたわけか。おかしいと思ったんだ。調理室を使う社員は他にもたくさんいるし、それをわざわざ「何やってるか」なんて聞きにくる人はいない。本来なら筒井さんもスルーするところだろうが、ほぼ外部の人間である頼子は僕と汐田さんが何をしているのか疑問に思うのも当然だ。
しかも、あろうことか彼女は嫉妬している。
「ぶっ」
僕は思わず噴き出した。笑うまいと堪えても無理だった。
「何がおかしいの!」
「ごめん、ごめん。だって、変な勘違いしてるから……」
「んもう! あたしがキッチン出禁にしたせいで修くんが浮気したのかと、なんかこうバカみたいに真面目に考えちゃったの! コラ、笑うな!」
そりゃ真剣に悩んだのかもしれないけど、これを笑わずにいられようか。僕はその場でしばらく腹を抱えて笑った。
「あー、おっかしい。僕が浮気するわけないじゃん。バカだなぁ」
「それはそうだけど! 万が一ってことがあるでしょ! あたしより若くてかわいい子がいるんだから、目移りしちゃうかもしれないって」
「はいはい、頼子が一番かわいいから、心配しないで」
なだめると、頼子は頬を膨らませた。照れたように笑っては顔をしかめて、感情が忙しい。
「あーあ、心配して損しちゃった。せっかくバレンタインのために頑張ってチョコプディング作ったのになぁ」
そう言って、僕の前を歩いていく頼子。その後ろを追いかける。
「あ、やっぱりチョコプディングだったんだ」
「そうよ。まさかあの子とかぶっちゃうなんて思わなかった」
「僕、あのチョコプディング食べ損ねたんだよね。あ、でも頼子が作ってくれる方が絶対おいしいはずだから、楽しみだなぁ」
呑気なことを言っていると、頼子が僕の方をチラリと見た。そして、バツが悪そうに口を開く。
「それなんだけどね……あたしが全部食べちゃったからないよ」
「え?」
え?
思わず心の声も同じ反応になってしまう。それほどに強烈な一言だったので、僕はその場で立ち尽くした。
「ないの!?」
「ないよ」
どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。頼子はだんだん申し訳なさそうな顔になり、僕の顔を覗き込んだ。そんな彼女の頬を両手のひらで挟む。「つめた!」と悲鳴を上げるが知ったことじゃない。
僕は頼子を追い越して早足で家路へ向かった。
「え、ちょっと修くん!? ごめん! ごめんってば! ちゃんと作るから!」
走って回り込む彼女から目をそらす。
「そんな泣かなくてもいいじゃないの! たかがバレンタインチョコよ!」
そんなことで泣くわけないだろ、と言い返すのは癪なので無言のままでいる。
たかがバレンタイン、されどバレンタイン。いくつになってもチョコがほしい。好きな人のチョコならなおさらだ。
しばらく拗ねたまま駅まで歩いていくと、向かいの信号に見覚えのあるシルエットが目に飛び込んできた。
「あ」
そう声をあげたのは頼子だった。
汐田さんと佐藤くんが並んでいるのが見えたが、向こうはこちらに気がついてない。この時間だし、ふたりで営業に回っているはずがないんだけど……それになんだかぎこちない空気で、心なしか照れているような。
僕は佐藤くんが持っている紙袋に目を向けた。それは赤くつややかな色を放っている。
汐田さんの本命っていうのは、もしかして──
「そっちか……」
僕の呟きに、すかさず頼子が「え? なになに?」と食いつく。でも、僕はまだ怒っているので「なんでもない」と意地悪に返した。
番外編:ほろにがチョコプディング~バレンタイン仕立て~ おわり
会社に着くと真っ先に一階の事務室をちらりと覗いた。総務部の川畑さんを筆頭に、経理部へあのチョコが贈呈される瞬間に立ち会ってしまい、僕は固唾を飲んで見守った。
お局の美山さんがにこやかに受け取っているのが小窓から見える。なんとかうまくいったようで何よりだ。僕はそそくさと社員証を取って、自分の部署へ向かった。
食品開発部へ行く道すがら、背後から「真殿さーん!」と小走りに駆け寄る女子社員の声が聞こえて振り返る。
「汐田さん、おはよう」
「おはようございます! はい、これ、バレンタインチョコです!」
「え? 個別にくれるの?」
こういうの、女子社員からまとめてっていうのが普通だと思ってたんだけど。
「そりゃ、真殿さんにはいろいろとお世話になりましたし。この前の罪滅ぼしと言いますか……あとは口止め料というか」
「まぁ、そんなことだろうとは思ったけど……ありがとう。嬉しいよ」
小さな紙袋は白地にピンク色のラインが入っていて、どうやら手作りではないことが窺えた。筒井さんの言う通り、義理で手作りは重いよな。
それでもちょっぴり浮かれてしまう僕は早速紙袋を開けた。
「………」
なんか、見覚えがあるパッケージだなと思い、汐田さんをチラリと見る。彼女は茶目っ気たっぷりに笑うと一目散に逃げていった。
紙袋と同じラッピングの白い小箱の中身を僕は知っている。だって、これは先週僕らが売っていた生チョコだ。
なるほど。いざもらう側になると、なんだろう……ものすごくテンションが下がる。いや、ありがたいけどね!
「おはようございます、真殿さん」
へこんでいたところに佐藤くんが横切って止まった。いつもなら僕の挨拶を待たずすれ違うのに。不思議に思いながら僕も挨拶を返す。
「おはよう? えっと、どうかした?」
「汐田にチョコもらったんですね……彼女がいるのに、もらったんですね」
なぜだろう。軽蔑的な目で見られている。
「いや、普通に義理だよ。佐藤くんだってもらったでしょ、うちの生チョコ」
「もらってませんよ」
即座に否定され、僕はわずかにたじろいだ。
「それ、本命だったらどうするんですか。汐田の気持ちを弄ぶようなことがあったら、さすがに僕も黙ってませんよ。同僚として見過ごせない」
「ちょっと待って! 誰が弄んだって?」
そう言えば、佐藤くんは汐田さんが僕に惚れてる的な勘違いをしていたな……まだ誤解が解けてなかったようだ。
汐田さんには悪いが、ここは僕の名誉のためにバラすしかない。事の顛末を佐藤くんに話して聞かせた。
「……ということで、汐田さんは湯崎さんに本命を渡すと思うよ。だから、断じて僕は弄んでない。わかった?」
「あー、そうですか……」
佐藤くんの反応はあまりいいものではなかった。先ほどよりもさらにテンションが下がっているように思えるのは僕の気のせいだろうか。
「まぁ、湯崎さんなら仕方ない」
うん。そういうことだから、もう変な誤解はしないでくれ。
くるりと踵を返す佐藤くんは僕に謝罪もなく、スタスタと企画営業部へ戻っていった。その背中に僕はもう一つ付け加える。
「あ、これは絶対に誰にも言わないでねー!」
通じたかどうかはわからない。
ようやく部署にたどり着くと、僕の机と湯崎さんの机に白い紙袋が置かれていた。
「女子社員一同より」と書かれたメッセージカードが入っている。そして、中身は先週僕が売っていた自社製品のチョコケーキである。
「あ、それバレンタインね」
後ろの席にいる安原さんが情緒のかけらもなくサラリと言った。
「ありがとうございます……」
もう何も思うまい。所詮は義理だ。それに僕は今日、頼子から手作りのお菓子をもらう予定だから寂しくなんかない。
「はよーござーます」
湯崎さんが眠たそうに出社してきた。手には僕と同じ白い紙袋を持っている。
「おはようございます。あれ? 湯崎さん、それ誰にもらったんですか?」
コートを脱ぎながら訊くと、彼はマフラーを取りながらキョトンとした顔で返した。
「誰って、汐田さんですけど。真殿さんも同じの持ってるじゃん」
「中身は?」
「中身? 見てないっすけど、どうせ生チョコかケーキでしょ。このロゴ、うちの系列店のだし」
僕の様子に不審を抱いたのか、湯崎さんが眉をひそめる。一方、僕も困惑していた。
おかしい。汐田さんは湯崎さんのために本命チョコを作ってたはずだ。それなのに義理の方を渡すなんて……彼女に限って、間違えたとは考えにくいし。どうしたんだろう。
「あ、今年もこれだよ。たまにはよその店のチョコがいいのにー」
湯崎さんが自分の机に置かれた「女子社員一同より」の義理チョコを見て文句を垂れた。
「もらえるだけいいじゃない。感謝して食べなさいよ」
「そういう安原さんは個別にくれないんですか? 義理でもいいからくださいよ。昨日、高級チョコ買いに行ったんでしょ」
「はぁー? あんたたちにあげるなんて勿体ないわ!」
思案する僕の横で安原さんと湯崎さんが、いつものように仲良く言い合いをしている。それを聞き流しながら、僕は汐田さんの本命が誰なのか勘違いしていることに気がついた。
思えば、このバレンタインまでの期間はいろんな人たちの思惑と勘違いが交錯していた。そしてみんな浮かれすぎだと思う。かく言う僕も浮かれていたけれど、たまにはいいじゃないか。いくつになってもこうしてくだらないことでワイワイ騒いでいけたらいい。
汐田さんの本命が誰なのかはもう詮索しないでおこう。
こうしてバレンタインデーは本日の業務終了と同時に賑やかに幕を閉じようとしていた。
が、僕らのバレンタインはまだ終わらない。女性社員たちの知らぬ間に行われている義理チョコ委員会の結果報告を聞きに、僕と湯崎さん、途中で拾った佐藤くんは第二会議室へと向かう。
前回来られなかった杉野さんが議長席に座っており、今回は総務部が欠席していた。
「えー、お忙しい中、ありがとうございます。みなさんのご尽力により、なんとか無事に経理部へチョコを渡すことができました。まずは厚くお礼申し上げます」
杉野さんが一礼すると、みんなもつられて一礼。
なんともかしこまった雰囲気で始まる義理チョコ委員会議だが、ほかの社員たちは「いいから結果だけ教えろ」と言わんばかりに目を光らせている。
「結論から言いますと、今回の作戦は失敗でした」
「えぇーっ!」
思わず驚きの声が漏れてしまうが、ほとんど全員がどよめいたので僕の声もその中へ紛れ込んでいった。佐藤くんを見ると、悔しそうに項垂れている。
「相田部長よりもいいものを贈ったことは事実です」
杉野さんが口を開くと、みんな一斉に黙り込んだ。ただただ困惑だけが室内に充満していく。
「ですが、どうやら相田部長が三年前に贈ったものと丸かぶりだったそうで……とは言え、僕らの頑張りは一応、経理部に伝わったと思います。今、総務が相田部長の経費について経理部にかけあってるので、もしかすると今後はもっとよりよい職場環境になるかと」
その言葉に、全員がどことなく晴れやかな顔をした。僕もこの急激な進歩に感心していると、横で佐藤くんが腕を組んで言った。
「まぁ、こんなことせずに相田部長の経費問題を訴えればいいだけの話ですよ」
「じゃあ、君が訴えたの?」
「はい。当たり前じゃないですか」
サラリととんでもないことを言ってのける佐藤くん。
本人に聞いたって、そういうことだったのか。なんて命知らずな。
まぁ、これでこのくだらない画策はなくなっていくんだろう。その方が平和だ。
「でもまぁ、義理チョコ委員会はまだ続くと思いますよ」
僕の安堵を秒でぶち壊しにくるのは湯崎さん。笑いながら言う彼に、僕と佐藤くんは「え?」と声を揃えて聞き返した。
「だってそうでしょ。俺らは相田部長と横並びになったわけじゃない。今後もなんだかんだ言って相田部長は経理にちやほやされるだろうし。あの人、常日頃から経理に出入りしてるし、イケメンだから気に入られてる。同じ土俵に上がるなんてそもそも無理な話なんですよ」
湯崎さんは当然のごとく言った。そんな身も蓋もないことを言わないでほしい。だったら、この委員会そのものが無駄ってことになる。まぁ、無駄なことだけどね。最初からわかってたけどさ。
「それがわかってて、湯崎さんはどうして参加してるんですか?」
周囲は来年の抱負について盛り上がる中、佐藤くんが神妙に訊く。
すると、湯崎さんはあっけらかんと返した。
「こんなバカなことを真剣にやってる人を見るのが面白いから」
「………」
この答えに佐藤くんは不満そうに椅子の背にもたれ、僕はため息をついた。
いつもながらわずかな時間で終了する義理チョコ委員会からの帰り、佐藤くんはまだ仕事を残しているそうなのでエレベーター前で別れた後、湯崎さんと一緒に一階まで降りる。
ドアが開くと、そこには筒井さんが立っていた。
「あ! 真殿くん、いた!」
このシチュエーション、デジャブだな。
筒井さんはエレベーターのドアをこじ開けるようにして中へ入ると、僕をエレベーターから引きずり出した。その脇を湯崎さんが「お疲れーっす」と冷たくすり抜けていく。助けようという気概は一切ない。
「なんですか、どうしたんですか?」
「もう、散々探したんだから! ほら、早く早く早く!」
慌ただしく玄関まで追い立てられ、僕は前につんのめりながら会社を追い出される。筒井さんはなぜか怒っているようであり、僕の背中をドンと叩いて右の道を指す。
「あっち!」
その声が指し示すのは、見覚えのあるクリーム色のロングコート……頼子だ。
「なんで!?」
「いいから、追いかける! はい、じゃーね! お疲れ様!」
一体なんなのかわからずに僕は頼子の後ろを追いかけた。
「頼子ー」
おそらく聞こえるくらいの距離で声をかけると、髪をおろした彼女がくるっと振り返る。
「あ、修くん。お疲れ」
「お疲れ。どうしたの? もしかして、会社に来てた?」
「うん。ここ最近はずっと筒井さんと仕事の打ち合わせに来てたよ。修くんはデパートに行ってたから知らないだろうけど」
味陽の仕事をしていることは知ってたけど、まさか会社に来てたとは。
頼子はわずかに拗ねたような顔で、僕から目をそらすとそっけなく言った。
「今日はもう終わり?」
「うん。一緒に帰ろう」
横に並んで歩き出す。いつもなら勝手に腕を組んでくる頼子だが、今日はどうにもぎこちない。僕は手に持っていた紙袋に目を落とした。
「あ、これは義理チョコだからね」
慌てて言うも頼子は「わかってるよ」と、またもそっけない。唇をとがらせて俯いている。
なんで機嫌が悪いのか見当もつかない僕は無理に明るく声をかけた。
「そういえば、今日はバレンタインだよ。頼子、僕に隠してることあるよね」
「………」
「頼子?」
返事がないので彼女の顔を覗き込む。すると、頼子は眉をひそめてボソボソと言った。
「修くんも隠してることあるよね?」
「え?」
なんだろう。僕は何を隠してるんだっけ……? ここ数日の出来事を一気に巡らせて考える。隠し事は多々あれど頼子に直接関係があるものではない。
「……ぎ、義理チョコ委員会のこと?」
見当がつかないので言ってみると、頼子の目がキョトンとなる。
「義理チョコ委員会? 何それ」
「いや、それじゃないなら……なんだろう?」
本当に思い当たるものがない。困った。必死に考えてもわからないので黙り込むと、頼子は顔のパーツ全部をすぼめて言った。
「先週木曜日、調理室で女の子と一緒にチョコ作ってた」
「……あぁ」
その瞬間、僕はすべて悟った。
そうか。あれはつまり、頼子が見つけて筒井さんが様子を見に入ってきたわけか。おかしいと思ったんだ。調理室を使う社員は他にもたくさんいるし、それをわざわざ「何やってるか」なんて聞きにくる人はいない。本来なら筒井さんもスルーするところだろうが、ほぼ外部の人間である頼子は僕と汐田さんが何をしているのか疑問に思うのも当然だ。
しかも、あろうことか彼女は嫉妬している。
「ぶっ」
僕は思わず噴き出した。笑うまいと堪えても無理だった。
「何がおかしいの!」
「ごめん、ごめん。だって、変な勘違いしてるから……」
「んもう! あたしがキッチン出禁にしたせいで修くんが浮気したのかと、なんかこうバカみたいに真面目に考えちゃったの! コラ、笑うな!」
そりゃ真剣に悩んだのかもしれないけど、これを笑わずにいられようか。僕はその場でしばらく腹を抱えて笑った。
「あー、おっかしい。僕が浮気するわけないじゃん。バカだなぁ」
「それはそうだけど! 万が一ってことがあるでしょ! あたしより若くてかわいい子がいるんだから、目移りしちゃうかもしれないって」
「はいはい、頼子が一番かわいいから、心配しないで」
なだめると、頼子は頬を膨らませた。照れたように笑っては顔をしかめて、感情が忙しい。
「あーあ、心配して損しちゃった。せっかくバレンタインのために頑張ってチョコプディング作ったのになぁ」
そう言って、僕の前を歩いていく頼子。その後ろを追いかける。
「あ、やっぱりチョコプディングだったんだ」
「そうよ。まさかあの子とかぶっちゃうなんて思わなかった」
「僕、あのチョコプディング食べ損ねたんだよね。あ、でも頼子が作ってくれる方が絶対おいしいはずだから、楽しみだなぁ」
呑気なことを言っていると、頼子が僕の方をチラリと見た。そして、バツが悪そうに口を開く。
「それなんだけどね……あたしが全部食べちゃったからないよ」
「え?」
え?
思わず心の声も同じ反応になってしまう。それほどに強烈な一言だったので、僕はその場で立ち尽くした。
「ないの!?」
「ないよ」
どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。頼子はだんだん申し訳なさそうな顔になり、僕の顔を覗き込んだ。そんな彼女の頬を両手のひらで挟む。「つめた!」と悲鳴を上げるが知ったことじゃない。
僕は頼子を追い越して早足で家路へ向かった。
「え、ちょっと修くん!? ごめん! ごめんってば! ちゃんと作るから!」
走って回り込む彼女から目をそらす。
「そんな泣かなくてもいいじゃないの! たかがバレンタインチョコよ!」
そんなことで泣くわけないだろ、と言い返すのは癪なので無言のままでいる。
たかがバレンタイン、されどバレンタイン。いくつになってもチョコがほしい。好きな人のチョコならなおさらだ。
しばらく拗ねたまま駅まで歩いていくと、向かいの信号に見覚えのあるシルエットが目に飛び込んできた。
「あ」
そう声をあげたのは頼子だった。
汐田さんと佐藤くんが並んでいるのが見えたが、向こうはこちらに気がついてない。この時間だし、ふたりで営業に回っているはずがないんだけど……それになんだかぎこちない空気で、心なしか照れているような。
僕は佐藤くんが持っている紙袋に目を向けた。それは赤くつややかな色を放っている。
汐田さんの本命っていうのは、もしかして──
「そっちか……」
僕の呟きに、すかさず頼子が「え? なになに?」と食いつく。でも、僕はまだ怒っているので「なんでもない」と意地悪に返した。
番外編:ほろにがチョコプディング~バレンタイン仕立て~ おわり
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だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
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この一言に尽きる。
既に口中の唾液がががが(*´﹃`*)
踊りながら料理が出来る人は多分ズボラじゃない|´-`)チラッ
ノーハラスメント!!応援しています(笑)
ありがとうございます!のっけからこってりお届けしました。
頼子はズボラなのかどうなのか…修の疑いは晴れるのか…
次回もよろしくお願いします!
飯テロ小説好きです♪
真似できるようなズボラ飯を期待しています(≧▽≦)
さっそくのコメントありがとうございます。まだまだ始まったばかりですが、二人の生活を見届けていただければ幸いです。飯テロてんこ盛りです。頑張ります!