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IFストーリー

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 ざぁぁああ……。

 天から降り注ぐシャワーの音が、狭いボックス型のシャワー室で反響している。裸のわたしはともかくとして、アゼル様はまだシャツしか脱いでいない。黒い前髪が額に張り付いていて、いかにも高級そうなトラウザーズはびしょ濡れだ。

「聞こえなかった? 壁に手をついてお尻をこっちに向けて」

 お湯が冷えた体を温めていく。
 こんな状況でなければ気持ちいいのに。

「ど……したんですか……? なんか……ヘン、ですよ……?」
「ヘン? 俺が?」
「そう、です……だって……なんか、いつもとちょっと違います……」
「いつもと一緒だよ」

 本当に……?

「治療、ですよね? 魔力を渡そうとしているんですよね……? だったら、あの……大丈夫です。……もう、貰いましたから……」

 すっかり体が温まった頃──
 蛇口を締めてお湯をとめたアゼル様が「貰った、ね……」と、噛みしめるようにそう言う。絡みつくような視線に居心地が悪くなって、「出ますね……」と体を動かそうとすると──

「まずは精液ソレ、全部掻き出そうか」

 気付いた頃には、手遅れで。

「や……っ!」

 すっかり出来上がっている下の口に触れられて、ビクッとしてしまう。まったく躊躇のない動きで、膣内に入っていくアゼル様の指。

「だめっ、あぅ、や……っ、ぁあ……っ、あ、ぁ……っ!」

 内壁にこびりついている白濁液をこすぎおとすように、上下に動かされる。

「あっ、や、め──っ!」

 せっかくの魔力がもったいない。
 そんな意味もあったのだろう。ほとんど無意識にアゼル様の行動を阻止しようとしたのだけれど、逆効果だった。

 空いた手で髪の毛ごと頭を掴まれて、勢いよくキスされる。舌根の深いところにまで入り込んできて、激しく蹂躙される。

「あぜ──りゅ、んんっ──っんんっ!!」

 離れたと思って酸素を吸った瞬間、噛みつくようなキスをされる。大量の魔力が流れ込んできて、ねっとりとした酩酊感に襲われる。

 その間にも、アゼル様の指がわたしのナカで暴れまわっていた。

「はっ、ぁあ……っ」

 ようやく解放された口をハクハクと開閉させて、必死に酸素を取り込んで。

 膝から力が抜けてしまいそうになって、あわててアゼル様の首に腕を回す。
 筋肉質な上半身に頭を押し付けて、無意識に首を横に振り続けた。

「ぁ、ぁああっ、……うぅ……ぁあ……だ、め……っ」
「さすがに限界があるな……」

 指を抜いたアゼル様の、ボソッと呟く声。

「な、……に、あぁああ……っ!?」

 ヒクつく秘唇に、指とは明らかに異なる何かが触れた。人肌よりもひんやりしていて、とても柔らかい感触。

「はっ、ぁあ、っ待──って、これぇ……っ!」
「分かりやすく言えば、触手」


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