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IFストーリー
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しおりを挟むとっさに返事をしようとしても、緊張でうまく唇が動いてくれない。
「薬、減ってなかったよ」
「あ……」
「驚くような事ではないよ。薬の数を管理しているから、数えたら誰でも分かる」
そうだ。飲まなかったアゼル様の薬は、もったいないから引き出しに戻したんだ……!
「どうして嘘をついたの?」
「そ、れは……あの、ランブルト様に薬を貰って……」
「……どうしてあの男が薬を」
「えぇ、と……ランブルト様も、わた、しのために、アゼル様と同じ薬を作ってくれた、みたいで……」
アゼル様が無言になる。
空気が張りつめていき、すぐにでもこの場から逃げ出したくなった。
「………………薬も……ね」
たまっていた感情を吐き出すかのように、低く唸るアゼル様。
わたしは、下半身を見られていることに気付いた。
「やだ、待って……っ!」
何をしようとしているのか分かって手を伸ばして防ごうとすると、両手首を片手一本で掴まれる。そのまま頭の上に固定されてしまえば、もう何も出来ない。
せめてもの抵抗で太ももを閉じるけれど、膝を入れられ強引に足を開かされた。
「ま……って……っ。お願い、ですから……っ」
アゼル様がすぅっと目を細めた。指先が、わたしの鎖骨をすべり、お腹の縦ラインをなぞり、おへその下にまで到達した。恥丘を触られて、言葉にできない感覚が背中を伝う。
「っぁぁあっ……!」
大量の蜜液を湛えた秘唇に、ぬぷりと指が沈んでいく。奥に進む前に、指が『ソレ』の尻尾を掴んだ。引っ張られると、膣内を強烈に擦り上げながら『ソレ』が外に出てくる。
「っあ、ぁあ……っ」
すぐに膝に力が入らなくなるけれど、手首を掴まれたこの恰好じゃ上手く倒れることも出来ない。ビクッ、ビクッと跳ねるわたしの体。
「こんなものまで仕込まれたの……?」
ゾッとするほどの低い声だった。ずっと目を背けていたけれど、意を決して視線を向ける。アゼル様がわたしに見えるように掲げているのは、丸い球が二つくっついているような形をした何か。ドロドロの液体にまみれたソレは、まだ小刻みに震えている。
魔力で動く性的な玩具だ。
「コレ、抜こうと思えば自分でも抜けたよね。なのにずっと入れっぱなしだったの?」
「ぁ……だって、抜いたら…………ランブルト様に……」
数時間前の出来事だ。
『抜かずに、アゼルさんにも気付かれることもなく一日過ごしてください』
『え……それで、証明になるんですか……?』
『ええもちろん。それに、ちゃんと出来たらご褒美もあげましょう。この程度の魔力じゃ足りないでしょう?』
『……っ』
『あぁ、いますごく絞まったね。身体は素直ですね、本当に可愛い人だ』
鮮明に思い出してしまい、ぶるりと体が震える。あんな風に耳もとで甘く囁かれて、逆らえるはずもない。
でもそれを、アゼル様に言うのは……。
「あの男がなに?」
「え、と……その……痛……っ」
「なに? ちゃんと説明して」
どろっとした執着心を宿した言葉の数々。
恥ずかしいのと、アゼル様がいつもと違って怖いのと、色んな感情がごちごちゃになって、目頭が熱くなった。イヤイヤするように首を振る。
「っあぁ……」
秘唇から何かが漏れ出ていく感覚がした。鼻から甘い声が抜けていく。わたしの太ももには、愛液とは明らかに異なる白濁の液体がつたっていた。
「…………ずいぶん仕込まれたね」
視線が、零下のごとく冷たいものになっていく。
「み、ない、でぇ……っ──ぁああ!?」
アゼル様が、玩具をわたしの肉芽に軽く押しあてた。わたしがイきそうになると離される。
それを繰り返されて、ポロポロと涙を流した。
「やだぁ……っぁあ、っああ……っ」
バチバチとした快楽が駆け抜けて、気持ちいい。浜に打ちあがった魚のように体が跳ねまくって、とにかく少しでも快楽から逃げたくて身を捩るのに、アゼル様が攻めの手を緩めてくれない。
「ねぇ、ユフィ──」
「や、ぁ……待──ッは、ぁぁ……んんっ。あ、ぜる、さまぁ……っ」
「そんなにあの男が気に入ったの?」
「くる、ひぃっ。はぁ、んっ。あ、ぜるさま……っ、待ってっ!」
「そんなにあの男の魔力が好きなの?」
「いっ、かいとめ……っ。ひぃぁ……っ!」
「………………否定、しないんだね」
最後にヌルヌルと芽をこすられて、もうダメだった。
「ぁあ、あああああっ!!」
ビクビクビクッと全身が震えて、目の奥がチカチカした。
蛇口がひねられた音がした。オーバーヘッド型のシャワーヘッドから、大量のお湯が出てくる。……もう、何が何だか分からない。
荒い息を整えながら目線をあげると、左耳に嵌めた銀の耳環に触れるアゼル様と目が合う。その目が、さっきよりも激しい感情の渦を宿していて、背中に悪寒が走った。
「壁に手をついて、ユフィ」
お湯を浴びてビチャビチャになったシャツを脱ぎながら、アゼル様がそんなことを言ってきた。
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