【R18】完結：虚弱少女は【淫愛】に囚われる ～麗しの義兄と貴族令息の愛が重くて息ができない～

IFストーリー

5

　おへその下が、きゅんきゅんしている。何とか気を紛らわそうとするのだけれど、無理だ。

「っぅ、ぁ……」

　ふとした瞬間に、数時間前の事を思い出す。無意識に太ももをスリスリしたり、下腹部に力を入れてしまう。でも、どれだけ締めてもソコには何もなくて、より高みに昇ることが出来ない。

　──まるで拷問だ。

「ひっぅ、ぁ……っ」

　口に手を当てても、声が出てしまう。
　いっそのこと触ったほうが楽になるかも。少しだけ……ほんの少しだけだから……。　
　
　……あっ、指がイイとこに当たって……っ。

「ユフィ、大丈夫？」
「ひ、ぁえ！？」

　股に手を挟んで、足をぎゅっと閉じた状態でテーブルに顔を突っ伏していると、突然アゼル様の声が左横から聞こえた。

「さっきから手が止まってるし、顔も赤いよ」

　しまった、食事中だった。
　数時間前に作ったスコッチブロススープを温め直して、食卓に並べた。そしたらアゼル様が、昼の仕事から帰ってきたのだ。

　ソファに座って本を読み始めたから、気付かれてないかなと思ったのだけれど、わたしの異変に敏感なアゼル様が気付かないわけなかった。

「熱でもあるの？」

　アゼル様の長くて細い指が、わたしのおでこに触ろうと伸びてくる。いま触れられたくない。触れられたら、確実にヘンな声が出る。

「だ、ぃじょうぶです、っ！」

　椅子から降りて、スープの器ごとアゼル様から離れる。……ちょっとあからさまに拒絶し過ぎたかな……？　でもアゼル様はそこまで気にするタイプじゃない……はずだよね……？

「…………」

　アゼル様が手を伸ばしたまま、動きを止めていた。あれ……思ったよりダメージが大きそう？　表情には出てないから、微妙な雰囲気で判断するしかないのだけれど。

「あ、えと……今のは……、その……」
「……ユフィ、様子が変だよ」
「本当に大丈夫です……その、ちょっとぼーっとしてて」
「ごはんを食べ終わってないってことは、お昼の薬はまだ飲んでない？　確かに食後のほうが飲むタイミングとしては適してるけれど、そこまで律儀に守らなくても大丈夫だよ」
「あ、いえ、……数時間前に飲みました。ちょっと倒れちゃったので」

　いつも薬を置いている場所──引き出しのすぐ近くまで移動したアゼル様にそんなことを言えば、アゼル様は「倒れたの？」と言って、眉根をぎゅっと寄せた。

「いつ？」
「お昼時に……」
「スコッチブロスを作ってるときに？」
「そう、ですけど……」
「…………やっぱり一人の時に作るのはよくないね。俺がいない時に料理なんて作ったらいけないよ。火傷でもしたらどうするの？」
「そ、それは……そうなんですけど」
「朝ご飯だけじゃなくて、昼ご飯も作りに帰ろうか？　朝の残り物を食べるのも飽きるよね」
「そ、そこまでしなくても大丈夫です……」

　アゼル様の過保護っぷりが炸裂してる……。でも、おかげで薬の話題から逸れてくれた。

　安心した瞬間、大人しかったはずの『ソレ』が急にわたしのナカで荒れ狂った。とろっとした液体が太ももに伝う感覚があって「ひぅっ！」と大きな声を出してしまう。

「ユフィ？」

　まずい。
　アゼル様がどんどん近付いてくる。