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05 どうやら俺のハジメテの相手は皇子らしい*
しおりを挟む「じゃあ、もう指を入れて解していくよ」
「あぁ……っ!」
皇子の指が、狭い入口の中にぬぷ……っと侵入していく。
(俺ですらそんな風に触った事ねぇぞ……っ!?)
胸はともかく、大事な部分をそんな風に触ったことはない。自慰だってしたことがない清廉潔白な身体だ。
「あ、あぁ……っ」
「狭い、な……。指一本でもきつい……」
身体の中に他人が入ってくる感覚というのは、なかなかにおぞましい感じだった。気持ちいいよりも恐怖が勝ってしまう。
「っ、や、だぁ……! こ、こわい、です……っ!」
「すぐに良くなる。ほら、僕の顔を見て」
イルフィール皇子の顔が至近距離にある。綺麗な紫色の瞳だと思っていたが、よく見てみると赤みがかっている。イケメン皇子らしい、美しいマゼンタカラーだと思った。
「あ……っ、あ……っ」
「……っ。あぁ、上手だよ。そう、そのまま……」
不思議な感覚だった。
こうやって皇子の声を聞いていると、だんだん怖さも痛みもなくなって、どんどん身体が気持ちよくなっていく。
こんな感じなら、このまま挿れられてもいいんじゃないか、って。
(おい、なにイイ感じの雰囲気に流されそうになってんだ、俺。相手は男だぞ。しっかりしろ、俺……っ!)
とは、思うのだが。
「ぁ……んっ……や、っんっ」
媚薬のせいなのか、慣れてくるとどんどん気持ちよくなっていく。指が折り曲げられ、ある一点をかすった瞬間、背中に電流が走った。
「ここ?」
その一瞬を、イルフィール皇子は見逃してくれなかった。マゼンタカラーの瞳が、いいものを見つけた、と言わんばかりにキラキラと光る。
「そうか、ここが気持ちいいんだね?」
「ち、ちが……っ、ぁあっ」
ちがうって言ってるだろうがぁああ!
なんだこいつ、美少女がやだやだ言ってるのに、なんでこんな楽しそうなの!? 心が痛まないの!? 鬼? 鬼なの!?
「ぁ、まって、まってぇ……ぁっ……っ!」
「女の子はここを触れられると気持ちよくなれるんだよ」
「あ、っ、ぅやだ……ぁ!」
腕を使って妨害しようとすれば、空いた片手で簡単に縫い留められる。うっわ、俺のちからよっわ。あと皇子の力つっよ……。シスたんの両手が皇子の片手一本で……。
「む、り……ゆび、とめ……っ」
「怖くないよ。じゃあ、このまま……一回、イッておこうね……?」
「ひっ、や、ぁあっ……っ!」
一気に高みに持っていくような指の動きに体が総毛立つ。否応なく身体に力が入り、どんどん気持ちよさが増していく。目の奥がチカチカした。
「あ、ぁぁあ……っ!」
途端、クタリと体から力が抜けていく。
なんだったんだろう……いまの……。
(女の絶頂って……こんなに……)
「どう、気持ちよかったかい?」
「で、ん、か……っ」
「うん?」
「きもち、よかった、れす……っ」
言い終えて、すぐに気付く。
俺、いま「すっごい顔」で「すっごい事」言ったんじゃねぇの? と。
「君はなんと淫らで愛らしいんだろうね……っ?」
「ふぇっ!?」
「うん、気持ちよかったね。うんうん、じゃあもっと、たぁくさん、気持ちよくなろうね?」
(ばかばかばかばかばかばかーっ!! 皇子のスイッチつけてどうすんだよ……!)
目をギラつかせた皇子が、急にズボンのバックルに手をかけはじめた。それはもう鮮やかな手際で留め具がはずされ、下履きがおろされる。ぼろんっ、と出てきたのは……えぇそれはもうなじみ深い物でしたね! というか大きすぎやしませんかね、皇子サマ……っ!
「ひ、……っ!」
「怖がらなくても大丈夫だよ、シスベル……」
「む、り……ですっ……そんな大きいの、はいらな……っ」
「安心おし、女性の膣内は出産のために伸縮するようにできている。入らないってことはないよ」
(あ、そっか。そういえば赤ん坊だってあんなサイズで生まれてくるんだもんな……。それを考えたら、皇子のデカブツくらい……)
入り口部分に宛がわれたモノがぐぐ……っと入り込んできて、思考がストップさせられる。騙された、とんでもなく痛かった。腰をぐっと掴まれて、入り口部分を容赦なく広げられる。
「ぁ、ぁぁあ、ま、って……っ、痛ぁ……っ!!」
「ほら、シスベルの膣内に入るよ……見ててごらん?」
人が痛がってんのに挿入の瞬間を見ろとか、どんな鬼畜だよ……!
思わずキッと睨むようにすれば、……あぁハイ、舌なめずりをいただきました。なんでだよ……なんで逆にボルテージが上がってんだよ。美少女に睨まれて興奮するタイプか?
「いたい、の……ぉ、でん、か…………すと、っぷ……っ!」
「……っ力、抜いて……?」
やっぱり処女だからツラいのか、皇子は切なそうに眉根を潜めて囁いてきた。その声色の色っぽさときたら……媚薬を施されたシスベルティアの体は、思わずきゅんと反応してしまう。
「力、ぬ、きます、から……っ」
「あぁ、イイ子だね。シスベル」
ちゅっ、と額や胸にキスがおちてくる。案外ロマンチストなのかもしれない、と思いつつも、いやこいつ俺の両手首を縛って身動き封じてきたからロマンチストじゃねぇな、と思い直す。
物量の大きいモノがようやく収まりつつある。一度引き抜かれたと思ったら、またすぐにぐっと押し込まれて甲高い悲鳴が迸った。すがりつくものを求めて手を伸ばせば、手を握り返してくれる。
「あ、あっ……っ!」
「あ、……はっ、……ようやく、全部、入ったかな」
「……あ、ぁぁ」
「シスベルの膣内は温かくて、ドロドロで……あぁ、シスベルが可愛くて今すぐ腰を振りたいのだけれど、ちょっとだけ待ってあげるね」
あ……なんだ、待ってくれるのか。
意外と、優し……。
「じゃあ、動くね?」
──しくなかった。
分かってました、ハイ。
こんな目をギラギラさせた男が、待てるわけないって。
(皇子だってそりゃ男だもんねぇ……!!)
だがやはり媚薬を盛られた体はすごいもので、痛いと思ったのは一瞬だった。
熱く硬いモノで浅い部分をデュルデュル擦られたりして、甲高い嬌声が漏れていく。分泌された愛液が動かされるたびに外へ溢れ出て、じゅぷじゅぷと卑猥な音を立て始めた。
「ぁ、ぁああっ、やっ、ぁぁあっ!」
(う、そ……だろ……めちゃくちゃきもちよくなってきてんだけど……)
肌同士がぶつかる音、首筋にかかる吐息。
容赦なく膣内をほじられ、擦られる感覚。
どうにかして二回目の絶頂は避けたい。
そうじゃなければ、漢のプライドに関わる。
「あ、ぁああっ! や、いや、ぁああっ!? ひっ、んぅ……ぁあっ……ああっ!」
「いい声……だけどシスベル、どうして逃げるんだい? 動いたら、やりにくいだろう?」
「あ、ぁぁ……あぁ、ああ…ひっ、んっ!!」
イきたくねぇから逃げようとしてんの! 分かれよこのバカ皇子!!
と、凄みのある目で睨みかけてみるものの、どうやらこの皇子にとってソレは逆効果であるらしい。
「ダメだよシスベル。そんな事をしても逆効果。僕を煽るだけだよ?」
うっとりと目を細めて、熱っぽい声でそんなことを言われる。煽ってない煽ってない、全然あおってませーん!
「ち、ちが……っあ、あぅ、や、激し、くしないで……ぇ!!」
「こんなに僕のに、吸い付いて、いるのに……? シスベルは、悪い子だね」
「激し、一回、とまっ……あ、ひゃ、っあ……っ!」
「でも、そろそろ、僕も限界、かな……っ?」
耳もとで吐息をかけられ、ぶるぶると体が震える。内壁をかきわけたその先──大事な大事な部分に灼熱の棒でノックされた瞬間、脳髄を震わされた気がした。
「は、っあ……っ!」
俺の声に甘さが滲んでいる事に気付いてか、皇子がさらに強く責め立ててくる。と同時に、肉粒を指の腹でくりくりと撫で回される。バチバチと強い快楽に脳が焼かれたと思ったら、今度は下からすくいあげるように胸を揉みこまれる。
思い切り圧し掛かる様に下から突き上げられて、俺はハフハフと短い呼気を吐き出す。一段と彼の動きが激しくなり、奥を突かれるたびに膣内 が短い間隔で収斂していく。
「とりあえず、一緒にイこうか……っ?」
「あ、や、……っああ、あああっ!!?」
「たくさん、注いであげるね」
「ぁぁああっ!!」
耳もとに声が落ちてきた瞬間、全身が痙攣した。ビクビクビクッと体が跳ねて、達してしまう。ほとんど同じようなタイミングで、胎内に感じる温かな感覚……。
静かに、意識が沈んでいった。
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