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04 どうやら媚薬を盛られたらしい*

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 なんだ、これ。
 頭、ぼう……っとする。

 えと……何があったんだっけ……?
 確か、急にイルフィール皇子が具合が悪いとか言い出して、部屋まで連れて行ってくれって言われて……しゃあねぇなとか思いながら、皇族専用の寮室に連れて行って。

 皇子が部屋で粉薬みたいなものと水を用意して……。
 それから……。
 
(あれ……それから、俺……どうなったんだっけ……)
 
「ふぁ……ぁっ、あん……っ!」

(なに今の甘ったるい女子の声っ!? もしかして学院内で誰かと誰かがチョメチョメしてるのか!? なんて羨まし──じゃなくて、けしからん……っ!)

 そこまで考えて、甘ったるい女の声が意外と近くで聞こえる事に気付く。

「どれくらいで効くか分からなかったけれど、胸と足に触れただけでこれだけ濡れるってことは、効いてるってことなのかな……?」
「は、っ、ぁ……?」
「お目覚めかい、僕の可愛いお姫様マイ・レディ?」

 目が覚めると、そこには驚愕の光景が広がっていた。
 なんとイルフィール皇子が、あろうことか麗しいシスベルティアたん(俺)の股に、ご尊顔を近づけていたのだ。

「シスベルが目を覚ますまで膣内ナカに指を入れるのはやめておこうと思ったんだよ」

(はぁ!? なんで皇子が俺こと超絶美少女な悪役令嬢シスベルティアたんの足をM字開脚させてニッコニコ笑顔なんだっ!?)

 おかしい。非常におかしい。
 なんでこんなことになっているのか、全く分からない。

(これ、乙女ゲームの世界じゃねぇのかよ。なんで全年齢版乙女ゲームの攻略対象の皇子サマが目をギッラギラさせて悪役令嬢を襲ってんだよッ! うらやましいなクソ皇子っ!!)

 ──とは、思うのだが。

「は、っ……ん、ぅ、やめて……っ!」

 どれだけ内心で皇子を罵っていても、びっくりするほど俺は……正確にはシスベルティアの体は感じまくっていた。

 皇子の指が胸のいただきをくるくると円を描いただけで、ムズムズするような感覚に襲われる。へその下が熱く、どろどろになっているような気がする。

「君が眠っている間に解したほうが痛みが少なかっただろうけれど、それだと君のいう“悪い男”っていう定義に当てはまらないよね」
「っ……ん、ぁっ?」
「もしかして自分の身体の変化に驚いているのかい? ふふっ、安心して。ただの媚薬だよ」
「び、や……く……っ?」
「ああ、そうだよ。いくら僕が悪い男っていっても、ずっと“痛い”ばかりじゃ可哀想だからね。初めてでもちゃんと気持ちよくしてあげるから」

 だからこんな気持ちイイのか。
 よかった、それなら安心──

(なわけあるかーっ!!)

「で、でんかぁっ!! なんで、どうして……っ!!」
「怖がってる君も一周回って愛らしいね。でも、これも君の心に僕という存在を植え付けるためだよ。君はことごとく僕の関心をひいてくるくせに、僕に何の興味もないでしょう?」
「ぁ、やぁ……っ! んぁ……!」
「それは、だめだからね。ほら、さっき“悪い男”なら好ましいと思うかもしれないって、言ってたでしょう?」

 どうやら皇子は、俺の発言を真に受けて、強硬手段に及んできたらしい。
 ということはアレか、この皇子は俺ことシスベルティアのことが好きなのか。

(え、ひっかけた覚えはまったくないんですが……)

 攻略対象が間違ってもシスベルティアの美貌に心惹かれないように、悪役令嬢してたつもりだったのに。

「今からシスベルの大切な部分に触れると考えたら、興奮するな……」
「……っ!?」

 皇子が股の間から顔を覗かせながら、熱っぽい吐息を吐き出した。まさかと思ったが、どうやら俺の体は皇子の熱視線だけでも感じてしまうほど敏感っ子になってしまったらしい。

(くそ、俺は認めねぇぞ! 体は女でも心は男。百歩譲ってあんあん喘がされるのなら、男じゃなくて巨乳お姉さんとかが良い。絶対そのほうがいい! 大事なシスたんの体を野郎の好きにさせてたまるか!)

 とは、思うのだが。

「で、んか……ぁ」

 シスベルティアの口から洩れる声は甘ったるい。
 まるで、股の中心部を早く触ってほしいとねだっているみたいだ。

「ここからシスベルの蜜が……」
「う、ぁ……っ」
「じゃあ、いただくね」
「あ────ッ!!」

 皇子の舌が花芯に吸いつく。ころころと転がされるようにいじられたと思ったら、舌先を細めてツンツンとされる。やめろ、と言いたいのに体が言う事を聞いてくれない。

(な、んだ……これ……っ?)

 なんでこんなに気持ちが良いのか。
 女の体がいいのか、媚薬のせいなのか。

(だ、……めだ、これ、我慢、しないと……っ)

 これ以上シスたんの体を良いようにされてたまるかと思って、股の間にある皇子の頭に手を置く。白金プラチナ・ブロンドの髪をくしゃっと掴んだ。

「っ……ん、ぁ……っあ、で、ん、かっ」
「大丈夫。時間はあるから、たっぷり、ゆっくり、気持ちいいことに慣れていこうね」
「ちが……っ、そうじゃ、ありません……っ!」

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