58 / 70
第4章 ハーフヴァンパイア
41 ぐちゃぐちゃに愛したい*
しおりを挟むどうやらわたしの髪は、際限なく伸び続けるらしい。といっても、毎日伸びる訳じゃなくて、ある日起きたら三十センチ伸びているような感じ。
さすがに長すぎると重さを感じるから、伸びてしまったら腰辺りの長さになるようにちょん切る。切った髪は、マザルク先生に手伝ってもらってウィッグ用として売った。どうやら金髪はウィッグ用としてかなり人気があるらしい。しかも髪質がいいって絶賛された。嬉しくてニコニコしちゃった。
髪束一つで良い値段になった。
一日三時間の針子仕事ではとても稼げなかった額だ。
これで生計をたてられるかもしれない。
わたしの髪が好きなアゼル様は、ちょっと悲しそうな顔をしていたけれど……でも、伸びるのは仕方ないし……捨てるよりはいいよね。
*
新しい薬ができて、頭痛や眩暈の心配がなくなっても、しばらくアゼル様の外出禁止令は解けないままだった。でも、一か月間一度も眩暈で倒れず過ごせたため、ついにアゼル様から外出解禁令が出た!
本当に長かった。
せっかく前より健康になったのだから、外出して外で遊びたかった。
あと、単純に……ずっと家の中に籠りっぱなしはヒマすぎて……。
「頭痛や眩暈の心配がなくなっても、昼間の行動が制限されるし、強い日差しを避けないといけない。それに……最後の最後まで、発情しないようにすることはできなかった」
外出解禁令を出したその日に、アゼル様から言われた言葉。
実はわたしは、今でも発情することがある。
ただ、その頻度がかなり減った。
「ヨル君もいますし、何かあったら、すぐに家に帰ればいいんですよ!」
「でもムリしたらダメだよ。特に昼間の運動はほどほどに。携帯用の薬は必ず持って行くこと、万が一ってこともあるからね」
「分かってます……っ!」
最初は近場の買い出しをして、次はもうちょっと離れた場所。その次は……と、どんどん外出できる距離と時間を増やしていく。
虚弱だった頃には出来なかった事が出来ている気がして、とても嬉しかった。
「この道をアゼル様と通るのも、久しぶりですね……」
「そうだね」
その日は、アゼル様と一緒に買い出しに出かけていた。
といっても、重いものは全部アゼル様が持ってくれていて、わたしといえば、日傘をさしているだけなんだけど。…………アゼル様が持たせてくれなかった……。
「血付きのお肉、手に入らなかったね」
「そうですね……」
アゼル様が少しでもお腹一杯になれるように、ブロックの生肉を探していた。
「でも、店主が別のお店を紹介してくれました。次に買い出しに行った時は、絶対にゲットします」
「…………」
「アゼル様……?」
あれ……?
いま、体がフラついた?
「───ッぅ」
「どうしたんですかっ!?」
アゼル様が頭を押さえている。
「痛むんですか? 苦しいんですかっ? もしかして、また銀の耳環が……っ!?」
「発動したわけじゃないよ。……ちょっと、ふらっとしただけ」
「どこか具合でも悪いんですか? 顔、真っ青ですよ……?」
「大丈夫、もうよくなった」
アゼル様はそう言うと、落ちた林檎を拾い上げた。
「さ、家に帰ろう」
「…………は、い」
アゼル様……。
そんな不穏な出来事から、二週間後──
「んしょ……っ」
わたしはいま、戸棚の中に手を突っ込んで、砂糖の袋を取ろうとしていた。
戸棚の中にあるものは、身長の低いわたしだと手が届かない。
踏み台を使って、ようやく物が掴める。
……それでもかなりギリギリなのだけれど。
「なんか奥の方にあるなぁ」
手をバンバンしても届かない。
つま先立ちして、さらに手を奥へ突っ込むと、指先が硬い何かに当たった。
なんだろう。
お皿、みたいだけど。
こんなところに皿なんてしまってたかな。
あれ……?
もしかして、これって……。
「──なにしてるの?」
いきなり声がしたものだから、とんでもなく驚いた。
掴んでいた皿を奥へ追いやって、あわてて扉を閉める。
薄暗い場所からぬぅっと姿を現したのはアゼル様だった。
いつもと雰囲気が違うように感じるのは、窓から差し込まれる月光がアゼル様を照らしているからだろうか。それとも、ヨル君もマザルク先生も出かけていて、久しぶりにアゼル様と二人きりだから、緊張したわたしがそう感じるだけだろうか。
「お仕事はお休み、ですか?」
「今日から一週間、仕事を休む」
「最近、マザルク先生とどこかに出かけてますよね。吸血鬼の力の調整、でしったけ。もしかしてそれですか?」
「そうだよ」
ここ一か月ほどの話だ。
わたしがお昼寝しているときや、ヨル君と話している時に、いつの間にか二人がいなくなっている時がある。
アゼル様は必要以上に自己否定感情が強く、吸血鬼の力を拒絶する傾向にあるとマザルク先生が言っていた。だから人間の身体と吸血鬼の力のパワーバランスが崩れ、力の暴走に繋がる。
それを根本解決するのが、力の調整らしい。
「それで、何しようとしてた?」
「砂糖を取って、小瓶に詰めようかなって……」
砂糖と塩はまとめて買って、すぐ使えるように小瓶に移している。小瓶の中にある砂糖が少なくなったので、戸棚から出そうと思ったのだ。
「俺が出すよ」
足音の一つすら立てずに、隣にやってきて、戸棚を開けるアゼル様。
わたしは、ゾッとするほど美しく整った横顔を見つめる。
吸血鬼は『人』に近づき、吸血と道楽を愉しむために、自然と『人』の好む姿になったと言われている。
「……砂糖、は」
宝石のように透き通った瞳が、戸棚の中をゆっくりと見渡している。
お目当てのものを見つけたアゼル様は、奥に手を突っ込んだ。
「これはユフィが取るものじゃないね。バランスを崩して踏み台から落ちたら大変だ」
一キロ以上もある砂糖の袋を見せてくる。
「小瓶には俺が詰めておくよ」
「……………どうして」
疑問を投げかけても、アゼル様がわたしを見てくることはなかった。
無音ゆえに、小瓶に砂糖が流し込まれる音がよく響いている。
「今日は三つ編みだね」
急に、髪の話題。
確かに、今日は髪をゆるい三つ編みにして、前に垂らしている。ヘアアレンジするとアゼル様が熱心に興味を示してくれるから、調子に乗った結果だ。
いつものわたしなら、嬉しくなっていただろう。
でも今は、浮かれた気分にはなれなかった。
「戸棚の中、見えたんだね」
アゼル様がそう言ってきたのは、砂糖の袋を戸棚に戻しているタイミングだった。
砂糖の代わりに戸棚から取り出したのは、ヨル君と一緒に買いつけた血つきの羊肉。
数時間前、わたしは「食べたんですか?」と聞いた。
そしたらアゼル様は「もう食べたよ」と答えた。
「いつからですか……っ?」
無意識に、自分の手を強く握りしめていた。
「いつから、お肉も食べられないようになってたんですかっ?」
答えは、なかなか返ってこなかった。
ごとんっと、重たい瓶が動く音がした。瓶自体が全体的に緑色のため、中に入っているものが何か分からないけれど、アゼル様が口にできるものなんて限られている。
アレは、プレッツェと花の蜜を混ぜって作ったお手製ジュースだ。
血のように真っ赤なジュースが、アゼル様の唇に少し付着していた。
赤い舌でソレを舐め取る様子は、恐ろしいほどに扇情的で。
ドクンっドクンっ、と大きな音を立て始めるわたしの心臓。
「ユフィの、新しい薬を作り始めたときから」
プレッツェのジュースを近くに置き、観念したように話すアゼル様は、ほんのわずかに目を逸らした。
本当なんだ、と思った。
アゼル様がわたしと目を合わせない時は、決まって悲しい何かを抱え込んでいるとき。
わたしは踏み台にのったまま、アゼル様の襟をぎゅっと掴む。
「半年も前じゃないですか……っ!」
「細かい話をすれば、この間まではなんとか食べていたよ。でも一か月前から、……どうしても食べられなくなった。この羊肉も腐るともったいないから、ヨルにあげるつもりだったよ」
力の調整のために出かけるようになったのと、タイミングが一緒……?
「マザルク先生は知ってるんですか?」
「こっちからは言ってない。あの人、ヘンなところで鋭いから、もしかしたら気付いてるかもね」
「じゃあ、最近口にしてるのは……もしかしてそのジュースだけですか……?」
「そうだよ。たぶんもう、これしか口にできないだろうね」
「ど、うぶつの血は……?」
アゼル様は静かに首を振った。
「……極上の味を忘れられない限り、もう獣に手を付けられない。あまり美味しくないからね」
「そんな……っ!」
「大丈夫だよ、ユフィ」
「顔も真っ青になって、倒れたことがあるんですよ? この間だって、倒れそうになってたのに。それなのに大丈夫だなんて、安心できないですっ!」
「あぁ、嫌な記憶の一つだね。あの大火事以来の、俺の失態だ。君の目の前で気を失いかけたせいで、君は夢遊魔に意識を乗っ取られた」
きっとアゼル様は、わたしと同じ事を思い出している。
──発情を誘発され、わたしを激しく犯した夜の出来事を。
「顔が赤くなってる」
「こ、これはちが……っ!」
端正な顔が近付いてきたから、とっさに腕でガードした。
思い出しただけで反応する体が恨めしい。
「もっと自分の体を心配してほしいんです。わたしは、アゼル様が心配なんですよ……っ?」
「俺は大丈夫だよ」
いつも、大丈夫だと言ってくる。
心配かけさせないようにして、わたしには自分の体だけを心配するように言ってくるアゼル様。
「こんな……何もできないわたしですけど、ちょっとでもアゼル様の力になりたいんです……っ」
「ユフィ、無理しなくていいよ」
「む、りなんて、してないです……」
「体が強張ってる」
図星だった。
さっきから、蛇に睨まれた蛙のように、体がうまく動いてくれない。
声が、震えそうになる。
「休まないほうがよかったかな。今の俺が、君の近くに居続けるのはちょっと危険かもしれない」
冷たい指先が、わたしの頬をじっとりと撫で回す。
ひゅっ、と喉から空気が漏れた。
「昔から、自分のやることなすこと大概裏目に出る。だからねユフィ、君に愛してるって伝えたことを、もう後悔しているよ」
黙っておいたままのほうが良かったと。
そっちのほうが結果的に幸せだったと。
アゼル様は、そう言うのだ。
「どうしてですかっ? アゼル様に拒絶されていたわけじゃないんだって分かって、とっても嬉しかったのに……っ」
「それは申し訳ないと思ってるよ。でもそれ以上に、俺にとっては、俺の隣で、君が健やかに生きてさえいればいい。伝えるかどうかは個人の自由だ」
「わたしは……っ、言葉にしてほしいです。言葉にしないと、こっちが思ってる事とアゼル様が考えていることが違うかもしれないですか」
「何を考えてるのか、ね」
わずかにアゼル様の口角があがる。
心臓の鼓動が、どんどん早くなっていく。
「思ってることを口にしたら、ユフィは怖がると思うよ」
「こわがるなんて、そんなこと……」
「ほら、今だって俺から逃げようとしてる」
無意識に後退りするのだけれど、踏み台に乗っていることを忘れていた。あっ、と思う暇もない。何かにしがみつこうと手が伸びて、台所の上にあった瓶に当たってしまう。
わたしの体は背中から倒れた。
頭を打っていないのは、アゼル様がすんでのところで背中に腕を回してくれたから。
ジュースの瓶は、アゼル様が真上に腕を伸ばしてキャッチしてくれたから、当たって怪我をすることはなかった。
ただ──
「あ…………」
瓶の蓋が取れて、血の雨みたいに、真っ赤なジュースが降り注ぐ。
アゼル様の頭部から、ドロリとした真紅の液体が伝っていく。頬を流れ、顎に垂れ、首筋をくだって、白いシャツに赤いシミを作り上げていく。
そしてそれは、わたしも一緒だった。
むしろ、わたしのほうが悲惨。
夏だからって、薄手の白いナイトワンピースにしたのがいけなかった。
頭から被ったため、髪や頬や顎、首、むきだしの肩にまでべっちゃりとかかっている。鎖骨を伝っていた果肉混じりの液体が、胸の谷間に入り込んでいく。
ジュースは、温かった。
「もったいないことしちゃったね」
声を出すヒマもなく、首もとの緩いナイトワンピースをずらされる。下着によってこんもりと押し上げられた胸に、アゼル様の舌が這った。
ビクゥ、と反応する体が、反射的に距離を取ろうともがくのだけれど、背中に回った腕によって阻止される。
「ぁ……や……っ」
ただ、ジュースを舐めているだけ。
今すぐ服を洗えば、何とか落ちるかもしれない。汚れた体はシャワーを浴びれば済む話だ。
なのに、掠れた声しか出てこない。
官能を高めるようなねっとりとした舌使い。アゼル様の空いた左手が、さらに薄手のナイトワンピースを脱がしかかる。その間でも舌の動きは止まらず、下から上にジュースと果肉を舐めとっていく。
そのうちに、舌が首筋にたどりついた。
「じっとしてて……」
産毛が震える程度の、小さな囁き。
きっと、そんなこと言わなくても、わたしは動けないだろう。
視線が、指使いが、舌の動きが、肌に付着したジュースを舐める音が、わたしを捕えて離そうとしない。
心までもが、囚われてしまいそう。
「あ……っ」
舌で表面のジュースを舐められるだけじゃなく、唇で肌ごと吸われる。ちゅっ、ちゅっ、と軽いリップ音が鳴る。時々、ちりっとした痛みが広がった。
「発情してる」
「や、ぁ……っ」
耳の下辺りをスンスンと嗅がれて、鼻から甘ったるい声が抜けていく。
一度燻ぶり始めた官能の炎は、瞬く間に体全体に広がった。
「欲しい?」
「ぁぅ……っ」
「魔力、欲しい?」
「……っ、……っっっ」
違うの。
違うのに……っ。
わたしのことはいいのに……っ。
わたしはアゼル様を心配してるのに……っ!
「ぃ、ら……ない……っ」
首を振る。
アゼル様は「そう」と、短く息を吐いた。
「俺が何を考えてるのかさっぱり分からないってユフィは言ったね」
ビクッと体が跳ねる。
「聞きたい?」
ここから先の言葉を、聞いちゃいけない気がする。
聞いてしまったら、何に対して怯えていて、何から逃げようとしているのか、認めないといけない。
なのに、なんで。
「は、い……」
頷いて……しまったのだろう。
「俺がいま、何を思ってるのか。どうしたいと思ってるのか」
聞いちゃダメ。
ダメなのに、耳を塞ぐこともできない。
目も、逸らせない。
熱を帯びた魅惑的なテノールボイスが、耳孔に入り込んでくる。
「君をぐちゃぐちゃに犯して吸血したい」
バリィィンッ!! と、甲高い音が鳴り響く。
アゼル様の銀の耳環が、木っ端微塵に砕け散っていた。
4
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説


魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

ラヴィニアは逃げられない
棗
恋愛
大好きな婚約者メル=シルバースの心には別の女性がいる。
大好きな彼の恋心が叶うようにと、敢えて悪女の振りをして酷い言葉を浴びせて一方的に別れを突き付けた侯爵令嬢ラヴィニア=キングレイ。
父親からは疎まれ、後妻と異母妹から嫌われていたラヴィニアが家に戻っても居場所がない。どうせ婚約破棄になるのだからと前以て準備をしていた荷物を持ち、家を抜け出して誰でも受け入れると有名な修道院を目指すも……。
ラヴィニアを待っていたのは昏くわらうメルだった。
※ムーンライトノベルズにも公開しています。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる