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後編
2-6「我慢できない」*
しおりを挟む甘く達して体を弛緩させたアリスを、リクがベッドに寝転がせた。愛液で塗れた下着に手をかけ、少しずつずらしていく。アリスは快楽に蕩けた顔のまま、己の足を軽く開かせてきたリクを見上げた。
昨日見た狼の瞳と全く一緒の、金色の瞳。
劣情に塗れ、吸い込まれそうなほど強い光を放っていて。
「もう、我慢できない……ッ」
聞いているだけで胸が詰まりそうな、切羽詰まった声だった。
「ナカ入って、アリスを犯したい。今度こそ、この姿で、ちゃんと一つになりたい」
リクはすでに下履きから己の雄を取り出し、自分の手に持っていた。リクの肌よりも一際濃くて、猛々しい大きな肉槍。秘部に擦りつけられると、自然と甘い声が出る。リクのモノが──リクのすべてが、欲しくなる。
「リク……、ほしい、の……っ」
ぐっと歯を食いしばったリクが、アリスの白い太ももを鷲掴みにして、思い切り開かせた。蜜口に雄をあてがい、一息に挿しこんでいく。
「ぁ、ぁああ……っ!」
みっちりと肉の詰まった膣内に、熱い楔が穿たれていく。リクが大きく腰を動かすたびに、アリスの体が揺さぶられ、白い胸もぷるんっと揺れた。
痛みのはてに、奥ソコにとちゅんっと当たった感じがして、アリスは目を大きく見開いた。
「ふ、ぇ、ぁ……っ、あっ、あぁ…っ」
すりすりと押し当てられ、快楽に脳を焼かれる。再びじわりと浮かんだ涙を、リクが舌でペロリと舐めた。
「あ、りす……すごく気持ちよさそう……」
アリスの顔はとろとろに蕩けていた。
番になったことで感度がよくなったせいである。
「大丈夫、そうだから……動く、ね……?」
余裕のない声が響いたと思ったら、リクにゆさゆさと腰を動かされ、その度にアリスが甘く喘ぐ。
「あ、あっ、んあっ、あぁ…っ」
「ごめ、ん……やっぱ優しくできそうにない……っ」
肉槍からぷしゃぁっと熱い液体が放たれた。滑りをよくするためのもので、番同士の営みを円滑にする役目がある。潤滑液自体もリクの魔力で出来ており、流れ込むだけでアリスは背中を反らせて喘いだ。
「あっ、あっ、あぁ、っああ、っ!」
内壁を強烈に引っ掻きながら肉傘が出ていくかと思えば、強烈な勢いで奥に突っ込まれる。奥底が丸い先端で押しつぶされ、押し上げられる。
「あ、りす……っ」
また、この声だ。
この切ない声。
顔を確認したいのに、そんな余裕もない。
「あぁ、っ、あ、り、く──んふっ!?」
今度は抱き上げられて唇を舐められる。口を開けるように促され、おそるおそる開けてみれば、リクの舌がするりと入り込んできた。
(き、す……っ)
もちろん、初めて。
強烈に突かれながら耳も塞がれたものだから、体の隅々までリクでいっぱいになる。
もう、何も考えられない。
(……きもちぃ、きもちぃ、きもちぃ……っ)
もっと欲しくて、夢中で舌を絡める。愛撫されるのが心地いい。キスされながらトントンされて、身体全部が溶けていきそうだと思った。
「あ、っ……り、くの……いっぱい……っ」
腹のなかでリクのモノが弾けて、大量の魔力がどくどくと注ぎ込まれる。熱いものを愛おしむように、アリスが無意識に臍のしたを撫でていると──
「………エロすぎ」
ボソッと呟いたリクが、アリスの体をぐるんと回転させた。うつ伏せの状態でもう一度捻じ込み、背中に覆いかぶさるようにして抽送を開始した。
「んっ、あっ、り、く……っ! あぁっ、ああっ!」
肩口を舐められ甘噛みされ、耳をねっとりと舐められる。
激しさは失ったものの、今度のリクの動きは弱い部分をピンポイントで抉るものだった。一気に高みに持ち上げられて、視界の端でバチバチと火花が散る。
「きもちい? きもちいいなら、そう、言ってほしいな?」
「ぅん、ぁ……──きも、ちぃ……っ。きもち、ぃ……リクぅっ!」
リクの荒い吐息が耳もとにかかって、アリスの背中がゾクゾクと震える。
必死にシーツを掴んで、快楽の奔流を耐え忍んでいると、またしてもリクに口づけを求められた。後ろを振り返っての無理な体勢だから、唾液が口端から垂れていく。でもその感覚すら、アリスにとっては官能を高める材料だった。
「り、くっ、あ、れがっ、きちゃ、う……っ。りく、りくぅ……ッ!」
「あれじゃない。それは“イク”って言うんだよ……っ?」
「ふ、ぇ──っああ、んっ、ああ……ッ!」
「イク? イクの?」
「い、くっ。いく、いっちゃう、いっちゃうの……っ!」
コクコク頷きながら言うと、ぐぽぐぽと卑猥な音を立てて抽送のスピードが激しくなる。と同時に、リクの腕がアリスの真下にもぐりこみ、《番紋》をトントンと刺激した。
そして。
胎内で一際大きく脈打ったモノが奥底をノックし、グリグリと押し上げた瞬間。
「っやああ~~~~~~ッ!!」
アリスは甲高い嬌声をあげて、全身を痙攣させて達した。
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