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揺れ動く心
17 エーベルト様の嫉妬・中編*
しおりを挟む「僕以外の男に抱かれたのか?」
「…………」
「なのに庇ってるのか?」
「…………」
昂った感情を抑えるように、はぁ、とエーベルト様がため息を吐いた。
「怖いか? 悪いな、今かなり頭にキてる。だからルディに何とかしてほしい」
「何とかって……」
エーベルト様は、自分の唇を指さした。
わたしはエーベルト様に近付く。
つま先立ちしたけど、届かなかった。
エーベルト様の首に腕を回すと、察してくれたのか、軽く屈んでくれる。顔を近づけて、口を開けて舌を突きだした。ペロ……ペロ……と遠慮がちにエーベルト様の唇を舐めていく。
エーベルト様の手がわたしの腰に手を回した。さわさわと微弱に触られて、身体がビクッと反応する。
「ぁ……ん……っ」
意識が腰にいかないように、舌の動きに集中する。
レザニード兄様に比べると、エーベルト様の唇は少し薄め。でも柔らかくて、温かい。口端を丹念に舐めて、下唇を軽く食んで愛撫していく。
「ホント、ムカつくくらい可愛いな。おまえ」
「ん……っっ!」
されるがままだったエーベルト様が、舌を出してわたしの唇を甜め始める。軽く唇を食んで、甘噛みしてくる。わずかに口を開けると、熱い舌が入り込んできた。
わたしの舌先に触れ、焦らすような愛撫をされる。頭を掴まれているため、離れられない。絶えず唾液を流し込まれて、飲み切れなかったものが口端から垂れる。唇が少し離れて、顎にまで流れた唾液をじゅるっと吸われる。甘美な痺れがゾクゾクッと背中を走った。
倒れそうになった体を、エーベルト様が腰から支えてくれた。そのまま横抱きにされて、どこかに寝転がされる。ふかふかのマットレスの上……もしかしてベッド……?
「えーべ────んぅっ!!」
口を開いた瞬間、もう一度キスをされた。
エーベルト様がわたしの服のボタンを素早く外していき、完全にお腹まで露出させられた。両手首を掴まれ、頭の上で縫い留められる。わたしの下着をずらし、露出した胸をエーベルト様が鷲掴みにした。
「んん……っっ!」
もう片方の胸の膨らみに舌がおりて、先端の周りをくるくると舐められた。身体がビクビクと跳ねて、お腹の奥から熱が生まれる。足をピッタリ閉じて膝を擦り合わせていると、太ももの間にエーベルト様の指が這った。
「んっ……ふ、ぁっ!」
同時に、胸の先端を舌裏で押され、ねっとりとした唾液が落ちた。音を立てて舐められて「んぁっ」と甘い声が出る。力の抜けた足は簡単に他者の侵入を許してしまい、滑り込んできた指が下着越しにソコに触れる。にゅちっと粘ついた音が響いた。
「ひ、あっ……!」
「もうこんなに……」
低いエーベルト様の声が聞こえたと思ったら。
ずぶっ、と一気に中指を入れられた。
「ふっ、あっんッ、ああっ!」
そのまま荒々しく抽送されて、嬌声がとまらない。身体がビクンビクンッ動いて、擦られている場所を中心に、どんどん身体が熱くなっていくのを感じる。
「────これは、ルディの兄貴のせい?」
「ふ、ぇ…………っふぁっ、んぅっっ」
中指を折り曲げられ、気持ちイイ所に指の腹が触れた。甘い嬌声があがって、ろくに言葉を話せない。
「やっ……んぅ」
「監禁されてる間、もしかしてずっとこんなことされてたのか?」
「っあぅ……あっ、んっっ」
「…………」
指の本数を増やされ、激しく動かされた。奥まで突っ込まれ、揺さぶられ、愛液がどんどん溢れてくる。
「ひぁっ!!」
じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶ……。
「その顔も、その声も────全部、兄貴に見せたんだよな」
苛立った声が聞こえた瞬間、指が抜かれて。
代わりに熱い“何か”が、濡れそぼった蜜壺に触れた。
「……胸糞悪い」
ボソッと呟かれて。
エーベルト様に、貫かれた。
「うっっっ!?」
内壁を押し広げられ、痛みと快楽が同時に押し寄せた。
優しさなんてない。
苛立ちと怒りの感情とともに内部を押し進む猛々しいモノが、感じやすい部分を擦り上げながら奥へと進んだ。じゅぐんっと腰を打ち付けられて、そのままエーベルト様がわたしに口づけをしてくる。酸欠になりそうなほど濃厚なキス。エーベルト様に思い切り押さえ付けられているため、全然身動きがとれない。
「んぁあっ!」
「っく。ナカ締め付けすぎ………ッ」
身体がガクガクして、雄が膣内をひっかくたびにナカが悦びに震えてぎゅうぅと締まる。エーベルト様のモノが、ドクンっと脈打った。
一回り膨張したような気がして。
激しく、奥を突かれた。
「ひぁっ……っっ!」
意識が飛びかけて、白い星がちらついた
「ルディが好きなのは僕だろ?」
「はげし……っ! んあぅ!!」
「言って」
「う、んっ。好、きだからっ、とまっ──ひぁっ!!」
ごちゅごちゅ、と。
集中的に感じる部分を突かれて、大きな嬌声が止まらない。
「だったら、なんで兄貴の話ばっかりしてたんだよ」
「っなんの、っ……はなし……っ?」
「今日、クラスの連中と昔の話とかしてたけど、ルディはずっと兄様兄様って……兄貴を引き合いに出して話を進めてたぞ」
……そう、だっけ……。
全然意識してなかった。
ごちゅんっ。
「や……っ!」
限界まで引き抜かれて、抉る様に一気に捻じ込まれる。
圧迫感で、息をするのを忘れた。
また、エーベルト様にキスされる。
荒々しく舌に絡みつかれて、ちゅうっと吸われる。ずぐりっと腰を押し付けられて、わたしを支配するかのような快楽の波が押し寄せる。下腹部に熱が集まってきて、身体の細部にまで力が入る。背中が反って、キスしているのに、むせび泣くような声が漏れた。
「は、ぅ……あっく、……あぁあ!」
「もしかして────」
唇が離れて、唾液の糸を引く。
エーベルト様が、わたしを見下ろした。
「──ルディ、おまえ……」
……やだ。
……聞かないで。
……聞かないでっ!
それをわたしに聞かないで!!!
「────兄貴のことが好きなのか?」
せっかく、宣言をつけたのに。
その気持ちを、意識してしまったら。
レザニード兄様を忘れるために、好きになったエーベルト様を、裏切ることになるのだから。
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