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揺れ動く心
15 わたしが純潔を捧げたひと・後編*
しおりを挟むまさに、雌を捕食する直前の『雄』の顔をしていて。
わたしの背筋が、ゾクリと震える。
「ルディの全部、今すぐここで僕にくれ」
「……………………は……い」
頷いた瞬間、エーベルト様がわたしのスカートに内側に手を差し込んできた。秘めやかな場所に、下着越しで指が触れる。蜜壺から滴る愛液の量は少ないけれど、爪を立てるように擦られて、もぞもぞとした変な感覚が襲ってくる。
「ゃ……っ」
何をしようとしているのか、知識では知っている。でも実際はどんな感じなのかは、知らない。学級の子たちがコソコソと話していることを聞くこともあったけど、わたしは恥ずかしくて聞いていられなかった。
「ぁ……っ!?」
指が下着の内側に入り込んでくる。直に触れられ、愛液をすくって塗りたくる様に動かされて、妙な声が出た。
最初は異物感が強かったけれど、愛液が指を包み込んで動きを滑らかにしてくれる。抽送にも慣れてきて、気持ちよさがさざ波のように押し寄せてきた。声に甘さが出始め、抑えることが出来なくなる。もう片方の手が、蜜口の上部にある芽を優しく摘まんだ。
「ひぐっ!?」
指の抽送が再開され、身体がガクガクと震える。
辛抱出来なくなったわたしは、頭をエーベルト様の肩に押し付けた。
「っんあ……あっ……あっ!」
指の本数を増やされ、奥へぐっと突っ込まれる。
こすられ、なでられ、中を蹂躙された。
「ひっ、……あっく」
「イイ声」
「……ん、あッ」
指が引き抜かれると、内壁が名残惜しそうに震える。頭がぼうっとして、何も考えられない。冷たかったはずの身体が、ゆであがったように熱くなっていた。わたしの脇の下に、エーベルト様の手が差し込まれた。持ち上げられている気がする。
な、……に…………?
「痛いかもしれないけど、我慢できそうか?」
「ふ、ぇ……?」
折り重ねた上着を岩肌において、わたしはその上着に背中を預けて仰向けになる。たぶんだけど、岩肌で肌が傷つかないようにしてくれている。
腰を、がっしり掴まれた。
「待って……っ!」
足のきわどい部分をエーベルト様に触られ、スカートの裾を持ち上げられた。足を、広げさせられる。わたしからは見えないけれど、敏感な場所に熱い楔が触れた。くちゅりと先端が上下に動き、甘い痺れがその場所から一気に広がって「んぁ」と甘い声が漏れる。
強く、押し込まれた。
「や、っ……っ!?」
「きっつ……ッ」
内壁を押し広げられた。痛みが広がり、顔をしかめる。熱く長いものが壁を這い、労わる様にゆっくりと奥へ進んだ。
目から流れた涙を、エーベルト様が拭ってくれる。頷くと、胸をねっとりと舐められる。ツンと立ち上がった蕾を優しく食まれ、子猫がミルクを飲むかのように、ピチャピチャとした音が響いた。気持ちよさが広がって、少しだけ異物感と痛みが薄れる。
わたしの口からまた甘い声が出始めると、熱く長いモノが動き始めた。
感じやすい部分を擦りながら、限界まで引き抜かれる。
「……っふぁ……あっぐ!」
深く挿入され、背中が仰け反った。
何度も何度も抜かれては突かれ、抜かれては突かれて。
「やっ……なにか、きっ、ちゃうよぉ!」
「締め付けすぎだって……ッ!」
「やだっ…………やぁああっっ!」
わたしのなかで、熱が弾けて。
ぎゅぅう……とナカが悦びに蠢いた。
「やば……ッ」
すんでのところで、雄が引き抜かれる。
その瞬間、白濁した液体が飛び散った。
お互いの身体が離れると、その間に冷たい空気が流れ込んでくる。
熱い身体が、すぅ……と冷えていくようで。
あ…………。
わたし……処女じゃなくなったんだ…………。
好きな人と体を重ねて、幸せの絶頂にいるはずなのに。
荒い息を繰り返すわたしの目からは、なぜか、悲しみを表現するような涙が流れていた。
*
エーベルト様と会うのは、あの日以来だ。
ここ半年間は色々ありすぎて、なんだか数年ぶりに会うような気がする。
わたしは学校を辞めさせられたけど、エーベルト様は未だに学生だ。
今日は休校日で、外出許可をとってくれたらしい。
待ち合わせ場所は、町のシンボル的な噴水の前。
ミレッタさんにごり押しされて、二の腕を見せた女の子らしい服装を着ている。胸元が開けた服を着るのも久しぶりだ。
……昨日つけられたヤツ、結局痕になっちゃったな……。
脇に近い胸の膨らみ部分を兄様に強く吸われてしまい、今も残っている。服を脱がない限り見えることはないけれど、やはりエーベルト様と会うとなると気になってしまう現状。わたしは落ち着かせるように、胸に手を置く。呼吸を整えた。
しばらくして、知らない男の子たちがわたしに近付いてきた。久しぶりに見たブレザーの制服。わたしが通っていた貴族学校のものだ。彼らも生徒だろう。ここは学校からも近い場所だから、彼らもエーベルト様と同じように遊びに来たのだろう。雰囲気からして上級生だ。
男の子の一人がわたしに話しかけてくる。無視してもしつこい。
しかも、肩に腕を回された。学生かと聞かれて、遊びに行こうと誘ってくる。
やだな……わたしってこんなんばっかり。
もっときっちりした格好にすればよかったかも。
「──僕の婚約者になんか用?」
肩に手が置かれ、思い切り引き寄せられた。
男の子たちは、わたしの肩に手を置いた人物を見て、ヘラヘラ笑って去っていく。
「悪い、遅くなった」
あれ、声低くなった……?
「久しぶりルディ」
「エーベルト様……」
……成長期、なのかな?
エーベルト様は、半年前よりも身長がかなり伸びていた。前見たときはわたしより数センチだけ高いくらいだったのに、今は見上げるほどになっている。
可愛らしい少年顔は落ち着いた様子を見せ始め、エーベルト様は大人の男性へと姿を変えつつあった。
正直、ちょっとドキッとした。
これだけかっこよくなっていると、かなりモテるんじゃないだろうか。
「すっごく大人っぽくなってる……」
「そう言うルディも……なんだろ、かなり雰囲気変わったんじゃないか?」
「そう、かな……?」
エーベルト様は視線をそらしながら、頬を赤くしている。
「より綺麗になったというか……大人の女性になったっていうか…………ん?」
「ひゃ…………っ!?」
エーベルト様が、急にわたしの首に鼻を近づけてきた。
匂いを……嗅がれてる???
「香水つけてる?」
「つけてないけど……どうかしたの?」
「香水じゃないのか。……なんだろこの匂い…………おまえから、どっかで嗅いだことのある匂いがするぞ……」
「え…………?」
「…………あ、分かった。これあれだ、ルディの兄貴と同じ匂いだ。前に挨拶したとき、すっごくいい匂いだったから覚えてる。なんでルディからルディの兄貴の匂いがするんだ?」
「っ!」
レザニード兄様の匂いが……わたしからするの?
もしかしたら、四六時中一緒にいたからかもしれない。
何かあるたびに抱きしめられて、キスされていたから。
「顔、赤いぞ? 大丈夫か?」
……だ、ダメだ。
今はエーベルト様に集中しないと。
「だ、だいじょうぶっ! うん!!」
「………………」
エーベルト様が訝しげにわたしを見ていたけれど、急にわたしの腕を強く掴んで、歩き始めた。
「ちょっといいか」
なんだろう。
エーベルト様が、いつもと雰囲気が違う……?
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