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8. 波に酔う ※
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私には、自分の意思だ、と言ったテオドールの真意がよく分からなかった。国王陛下の圧力で役割を果たすことを自分の意思だと言い換えることになんの意味があるのだろうか。求めていない女を抱かなければいけない結果は同じなのに。
テオドールが私に覆い被さって、耳元で熱い息を吐いた。それに背中が震えてしまい、それ以上思考を回らすことはできなくなる。鎖骨をなぞっていた指がすっと寝衣の上から胸を撫でる。中心部に触れないように、乳房の丸みにそってくるくると縁を描いている。
「はぁ……っ」
決定的な刺激は何もなく、ただ耳元と胸にゆるい愛撫を施されて、それだけでエリーナの身体は泣きそうになるくらい快感を拾う。こんなこと毎日繰り返していたら気が狂って死ぬ。
「うっ……ぅん……あっ!」
急に胸の中心部をつままれて、電気が走ったような快感に高い声が出た。布越しでも頂きがぴんと立っているのがよく分かる。指でぐにぐにと潰されると、下半身がきゅっと痛んだ。
「や、あ……」
「嫌ならやめるか?今ならまだ引き返せるよな」
「う……っ、や、ぅ……」
やめてほしいという思考が一番最初で、その後に役目を果たすためにはやめたらダメだという理性がかぶさる。身体は、絶対やめたくないと言っている。だってまだもっともっと気持ちよくなれるのに、こんなところでやめるなんて信じられない。
「や、やめ、たら、ダメ……!」
「そうか。じゃあ続けるよ。なぁ、それどっちの意味なんだ……?どうせ、俺に都合の良い方じゃないんだろうな。イラつくよ」
「ひ、っああん……!」
テオドールが、布越しに胸の頂を口に含んだ。甘えた喜悦の声が抑えられず、恥ずかしくて涙が出てくる。寝衣は襟ぐりが大きく空いているから、上から手を滑り込ませればはだけてしまう。胸をなぶるのにうるさいくらいの水音が響く。わざと音を立てているんじゃないかと思う。
「あっ、あ、ああ……っ」
舌が乳首を弾くたびに、身体がびくびくっと震えて、下半身がじんと重くなる。未知の感覚で目眩がしそうだ。テオドールの手が太ももに触れた。足の内側の柔らかい肉をさすり、グッと指が食い込む。
「気持ちいいな。何を食ったらこんなに肌がしっとりするんだ」
「はぁ……ぅ」
決して感じやすい部分ではないはずなのに、太ももを撫でられているだけで悩ましげな声が出てしまう。もう本当にエリーナの身体というのは、どこを触られても嬌声をあげるしかない楽器みたいだ。気持ちがついていかない。
太ももに触れていた手が下着の中に入り込み、敏感な部分には触れないように周囲を優しく撫でる。
「あっ……」
エリーナの身体は、どこが一番気持ちいいかよく知っている。私は知らない。どこか分からないけれど、そこじゃないんだというもどかしい気持ちだけがずっと燻っていて、恥ずかしさで涙が出る。
「てお……っ」
「ん?」
「は、早く……」
「やだよ。今日するっていう希望はあんたに合わせたんだから、中身は俺が決める」
「そんな……!」
欲しいものがもらえない辛さと、恥じらう気持ちと、訳がわからなくなって目に滲んだ涙が落ちた。
「ああ、また泣いてる。あんた、泣けば俺が言うことを聞くと思ってる?まぁそうだな、その通りだ。泣かれると弱い」
「あああっ!」
テオドールの指が、柔らかいところに沈んだ。自分でも驚くくらいに蕩けるような状態で、指はなんの抵抗もなく受け入れられた。少し指が動くだけで、ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てる。
「ん、すごいな。熱い」
「あっあっ……や、それっ……」
指が身体の中を押し広げ、擦る。感じたことのない強い快感に、頭が真っ白になってしまう。どんどんその感覚のことしか考えられなくなって、もっともっとして欲しくて、気持ちよくて全てが溶けてしまいそうな感覚だ。
「あっ、あんっ、……きもちいっ、テオ、やだ、怖……いっ、あああっ!」
どくんと心臓が跳ねて、それと一緒に身体も震える。ビクビク痙攣したまま、指の感覚から意識を逸らせずにいる。
「怖い?」
「こわ、い……やっ、気持ちよくてっ、こわい、やだ…知らないっ、もうやめて!」
「ダメだ、まだちゃんとできてないよ。ちゃんとしたいんだろ?」
優しくて穏やかな声が、残酷な言葉をつむぐ。もう本当に無理だ。エリーナの身体は大丈夫かもしれないけど、私が耐えられない。本当に頭がおかしくなりそうだ。
足の間をびしょ濡れにして身体の中を乱され、それと一緒にテオドールは反対側の胸を舐めた。時々吸って、ちゅっと音を立てて唇を離す。
「あっ、ん……っ、うぁ」
気持ち良いのが辛くて、もうただビクビク震えているだけになってしまう。もうやめて早く終わらせてとしか考えられないのに、エリーナの身体はずっと続けたがってる。
テオドールが顔をあげ、グレーグリーンの瞳と目があった。いつも私を安心させようとする、気遣うような笑みを向けられて、何を感じていいか分からなくなる。
「訳わかんなくても大丈夫だ。気持ちいいならそれだけ感じていればいいよ」
「うっ……でも、怖い、のに……」
「怖くない。知らないだけだ」
「ああっ……!」
指が増えて、いっそう強い刺激が与えられる。また背中が大きくしなって、全身が震えてしまった。震えが止まってはぁと息を吐いたら、指が引き抜かれた。
「ひぁっ」
テオドールが私のことをじっと見ていた。
「や、み、見ないで……」
「あんたが俺を見てるんだよ」
「屁理屈……あああっ!」
指と違う、熱くて太いものが身体の中に入ってきた。エリーナの身体はその質量さえよろこんで受け入れて、全く痛みはない。歓迎するように膣壁が密着しているのが分かる。
「っく……!」
「あ、あ……っ」
挿入の刺激だけで、身体が果ててしまう。絶頂を迎えたばかりの身体は痙攣してテオドールのものを締め付け、その刺激もまた気持ち良くて、ずっと止まらない。
「エリーナ」
テオドールが耳元で名前を呼んだ。吐息を含んだ声にぞくぞくする。
「キス、したい。なぁ、いいか?」
私は首を横に振った。ただでさえ気持ちよくて頭がおかしくなりそうなのに、あの麻薬みたいな口付けをされたら、自分がどうなるか分からない。
「そんなに、嫌がることかよ。傷つくな……っ!」
「あっあ、あ……っ!」
身体を突き上げる抽送の動きが、また身体を昂らせる。目の前が真っ白になって、チカチカひかるような、不思議な感覚になる。
「……!!」
テオドールが私の足を持ち上げて、挿入がグッと深くなった。
「あっ」
「……出そうだ。ちゃんと受け止めて、くれ」
「え、待っ……ちょっ…」
「逃げるな」
「ああっ」
逃げ出そうとして身体をひねると、当たる場所が変わってそれが刺激になる。抽送の動きが激しくなって、身体を揺さぶられる一定のリズムが心地よく、身体を委ねたくなる。
「ん、あっ…もぅ、や、激しい……っ!」
「エリーナ、……エリーナ!っん、」
繋がったところがどくんと脈打つのが分かった。身体の中に熱いものが弾けるのが分かって、魔力が急に満ちる。大きな波に流されそうになる感覚が恐ろしく、テオドールに抱きつくと力強く抱き返された。固い胸板に自分の胸が押しつぶされ、少し苦しい。
「はぁ……」
身体の中で異物が暴れているような、不思議な感覚がする。身体の中にある水がぐるぐる回って、身体の内側から私を酔わそうとしているような感じだ。
全身の倦怠感と、ぐわんぐわんと頭が揺れる感覚に身を委ねている間に、いつの間にか意識を失っていた。
テオドールが私に覆い被さって、耳元で熱い息を吐いた。それに背中が震えてしまい、それ以上思考を回らすことはできなくなる。鎖骨をなぞっていた指がすっと寝衣の上から胸を撫でる。中心部に触れないように、乳房の丸みにそってくるくると縁を描いている。
「はぁ……っ」
決定的な刺激は何もなく、ただ耳元と胸にゆるい愛撫を施されて、それだけでエリーナの身体は泣きそうになるくらい快感を拾う。こんなこと毎日繰り返していたら気が狂って死ぬ。
「うっ……ぅん……あっ!」
急に胸の中心部をつままれて、電気が走ったような快感に高い声が出た。布越しでも頂きがぴんと立っているのがよく分かる。指でぐにぐにと潰されると、下半身がきゅっと痛んだ。
「や、あ……」
「嫌ならやめるか?今ならまだ引き返せるよな」
「う……っ、や、ぅ……」
やめてほしいという思考が一番最初で、その後に役目を果たすためにはやめたらダメだという理性がかぶさる。身体は、絶対やめたくないと言っている。だってまだもっともっと気持ちよくなれるのに、こんなところでやめるなんて信じられない。
「や、やめ、たら、ダメ……!」
「そうか。じゃあ続けるよ。なぁ、それどっちの意味なんだ……?どうせ、俺に都合の良い方じゃないんだろうな。イラつくよ」
「ひ、っああん……!」
テオドールが、布越しに胸の頂を口に含んだ。甘えた喜悦の声が抑えられず、恥ずかしくて涙が出てくる。寝衣は襟ぐりが大きく空いているから、上から手を滑り込ませればはだけてしまう。胸をなぶるのにうるさいくらいの水音が響く。わざと音を立てているんじゃないかと思う。
「あっ、あ、ああ……っ」
舌が乳首を弾くたびに、身体がびくびくっと震えて、下半身がじんと重くなる。未知の感覚で目眩がしそうだ。テオドールの手が太ももに触れた。足の内側の柔らかい肉をさすり、グッと指が食い込む。
「気持ちいいな。何を食ったらこんなに肌がしっとりするんだ」
「はぁ……ぅ」
決して感じやすい部分ではないはずなのに、太ももを撫でられているだけで悩ましげな声が出てしまう。もう本当にエリーナの身体というのは、どこを触られても嬌声をあげるしかない楽器みたいだ。気持ちがついていかない。
太ももに触れていた手が下着の中に入り込み、敏感な部分には触れないように周囲を優しく撫でる。
「あっ……」
エリーナの身体は、どこが一番気持ちいいかよく知っている。私は知らない。どこか分からないけれど、そこじゃないんだというもどかしい気持ちだけがずっと燻っていて、恥ずかしさで涙が出る。
「てお……っ」
「ん?」
「は、早く……」
「やだよ。今日するっていう希望はあんたに合わせたんだから、中身は俺が決める」
「そんな……!」
欲しいものがもらえない辛さと、恥じらう気持ちと、訳がわからなくなって目に滲んだ涙が落ちた。
「ああ、また泣いてる。あんた、泣けば俺が言うことを聞くと思ってる?まぁそうだな、その通りだ。泣かれると弱い」
「あああっ!」
テオドールの指が、柔らかいところに沈んだ。自分でも驚くくらいに蕩けるような状態で、指はなんの抵抗もなく受け入れられた。少し指が動くだけで、ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てる。
「ん、すごいな。熱い」
「あっあっ……や、それっ……」
指が身体の中を押し広げ、擦る。感じたことのない強い快感に、頭が真っ白になってしまう。どんどんその感覚のことしか考えられなくなって、もっともっとして欲しくて、気持ちよくて全てが溶けてしまいそうな感覚だ。
「あっ、あんっ、……きもちいっ、テオ、やだ、怖……いっ、あああっ!」
どくんと心臓が跳ねて、それと一緒に身体も震える。ビクビク痙攣したまま、指の感覚から意識を逸らせずにいる。
「怖い?」
「こわ、い……やっ、気持ちよくてっ、こわい、やだ…知らないっ、もうやめて!」
「ダメだ、まだちゃんとできてないよ。ちゃんとしたいんだろ?」
優しくて穏やかな声が、残酷な言葉をつむぐ。もう本当に無理だ。エリーナの身体は大丈夫かもしれないけど、私が耐えられない。本当に頭がおかしくなりそうだ。
足の間をびしょ濡れにして身体の中を乱され、それと一緒にテオドールは反対側の胸を舐めた。時々吸って、ちゅっと音を立てて唇を離す。
「あっ、ん……っ、うぁ」
気持ち良いのが辛くて、もうただビクビク震えているだけになってしまう。もうやめて早く終わらせてとしか考えられないのに、エリーナの身体はずっと続けたがってる。
テオドールが顔をあげ、グレーグリーンの瞳と目があった。いつも私を安心させようとする、気遣うような笑みを向けられて、何を感じていいか分からなくなる。
「訳わかんなくても大丈夫だ。気持ちいいならそれだけ感じていればいいよ」
「うっ……でも、怖い、のに……」
「怖くない。知らないだけだ」
「ああっ……!」
指が増えて、いっそう強い刺激が与えられる。また背中が大きくしなって、全身が震えてしまった。震えが止まってはぁと息を吐いたら、指が引き抜かれた。
「ひぁっ」
テオドールが私のことをじっと見ていた。
「や、み、見ないで……」
「あんたが俺を見てるんだよ」
「屁理屈……あああっ!」
指と違う、熱くて太いものが身体の中に入ってきた。エリーナの身体はその質量さえよろこんで受け入れて、全く痛みはない。歓迎するように膣壁が密着しているのが分かる。
「っく……!」
「あ、あ……っ」
挿入の刺激だけで、身体が果ててしまう。絶頂を迎えたばかりの身体は痙攣してテオドールのものを締め付け、その刺激もまた気持ち良くて、ずっと止まらない。
「エリーナ」
テオドールが耳元で名前を呼んだ。吐息を含んだ声にぞくぞくする。
「キス、したい。なぁ、いいか?」
私は首を横に振った。ただでさえ気持ちよくて頭がおかしくなりそうなのに、あの麻薬みたいな口付けをされたら、自分がどうなるか分からない。
「そんなに、嫌がることかよ。傷つくな……っ!」
「あっあ、あ……っ!」
身体を突き上げる抽送の動きが、また身体を昂らせる。目の前が真っ白になって、チカチカひかるような、不思議な感覚になる。
「……!!」
テオドールが私の足を持ち上げて、挿入がグッと深くなった。
「あっ」
「……出そうだ。ちゃんと受け止めて、くれ」
「え、待っ……ちょっ…」
「逃げるな」
「ああっ」
逃げ出そうとして身体をひねると、当たる場所が変わってそれが刺激になる。抽送の動きが激しくなって、身体を揺さぶられる一定のリズムが心地よく、身体を委ねたくなる。
「ん、あっ…もぅ、や、激しい……っ!」
「エリーナ、……エリーナ!っん、」
繋がったところがどくんと脈打つのが分かった。身体の中に熱いものが弾けるのが分かって、魔力が急に満ちる。大きな波に流されそうになる感覚が恐ろしく、テオドールに抱きつくと力強く抱き返された。固い胸板に自分の胸が押しつぶされ、少し苦しい。
「はぁ……」
身体の中で異物が暴れているような、不思議な感覚がする。身体の中にある水がぐるぐる回って、身体の内側から私を酔わそうとしているような感じだ。
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