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第六話
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優しい口付けと、愛撫にうっとりして、時々聞こえる「にゃー」という場違いな声がリリーシアの頬を緩ませた。
ヒューゴはできるだけ話さないようにしているが、ときどきリリーシアに声をかけては、自分が「にゃー」ということに苦い顔をする。その顔を見るとリリーシアの身体の緊張はほぐれ、少し笑いすぎるとヒューゴが面白くなさそうな顔をしてリリーシアを見た。リリーシアは、与えられる快感に身を委ねる。
初夜は緊張してしまって、気持ちいいと感じたり、ヒューゴにうっとりしたりすることはできなかった。
今日は彼の厚みのある身体に手を回し、撫で、腕や胸に口付ける余裕がある。
「あっ、あん……ふ……っ」
ヒューゴの指がリリーシアの中を出入りする。愛液がぐちゅ、ぴちゃ、と乱れた音を立てる。
「は、あ、んんっ、気持ちいい……ヒューゴ様ぁ」
ヒューゴはリリーシアを追い詰めながら、口付けした。彼が身を屈めると、チリンと鈴の音がする。
舌が絡み、だらしなく溢れた唾液が混ざる。足の間からも、口元からも、水音がして、ヒューゴと溶け合うような感覚が、リリーシアを夢見心地でぼんやりした気分にさせる。
「んぅ、ん、きもちいい、すき、すきです……」
リリーシアは、唇が少し離れるたびに、好き、好き、と呟いた。ヒューゴの指の動きが速くなり、それとともに、リリーシアの身体も昂っていく。
「あっ、あ、あんっ、んんん!」
リリーシアは、ヒューゴにしがみついて、全身を震わせた。膣壁がヒューゴの指を締め付ける。
余韻が過ぎ去ると、ヒューゴが少し身体を起こした。
抜いた指は濡れてつやつや光っている。ヒューゴが、その濡れた自分の指に舌を這わせた。
リリーシアの愛液を舐め取るような動きをする舌と、鋭い視線を向ける視線の赤に、リリーシアは釘付けになった。
少し怖いと思ってしまうくらいで、背筋がぞくっと震えた。
「リリーシア……いい、にゃ?」
リリーシアは青い瞳をぱちぱちと瞬きさせた。ヒューゴの頭についた耳がぴくっと揺れる。
その様子が可愛くて、リリーシアはふふっと笑いながら頷いた。
「はい」
ヒューゴは複雑そうな顔をしている。
「雰囲気がぶち壊しにゃー」
「そんなことないわ。素敵です」
リリーシアはヒューゴの黒猫耳を撫でた。
ヒューゴが小さなため息をついた。彼の表情が緩む。
唇が優しく重なった。
リリーシアの足に触れていた彼の熱杭が、リリーシアの秘部に当てがわれた。
「んっ……」
ぐっと差し込まれると、引き攣るような痛みがする。リリーシアは眉を顰めた。
「あぅっ、大きい……!」
ヒューゴはぴたりと動きを止めた。リリーシアははっとして口を塞いだ。
初夜はリリーシアが痛いと口にしてしまったせいで、ヒューゴは続きをするのをやめようと言ったのだ。
ヒューゴはリリーシアの髪を撫で、背中を丸めて口付けた。
「リリーシア、やめにゃくていい? ゆっくりするから、俺に慣れてほしいにゃん」
リリーシアはもちろん頷いた。だってずっと、そうして欲しかったのだから、断る理由なんてない。
「なんで嬉しそうにゃんだ?」
「嬉しいからです」
ヒューゴは首を傾げた。
リリーシアもうまく説明はできないのだ。
凱旋パレードのあとの食事会のとき、リリーシアは彼に、好きな女性のタイプや趣味を聞いた。
ヒューゴはうーん、と下を向いて悩んだあと、「分かりません」と答えた。
いつ死ぬか分からなかったので、自分が何を好きなのか考えようと思ったことがないのだという。
――だからこれから、それを一緒に探してくれる人とか、ですかね。
その答えすら、彼は本当に自分がそう思っているのか自信がなさそうだった。
リリーシアが好きなものが分からない理由とは違うけれど、探したいと思っていたのは一緒だ。
お互いひとつ、好きなものが見つかったんじゃないか。リリーシアはそう思って、嬉しい気持ちになったのだ。
ゆっくり繋がって、ゆっくり離れて。ゆるやかな抽送の動きに、リリーシアの身体が少しずつ快感を拾う。
「あっ、ん……」
ヒューゴが身体を起こした。大きな手が、腰を動かせない分を、リリーシアの胸にぶつけるように揉みしだいた。
「ふっ、んんっ、……ヒューゴさまっ」
リリーシアが強すぎる刺激に身を捩っても、ヒューゴは手を離さない。
少しずつ腰の動きに遠慮がなくなってきて、身体の最奥を突かれる鈍い痛みにも快感が混ざり始める。
「あっ、あっ……!」
鈴のようなリリーシアの声に、金の鈴の音が重なった。
「ああっ……!」
彼の熱が身体の中で弾けるのを感じながら、リリーシアは果てた。
お互いの浅い呼吸が混ざり合う。
ヒューゴが長く息を吐く。彼の呼吸はリリーシアと違ってすぐに整ったようだ。
彼のものが身体から抜けると、身体の一部が足りなくなったような喪失感があって、その寂しさを埋めるためにリリーシアはヒューゴの背中を撫でた。
「痛みは大丈夫にゃー?」
「はい」
「本当に? 無理してないにゃん?」
黒い尻尾がゆらゆら揺れている。先ほど触って気持ちよかったから、尻尾を撫でさせてもらいたい。
本物の猫は尻尾など撫でたら怒って引っかくだろうけれど、ヒューゴの爪は短くて、リリーシアを傷つけることはない。
そうでなくても彼は、こんなに優しい。
リリーシアは夫の気遣いに喜び、頬を綻ばせた。
「本当です」
「よかったにゃ。あのさ……じゃあ、もう一回していいにゃん?」
リリーシアは青い瞳を瞬きさせた。返事はもちろんイエスだ。
以前聞いた噂話が頭をよぎって、長い夜になることを想像すると、少し頬が熱くなった。
ヒューゴはできるだけ話さないようにしているが、ときどきリリーシアに声をかけては、自分が「にゃー」ということに苦い顔をする。その顔を見るとリリーシアの身体の緊張はほぐれ、少し笑いすぎるとヒューゴが面白くなさそうな顔をしてリリーシアを見た。リリーシアは、与えられる快感に身を委ねる。
初夜は緊張してしまって、気持ちいいと感じたり、ヒューゴにうっとりしたりすることはできなかった。
今日は彼の厚みのある身体に手を回し、撫で、腕や胸に口付ける余裕がある。
「あっ、あん……ふ……っ」
ヒューゴの指がリリーシアの中を出入りする。愛液がぐちゅ、ぴちゃ、と乱れた音を立てる。
「は、あ、んんっ、気持ちいい……ヒューゴ様ぁ」
ヒューゴはリリーシアを追い詰めながら、口付けした。彼が身を屈めると、チリンと鈴の音がする。
舌が絡み、だらしなく溢れた唾液が混ざる。足の間からも、口元からも、水音がして、ヒューゴと溶け合うような感覚が、リリーシアを夢見心地でぼんやりした気分にさせる。
「んぅ、ん、きもちいい、すき、すきです……」
リリーシアは、唇が少し離れるたびに、好き、好き、と呟いた。ヒューゴの指の動きが速くなり、それとともに、リリーシアの身体も昂っていく。
「あっ、あ、あんっ、んんん!」
リリーシアは、ヒューゴにしがみついて、全身を震わせた。膣壁がヒューゴの指を締め付ける。
余韻が過ぎ去ると、ヒューゴが少し身体を起こした。
抜いた指は濡れてつやつや光っている。ヒューゴが、その濡れた自分の指に舌を這わせた。
リリーシアの愛液を舐め取るような動きをする舌と、鋭い視線を向ける視線の赤に、リリーシアは釘付けになった。
少し怖いと思ってしまうくらいで、背筋がぞくっと震えた。
「リリーシア……いい、にゃ?」
リリーシアは青い瞳をぱちぱちと瞬きさせた。ヒューゴの頭についた耳がぴくっと揺れる。
その様子が可愛くて、リリーシアはふふっと笑いながら頷いた。
「はい」
ヒューゴは複雑そうな顔をしている。
「雰囲気がぶち壊しにゃー」
「そんなことないわ。素敵です」
リリーシアはヒューゴの黒猫耳を撫でた。
ヒューゴが小さなため息をついた。彼の表情が緩む。
唇が優しく重なった。
リリーシアの足に触れていた彼の熱杭が、リリーシアの秘部に当てがわれた。
「んっ……」
ぐっと差し込まれると、引き攣るような痛みがする。リリーシアは眉を顰めた。
「あぅっ、大きい……!」
ヒューゴはぴたりと動きを止めた。リリーシアははっとして口を塞いだ。
初夜はリリーシアが痛いと口にしてしまったせいで、ヒューゴは続きをするのをやめようと言ったのだ。
ヒューゴはリリーシアの髪を撫で、背中を丸めて口付けた。
「リリーシア、やめにゃくていい? ゆっくりするから、俺に慣れてほしいにゃん」
リリーシアはもちろん頷いた。だってずっと、そうして欲しかったのだから、断る理由なんてない。
「なんで嬉しそうにゃんだ?」
「嬉しいからです」
ヒューゴは首を傾げた。
リリーシアもうまく説明はできないのだ。
凱旋パレードのあとの食事会のとき、リリーシアは彼に、好きな女性のタイプや趣味を聞いた。
ヒューゴはうーん、と下を向いて悩んだあと、「分かりません」と答えた。
いつ死ぬか分からなかったので、自分が何を好きなのか考えようと思ったことがないのだという。
――だからこれから、それを一緒に探してくれる人とか、ですかね。
その答えすら、彼は本当に自分がそう思っているのか自信がなさそうだった。
リリーシアが好きなものが分からない理由とは違うけれど、探したいと思っていたのは一緒だ。
お互いひとつ、好きなものが見つかったんじゃないか。リリーシアはそう思って、嬉しい気持ちになったのだ。
ゆっくり繋がって、ゆっくり離れて。ゆるやかな抽送の動きに、リリーシアの身体が少しずつ快感を拾う。
「あっ、ん……」
ヒューゴが身体を起こした。大きな手が、腰を動かせない分を、リリーシアの胸にぶつけるように揉みしだいた。
「ふっ、んんっ、……ヒューゴさまっ」
リリーシアが強すぎる刺激に身を捩っても、ヒューゴは手を離さない。
少しずつ腰の動きに遠慮がなくなってきて、身体の最奥を突かれる鈍い痛みにも快感が混ざり始める。
「あっ、あっ……!」
鈴のようなリリーシアの声に、金の鈴の音が重なった。
「ああっ……!」
彼の熱が身体の中で弾けるのを感じながら、リリーシアは果てた。
お互いの浅い呼吸が混ざり合う。
ヒューゴが長く息を吐く。彼の呼吸はリリーシアと違ってすぐに整ったようだ。
彼のものが身体から抜けると、身体の一部が足りなくなったような喪失感があって、その寂しさを埋めるためにリリーシアはヒューゴの背中を撫でた。
「痛みは大丈夫にゃー?」
「はい」
「本当に? 無理してないにゃん?」
黒い尻尾がゆらゆら揺れている。先ほど触って気持ちよかったから、尻尾を撫でさせてもらいたい。
本物の猫は尻尾など撫でたら怒って引っかくだろうけれど、ヒューゴの爪は短くて、リリーシアを傷つけることはない。
そうでなくても彼は、こんなに優しい。
リリーシアは夫の気遣いに喜び、頬を綻ばせた。
「本当です」
「よかったにゃ。あのさ……じゃあ、もう一回していいにゃん?」
リリーシアは青い瞳を瞬きさせた。返事はもちろんイエスだ。
以前聞いた噂話が頭をよぎって、長い夜になることを想像すると、少し頬が熱くなった。
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