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番外編
◆番外編:ノアとイリスがとあるご夫人を訪問する話 - ③
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帰りの馬車は、計画したより遅い時間に出発となった。
部屋にあった大きなタペストリーのツバメの刺繍を、イリスが刺してみないかと頼まれて、それに集中することになった。
ノアはグリーン侯爵家の本邸で侯爵と話をして、それから墓参りに行くというので別行動をした。
艶のある濃紺のツバメを刺しながら、イリスは昔話を聞いた。最初はタペストリーのそれぞれの模様や技巧の話、そこから派生したご主人との思い出話だ。
あまり話すことが得意ではない、ぶっきらぼうな人だったらしい。
「自分は話が下手だからって、その代わりにノアを呼ぶのよ。かわいそうでしょう? 歳の離れたおばあさんの昔話なんて、若い男の子に聞かせるものじゃないわよ。逃げないでわたしに向き合いなさいよって言ってやったわ。男の人って、気遣いが明後日の方向に向いていない? 臆病者で直接聞きもしないんだから」
愚痴の混じった話にイリスは曖昧に笑うしかなかった。夫の気遣いがいつも明後日の方向であることには強く同意できる。
そこから話はイリスのことになった。ウィントロープのことや、ヴェルディアで過ごした日々の話。今のノアと、過去の彼は変わったようであまり変わっていないようで、グリーン夫人はイリスが少しだけ混ぜた愚痴に対して「想像できるわ」と呆れた顔で笑っていた。
帰り際に、小さな刺繍の図案集を受け取った。
こんなに詳しく刺繍の話ができたのが久しぶりで、とても楽しかったから、そのお礼だと。やっぱりたまには人に会ったほうがいいわね、と笑っていた。
イリスは馬車の中で、可愛らしい本の表紙を撫でた。隣に座っているノアが、興味深げに本を見る。
「その本どうしたの?」
「リジーに頂いたのよ」
「リジーだって」
「熱狂的に珍しい刺繍図案を集める仲間なのよ。今度私の本も見せる約束をしたわ」
「えっ、イリスもコレクションしてるの?」
「コレクションと呼ぶほどではないけれど、いくつか気に入っているものがあるわ。貴方には価値の分からない珍しい本がね」
ノアは複雑そうな顔をした。
「馬鹿にして言ったわけじゃないんだけどな」
「馬鹿にされたとは思ってないわ。私も自分のこの状態が、熱狂していると知れたのはよかったの。人の知識に圧倒されて初めて分かることもあるみたい」
「それならいいんだけど」
「貴方のほうはどうだったの? わだかまりは解消できた?」
ノアはイリスの問いかけに明るく頷いた。
「うん。ホストをするのが面倒なのと、人を呼んだのが楽しかったのと、今一人が楽しいのと……全部本当なんだって。それから私のことは、本当の息子みたいに愛してるって言ってくれた。間違えた。孫だ。私は息子のほうがしっくりくるんだけどな」
彼のブラウンの瞳が、イリスを見て和らいだ。
「侯爵とグリーン夫人は夫婦だけど、お互いが大事な友人みたいだったんだよ。苦手なことを助け合ったり、時々喧嘩をしたり、いつも一緒にいるわけじゃないけど、でも隣にいるのは居心地が良さそうで、いいなって思ってた。私も自分が結婚するなら、そういう関係になりたいと思ってた」
ノアがイリスの手に、自分の手を重ねる。
「今のところ助けてもらってばかりだけど、私も君が困ることがあったら、必ず味方でいるよ」
友人の一人という言葉は、イリスにとってはあまり嬉しい言葉ではない。ただ、彼にとっては最大限の誠意と愛を込めた言葉であろうと受け取って、イリスは頷いた。
「ありがとう。……そうね、夫婦で、友人というわけね」
「あと恋人も入れておこう」
ノアが笑って、イリスの指先にキスした。
イリスは軽く目を見開いて瞬きした。
「恋人というなら、少し甘えさせてもらうわ」
「いいよ。大歓迎」
ノアはイリスを抱きしめた。彼の腕の中でイリスはノアの胸に頭を預ける。
「謝ってほしいわけでもないし、疑っているわけでもないから、聞くだけにして。貴方……前に、私的なやりとりをしたことがある女性は、アンナ様と、もう一人、ご婦人がいると言ったでしょう。それが、グリーン夫人ね?」
「! ……うん、そうだよ」
「私はあのとき、手紙でしかやりとりをしていない方と、ずっとそばにいた従妹を比べるなんてなんて無神経なの、と思ったけれど、逆ね。グリーン夫人が貴方にとって、夫婦観を形作るくらい特別な方で、……アンナ様も貴方にとって、大事な人だったんだわ」
「……聞くだけにしたほうがいいんだよね?」
イリスは頷いた。
しばらくノアの胸に身体を預けてみる。今更過去の話をして、だから自分がどうしたいのかはよく分からない。ただ思ったことを、外に出そうと思っただけだ。
「やっぱり、何か言って」
ノアは少しの間黙っていた。イリスのことを抱きしめる腕に、少し力が籠る。
「私、自分がイリスを傷つける可能性があるってことを全然想像できていなかったね。名誉や立場を傷つけるとか、正しくないことをしたのは分かったけど……一番大事なことを、謝ってなかった。悲しい気持ちにさせてごめんね」
「私が自分で気づかないのだから、貴方が気づかないのも仕方ないかもしれないわ」
イリスは深く息を吐いた。
「貴方はね、自分のしたことがもう少し人に影響するって認識したほうがいいわよ。理解を示したり、優しくされたら、自分のことを特別にしてくれるのかもしれないと誤解するんだから」
「……うん」
ノアは、片方の腕を解いて、イリスの手に自分の手を重ねた。
「私が、今まで大事にしたいと思ってきた人はたくさんいるし、思い出もあるよ。でもこれからイリス以外の人を、特別だと思うことはない。これから一緒に過ごして、一番たくさん私と思い出を作ってくれる?」
イリスはゆっくり顔をあげた。
「その質問はずるいわよ。『はい』以外に返事ができないじゃないの」
ノアは困ったように笑った。
「情けないところを可愛いと思ってくれるなら、ずるいところも好きになってよ」
「自分で言わないの。本当に図々しいわ」
「図々しいところは私の長所の一つなんだよ」
「まぁ!」
ノアはイリスを強く抱きしめた。
「でも本当に……本当にね、イリスを傷つけることになるけどいいのって、あのときの私に言いたい」
「貴方はそれでも追いかけたと思うけれど」
「えっ」
「だって、身体に支障が出るって信じているんだから、走って止めるしかないじゃないの。貴方はそういう人だと思う」
「……」
「でも抱きしめはしなかったかもしれないわね。私の悲しむ顔が過ったら何か変わったかもしれないけど、変わらないかもしれないわ。私は腹が立ったし、今も思い出すともやもやするけど、冷静に考えると、大したことじゃないと言えば大したことじゃないの」
イリスは腕で彼の身体を押した。ノアが口を開いて、閉じた。
「これからは覚えていて。私は貴方が好きだから、貴方があんまり私以外の人に心を配るとヤキモチを妬くし、傷つくわ。私が傷ついたときの顔も、今なら想像がつくでしょう」
「うん」
「それから、過去の話は過去の話よ。思い出してモヤモヤしても変わらないし、なくならないし、考えても仕方ないなら、悪い話にばかりしなくていいと思うの。貴方が誰かを大事にできる人だというのは、素敵なことだと思うもの。自分が結婚すると思っていたとか、本当の孫だとか……よくもまぁ、そんな言葉を引き出せるものだと思うわ。他にも多分、貴方にはいろんな縁があるでしょう。お互いが一番特別な夫婦になるのは素敵だけれど、それは他を捨てるという意味じゃないわ」
ノアの話に出てくる人と、彼との気安い関係は、イリスには信じられないものに見える。両親のヴァンデンブルク公爵夫妻もそうだし、従兄のルークもそう。
王太子のジョシュアでさえ、ひよこの形のお菓子を手にたくさん乗せて喜ぶ人だとはイリスは知らなかった。彼に対してそんなことをしていいとも思っていなかった。
しかしイリスにも、新しい縁はできている。
ウィントロープにいたときのイリスに、夫との思い出の作品を預けて完成させてほしいなどと頼む人はいなかった。イリスの意思を無視して彼女を引っ張りまわす義母も。友人とも随分気安い話をするようになった。
だから、イリスが新しい思い出を一緒に作る相手も、ノアだけではない。
「君の寛容さに生かされてる」
「やっと分かったの? 私はとんでもなく寛容なのよ」
「間違いないね」
あっさり認められるとそれはそれでなんだか納得いかない。
しかし今日は指摘するのはこれくらいにしておこうと決めて、イリスは彼の腕から離れて馬車の座席に背を預け、夫の肩に寄りかかった。
◆番外編:ノアとイリスがとあるご夫人を訪問する話 完
部屋にあった大きなタペストリーのツバメの刺繍を、イリスが刺してみないかと頼まれて、それに集中することになった。
ノアはグリーン侯爵家の本邸で侯爵と話をして、それから墓参りに行くというので別行動をした。
艶のある濃紺のツバメを刺しながら、イリスは昔話を聞いた。最初はタペストリーのそれぞれの模様や技巧の話、そこから派生したご主人との思い出話だ。
あまり話すことが得意ではない、ぶっきらぼうな人だったらしい。
「自分は話が下手だからって、その代わりにノアを呼ぶのよ。かわいそうでしょう? 歳の離れたおばあさんの昔話なんて、若い男の子に聞かせるものじゃないわよ。逃げないでわたしに向き合いなさいよって言ってやったわ。男の人って、気遣いが明後日の方向に向いていない? 臆病者で直接聞きもしないんだから」
愚痴の混じった話にイリスは曖昧に笑うしかなかった。夫の気遣いがいつも明後日の方向であることには強く同意できる。
そこから話はイリスのことになった。ウィントロープのことや、ヴェルディアで過ごした日々の話。今のノアと、過去の彼は変わったようであまり変わっていないようで、グリーン夫人はイリスが少しだけ混ぜた愚痴に対して「想像できるわ」と呆れた顔で笑っていた。
帰り際に、小さな刺繍の図案集を受け取った。
こんなに詳しく刺繍の話ができたのが久しぶりで、とても楽しかったから、そのお礼だと。やっぱりたまには人に会ったほうがいいわね、と笑っていた。
イリスは馬車の中で、可愛らしい本の表紙を撫でた。隣に座っているノアが、興味深げに本を見る。
「その本どうしたの?」
「リジーに頂いたのよ」
「リジーだって」
「熱狂的に珍しい刺繍図案を集める仲間なのよ。今度私の本も見せる約束をしたわ」
「えっ、イリスもコレクションしてるの?」
「コレクションと呼ぶほどではないけれど、いくつか気に入っているものがあるわ。貴方には価値の分からない珍しい本がね」
ノアは複雑そうな顔をした。
「馬鹿にして言ったわけじゃないんだけどな」
「馬鹿にされたとは思ってないわ。私も自分のこの状態が、熱狂していると知れたのはよかったの。人の知識に圧倒されて初めて分かることもあるみたい」
「それならいいんだけど」
「貴方のほうはどうだったの? わだかまりは解消できた?」
ノアはイリスの問いかけに明るく頷いた。
「うん。ホストをするのが面倒なのと、人を呼んだのが楽しかったのと、今一人が楽しいのと……全部本当なんだって。それから私のことは、本当の息子みたいに愛してるって言ってくれた。間違えた。孫だ。私は息子のほうがしっくりくるんだけどな」
彼のブラウンの瞳が、イリスを見て和らいだ。
「侯爵とグリーン夫人は夫婦だけど、お互いが大事な友人みたいだったんだよ。苦手なことを助け合ったり、時々喧嘩をしたり、いつも一緒にいるわけじゃないけど、でも隣にいるのは居心地が良さそうで、いいなって思ってた。私も自分が結婚するなら、そういう関係になりたいと思ってた」
ノアがイリスの手に、自分の手を重ねる。
「今のところ助けてもらってばかりだけど、私も君が困ることがあったら、必ず味方でいるよ」
友人の一人という言葉は、イリスにとってはあまり嬉しい言葉ではない。ただ、彼にとっては最大限の誠意と愛を込めた言葉であろうと受け取って、イリスは頷いた。
「ありがとう。……そうね、夫婦で、友人というわけね」
「あと恋人も入れておこう」
ノアが笑って、イリスの指先にキスした。
イリスは軽く目を見開いて瞬きした。
「恋人というなら、少し甘えさせてもらうわ」
「いいよ。大歓迎」
ノアはイリスを抱きしめた。彼の腕の中でイリスはノアの胸に頭を預ける。
「謝ってほしいわけでもないし、疑っているわけでもないから、聞くだけにして。貴方……前に、私的なやりとりをしたことがある女性は、アンナ様と、もう一人、ご婦人がいると言ったでしょう。それが、グリーン夫人ね?」
「! ……うん、そうだよ」
「私はあのとき、手紙でしかやりとりをしていない方と、ずっとそばにいた従妹を比べるなんてなんて無神経なの、と思ったけれど、逆ね。グリーン夫人が貴方にとって、夫婦観を形作るくらい特別な方で、……アンナ様も貴方にとって、大事な人だったんだわ」
「……聞くだけにしたほうがいいんだよね?」
イリスは頷いた。
しばらくノアの胸に身体を預けてみる。今更過去の話をして、だから自分がどうしたいのかはよく分からない。ただ思ったことを、外に出そうと思っただけだ。
「やっぱり、何か言って」
ノアは少しの間黙っていた。イリスのことを抱きしめる腕に、少し力が籠る。
「私、自分がイリスを傷つける可能性があるってことを全然想像できていなかったね。名誉や立場を傷つけるとか、正しくないことをしたのは分かったけど……一番大事なことを、謝ってなかった。悲しい気持ちにさせてごめんね」
「私が自分で気づかないのだから、貴方が気づかないのも仕方ないかもしれないわ」
イリスは深く息を吐いた。
「貴方はね、自分のしたことがもう少し人に影響するって認識したほうがいいわよ。理解を示したり、優しくされたら、自分のことを特別にしてくれるのかもしれないと誤解するんだから」
「……うん」
ノアは、片方の腕を解いて、イリスの手に自分の手を重ねた。
「私が、今まで大事にしたいと思ってきた人はたくさんいるし、思い出もあるよ。でもこれからイリス以外の人を、特別だと思うことはない。これから一緒に過ごして、一番たくさん私と思い出を作ってくれる?」
イリスはゆっくり顔をあげた。
「その質問はずるいわよ。『はい』以外に返事ができないじゃないの」
ノアは困ったように笑った。
「情けないところを可愛いと思ってくれるなら、ずるいところも好きになってよ」
「自分で言わないの。本当に図々しいわ」
「図々しいところは私の長所の一つなんだよ」
「まぁ!」
ノアはイリスを強く抱きしめた。
「でも本当に……本当にね、イリスを傷つけることになるけどいいのって、あのときの私に言いたい」
「貴方はそれでも追いかけたと思うけれど」
「えっ」
「だって、身体に支障が出るって信じているんだから、走って止めるしかないじゃないの。貴方はそういう人だと思う」
「……」
「でも抱きしめはしなかったかもしれないわね。私の悲しむ顔が過ったら何か変わったかもしれないけど、変わらないかもしれないわ。私は腹が立ったし、今も思い出すともやもやするけど、冷静に考えると、大したことじゃないと言えば大したことじゃないの」
イリスは腕で彼の身体を押した。ノアが口を開いて、閉じた。
「これからは覚えていて。私は貴方が好きだから、貴方があんまり私以外の人に心を配るとヤキモチを妬くし、傷つくわ。私が傷ついたときの顔も、今なら想像がつくでしょう」
「うん」
「それから、過去の話は過去の話よ。思い出してモヤモヤしても変わらないし、なくならないし、考えても仕方ないなら、悪い話にばかりしなくていいと思うの。貴方が誰かを大事にできる人だというのは、素敵なことだと思うもの。自分が結婚すると思っていたとか、本当の孫だとか……よくもまぁ、そんな言葉を引き出せるものだと思うわ。他にも多分、貴方にはいろんな縁があるでしょう。お互いが一番特別な夫婦になるのは素敵だけれど、それは他を捨てるという意味じゃないわ」
ノアの話に出てくる人と、彼との気安い関係は、イリスには信じられないものに見える。両親のヴァンデンブルク公爵夫妻もそうだし、従兄のルークもそう。
王太子のジョシュアでさえ、ひよこの形のお菓子を手にたくさん乗せて喜ぶ人だとはイリスは知らなかった。彼に対してそんなことをしていいとも思っていなかった。
しかしイリスにも、新しい縁はできている。
ウィントロープにいたときのイリスに、夫との思い出の作品を預けて完成させてほしいなどと頼む人はいなかった。イリスの意思を無視して彼女を引っ張りまわす義母も。友人とも随分気安い話をするようになった。
だから、イリスが新しい思い出を一緒に作る相手も、ノアだけではない。
「君の寛容さに生かされてる」
「やっと分かったの? 私はとんでもなく寛容なのよ」
「間違いないね」
あっさり認められるとそれはそれでなんだか納得いかない。
しかし今日は指摘するのはこれくらいにしておこうと決めて、イリスは彼の腕から離れて馬車の座席に背を預け、夫の肩に寄りかかった。
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