全寮制男子高校生活~行方不明になってた族の総長が王道学園に入学してみた~

雨雪

文字の大きさ
上 下
24 / 24
新入生歓迎会

キス

しおりを挟む
「っん!?ん、んぅ~!」

待って、何これどういう状況!?

え、え、ちょ、今俺キスされてるの!?カイに!?
なんで!?

「疾風……ごめん」
「な、なにす……っん」

2回目ぇ!?
本当になんでこんなことになってんだ!?


ハイ。現在俺はキスされているようです。カイに。

って、そんなこと言ってる場合かぁ~!!

い、一刻も早くカイから離れなければ……って、さっき離れないって言ったんだった。

いやもうこの際そんなもん関係ねぇ!!

疾風は力一杯海斗を押して、逃げようとした。
が、それに気付いた海斗が強く抱き締め、疾風を抑え込む。

逃げられなくなった疾風だが、諦めずに海斗を押し続ける。
だが、やはり海斗はビクともしない。

疾風の抵抗は海斗にとっては軽いもので、それをわかっていても疾風が本気で嫌なことは抵抗しないと気が済まない性格だということは、海斗はよく知っている。
それすなわち、自分が全力で拒否されているということ。

軽く落ち込んだ海斗だが、無駄だとわかって抵抗し続ける疾風が可愛くて仕方がなかった。

唇は離しても、疾風は離さない。
海斗は疾風の肩に額を乗せ、きつく抱き締める。

「か、カイ、なにを……」
「……ごめん。あんな顔向けられて我慢できなかった」
「そうじゃなくて……」
「?」

疾風が聞きたいことがわからず、黙る海斗。

疾風は聞くのが恥ずかしいのか、キスのせいなのか、赤い顔をしている。

「な、なんであんなことしたんだ」
「……言ってもいいの?」
「!?や、やっぱりダメ!」
「えー……」

何故か残念そうな海斗。

そのとき、痺れを切らした庵がマイク越しに声を出す。

「おいそこのバカップル!いちゃつくんなら外でやってこい!」
「な、バカップルじゃないし、いちゃついてもいない!!」
「そーだよー!いちゃついてるかどうかはともかく」
「だーかーらー!いちゃついてないってばぁ!」
「「「いや、いちゃついてただろうが」」」(by全校生徒)
「!!!!!」

全校生徒にツッコまれて今自分がどこにいるのか認識した疾風は、今更ながら恥ずかしくなり、顔が真っ赤になった。
そして、真っ赤になった疾風を見て生暖かい視線を向けてくる生徒たち。

いたたまれなくなった疾風は、海斗の拘束から抜け出し、体育館の外に逃げ出した。全速力で。

「あ……行っちゃった」
「どうせ追いかけるんだろう?」
「あったりまえでしょー?ま、あの子の全速力には追いつけないんだけどねぇ。鬼ごっこっていうよりは隠れんぼ、ってとこかな」
「カイさんがんば~」
「……(イラッ)」どかっ
「いった!なにすんですか!?」
「イラッとしたから。あと疾風に抱きついたからお仕置き」
「えー、そんな理不尽な~」

まあ、イラッとしたとか言いつつ、顔は笑っている海斗なのである。……まあ、目は若干笑っていないが。

「じゃ、いってくんねー。お猿の相手してらんない。あの子ホント足速いからどこ行くか……」
「ふっ、ちゃんと捕まえておかないとまた逃げられるぞ?」
「わかってるよー。……そういう狼牙こそかいちょー、捕まえとかないと誰かに取られちゃうよ?」
「ああ、わかっている」
「じゃあね~」

そう言い残して、海斗は疾風を追いかけるために体育館から出て行ったのだった。


その後、疾風がさっき隠れていた木の下で疲れて眠っているところを海斗が見つけ、捕獲されたのは言わずもがな。

捕獲された疾風の行く先は当たり前のごとく海斗の部屋。



**********ここからは本編関係ないです。



え?捕獲されたあと?えーっとねぇ……

「言えるわけねぇだろうが!!絶対言うなよ!マジで!!」

……だそうです。

ま、ぶっちゃけ言うと疾風は海斗に食べられちゃいましたがね☆

「だから言うなってぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ごめん。言えっていうフリなのかと。

「んなわけねぇだろうがぁぁぁぁぁ!!!」

えー、だってよくいうじゃん。押すなは押せっていう……

「それはダ○ョウ倶○部のネタだっつーの……ああ疲れた」

だいじょーぶ?

「あんたのせいだよ……」

えー?だってからかうと面白……

「俺の疾風虐めてるのだぁーれだ♪」(ニーッコリ)

……ナンデモアリマセン。

「そーなの?俺の・・疾風がからかわれて遊ばれてるって聞いてきたんだけどなぁ……?」

ごめんなさい!!私がやりました!!もうしませんからお許しください!!!!!

「次やったら……どうなるかわかってるよね……?」

ハイ!!……最恐彼氏海斗……恐るべし……

「なんか言った?」

なんでもございません!!!

「そ?じゃ、疾風返してもらうから」

どうぞ!!もう好きにしちゃってください!!

「おいっ!!」
「そんなん言われなくても好きにするに決まってんじゃーん」
「え゛」
「ほら行くよー……俺の部屋」
「ま、マジで……?」
「マジマジ。れっつご~」
「………」(ガクブル)

が、頑張れ!(ブルブル)
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

夜美華
2017.07.01 夜美華

はやてがめっちゃ可愛いです!
次の更新待ってます!

解除
砕牙
2017.01.30 砕牙

最近更新ないので悲しいです。

テンポが良く、生々しくならない文章力が魅力的です。

更新待ってます。

雨雪
2017.06.23 雨雪

更新全く無くて申し訳ないです……
返事も遅すぎますよね……
拙い私の作品が魅力的と言ってくださってありがとうございます!

更新待ってると言ってもらえたのはとてもとても嬉しかったです!!

解除

あなたにおすすめの小説

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い

八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。  11/21 登場人物まとめを追加しました。 【第7回BL小説大賞エントリー中】 山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。 この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。 東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。 風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。 しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。 ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。 おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!? そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。 何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから! ※11/12に10話加筆しています。

生徒会会長と会計は王道から逃げたい

玲翔
BL
生徒会長 皇晴舞(すめらぎはるま) 生徒会会計 如月莉琉(きさらぎりる) 王道学園に入学した2人… 晴舞と莉琉は昔からの幼馴染、そして腐男子。 慣れ行きで生徒会に入ってしまったため、王道学園で必要な俺様とチャラ男を演じることにしたのだが… アンチ転校生がやってきて!? 風紀委員長×生徒会長 親衛隊隊長×生徒会会計 投稿ゆったり進めていきます!

灰かぶり君

渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。 お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。 「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」 「……禿げる」 テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに? ※重複投稿作品※

かつらぽーん

うりぼう
BL
かつらがぽーんと吹き飛ぶ。 王道学園物と見せかけた普通の学園もの。 一人の生徒を生徒会の連中その他が気に入り、親衛隊連中が色々と嫌がらせをしている。 そんな騒動の最中の話。 ※王道とみせかけた普通学園 ※親衛隊あり

なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが

なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です 酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります 攻 井之上 勇気 まだまだ若手のサラリーマン 元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい でも翌朝には完全に記憶がない 受 牧野・ハロルド・エリス 天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司 金髪ロング、勇気より背が高い 勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん ユウキにオヨメサンにしてもらいたい 同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます

そういった理由で彼は問題児になりました

まめ
BL
非王道生徒会をリコールされた元生徒会長が、それでも楽しく学校生活を過ごす話。

婚約破棄をしようとしたら、パパになりました

ミクリ21
BL
婚約破棄をしようとしたら、パパになった話です。

それはきっと、気の迷い。

葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ? 主人公→睦実(ムツミ) 王道転入生→珠紀(タマキ) 全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。