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新入生歓迎会
結果発表
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疾風が仲間と再会し、CLOWNメンバー達が喜びに浸っていたときに、結果発表の時間になり、泉の放送が入る。
毎回思うんだけど、副会長が司会とか放送関連のことやってるよなぁ。
副会長の仕事なんだろうか?
「皆さん、お静かに。これから、鬼ごっこの結果発表をします。庵、お願いしますね」
「おう。……てかそこのCLOWN連中!総長が帰って来て嬉しいのはわかったから少し黙っとけ!!」
「ごめんな、イオリ。お前達、ちょっと静かにな」
最後のは疾風。
庵は、疾風が素顔をさらしているのが見え、驚いた顔を見せたが、すぐに切り替え、結果発表に戻る。
「んじゃー結果発表すんぞ。まず、逃げ切った生徒だな。これは2人。1-Sの杉山 神と、1-S、月見 光」
庵がそう言い、2人の生徒は壇上に上がる。
上がった生徒を見て、名前に聞き覚えがあった疾風は納得した。
月見 光は、入学式で見た、新入生代表挨拶をした生徒だ。
もう1人の、杉山 神という生徒は、委員決めの時、風紀委員に名乗りを上げていた2人のうちの1人。つまりCLOWNメンバーだ。
CLOWNメンバーである神はともかく、新入生代表挨拶をするくらいに頭のいい光は意外だ。
しかも光は疾風と同じくらいに小柄だ……まあ、疾風より身長はあるが。
隠れるのがうまいのか、逃げるのがうまいのか、わからないが。文武両道、か。
その言葉がとても当てはまるらしい。
そして、会長は続ける。
「次。一番多く捕まえた生徒だが……同率一位で2人いるんだな。これが」
へぇ~……誰なんだろう?
「えー……2-S、高原 瑠依。それと、同じく2-S、間中 紅。と、まあ、生徒会メンバーな訳だが。どうする?」
「え、別にいいんじゃないの?」
「てかなんで俺らに聞くわけぇ?」
「景品のことだよ。生徒会だからなぁ」
「別に欲しいものなんかないからなしでいいけど」
「そうか?じゃあ……」
「あ、待って。じゃあさぁ……ゴニョゴニョ」
「あ、瑠依、それいいかも。面白そう」
瑠依と紅は2人してニヤリと笑う。
そのとき俺は、2人と目があったような気がした。
その瞬間、ゾワリと嫌な予感と寒気がした。
反射的に逃げようとしたが、未だに俺に抱きついている海斗に阻まれ、逃げられなかった。
暴れて海斗の腕から逃れようとしたが、耳に息を吹きかけられて力が抜けた。
流石、疾風の弱点も熟知している。
疾風は耳が弱い。
その証拠に、耳に息を吹きかけられてゾワっとして力が抜けた疾風は力が入らず、抵抗するのもままならない。
顔が赤いのは海斗にされたからなのだが、やはり自覚していない。
自分の顔が赤くなっていることにも気づいていないだろう。
力は抜けていたが、ない力を振り絞って逃げようとする疾風。
それに痺れを切らしたのか、つい、溜息をついてしまった海斗。
反射的にビクっとしてしまった疾風は、呆れられた?嫌われた?と心配になって海斗の顔を見上げる。
海斗を見上げた疾風の顔は、さっき耳に息を吹きかけられたせいで、紅潮していた。
それに足して、目を潤ませて眉を下げた悲しそうな顔だ。
元が可愛らしい顔なだけ、そんな顔を向けられた海斗は息を飲んだ。
海斗の近くにいたCLOWNメンバーも同じような反応をする。
が、今の疾風には海斗しか見えていなかった。
大事な仲間、それも無意識に惹かれている人から少しでも嫌われただろうかと不安なのだ。
それに、疾風は海斗にとっても好きな相手でもある。
自覚している分、そんな顔を向けられて何もしないでいられるだろうか。
精神の相当強い人なら、気合いでいけただろうが、生憎と、海斗はほとんど本能で動いているようなものだ。
疾風にそんな顔を向けられた海斗の理性は、もれなくパーンと砕け散った。
「……っ、んん!?」
全校生徒の前で、海斗は疾風にキスしたのである。
毎回思うんだけど、副会長が司会とか放送関連のことやってるよなぁ。
副会長の仕事なんだろうか?
「皆さん、お静かに。これから、鬼ごっこの結果発表をします。庵、お願いしますね」
「おう。……てかそこのCLOWN連中!総長が帰って来て嬉しいのはわかったから少し黙っとけ!!」
「ごめんな、イオリ。お前達、ちょっと静かにな」
最後のは疾風。
庵は、疾風が素顔をさらしているのが見え、驚いた顔を見せたが、すぐに切り替え、結果発表に戻る。
「んじゃー結果発表すんぞ。まず、逃げ切った生徒だな。これは2人。1-Sの杉山 神と、1-S、月見 光」
庵がそう言い、2人の生徒は壇上に上がる。
上がった生徒を見て、名前に聞き覚えがあった疾風は納得した。
月見 光は、入学式で見た、新入生代表挨拶をした生徒だ。
もう1人の、杉山 神という生徒は、委員決めの時、風紀委員に名乗りを上げていた2人のうちの1人。つまりCLOWNメンバーだ。
CLOWNメンバーである神はともかく、新入生代表挨拶をするくらいに頭のいい光は意外だ。
しかも光は疾風と同じくらいに小柄だ……まあ、疾風より身長はあるが。
隠れるのがうまいのか、逃げるのがうまいのか、わからないが。文武両道、か。
その言葉がとても当てはまるらしい。
そして、会長は続ける。
「次。一番多く捕まえた生徒だが……同率一位で2人いるんだな。これが」
へぇ~……誰なんだろう?
「えー……2-S、高原 瑠依。それと、同じく2-S、間中 紅。と、まあ、生徒会メンバーな訳だが。どうする?」
「え、別にいいんじゃないの?」
「てかなんで俺らに聞くわけぇ?」
「景品のことだよ。生徒会だからなぁ」
「別に欲しいものなんかないからなしでいいけど」
「そうか?じゃあ……」
「あ、待って。じゃあさぁ……ゴニョゴニョ」
「あ、瑠依、それいいかも。面白そう」
瑠依と紅は2人してニヤリと笑う。
そのとき俺は、2人と目があったような気がした。
その瞬間、ゾワリと嫌な予感と寒気がした。
反射的に逃げようとしたが、未だに俺に抱きついている海斗に阻まれ、逃げられなかった。
暴れて海斗の腕から逃れようとしたが、耳に息を吹きかけられて力が抜けた。
流石、疾風の弱点も熟知している。
疾風は耳が弱い。
その証拠に、耳に息を吹きかけられてゾワっとして力が抜けた疾風は力が入らず、抵抗するのもままならない。
顔が赤いのは海斗にされたからなのだが、やはり自覚していない。
自分の顔が赤くなっていることにも気づいていないだろう。
力は抜けていたが、ない力を振り絞って逃げようとする疾風。
それに痺れを切らしたのか、つい、溜息をついてしまった海斗。
反射的にビクっとしてしまった疾風は、呆れられた?嫌われた?と心配になって海斗の顔を見上げる。
海斗を見上げた疾風の顔は、さっき耳に息を吹きかけられたせいで、紅潮していた。
それに足して、目を潤ませて眉を下げた悲しそうな顔だ。
元が可愛らしい顔なだけ、そんな顔を向けられた海斗は息を飲んだ。
海斗の近くにいたCLOWNメンバーも同じような反応をする。
が、今の疾風には海斗しか見えていなかった。
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自覚している分、そんな顔を向けられて何もしないでいられるだろうか。
精神の相当強い人なら、気合いでいけただろうが、生憎と、海斗はほとんど本能で動いているようなものだ。
疾風にそんな顔を向けられた海斗の理性は、もれなくパーンと砕け散った。
「……っ、んん!?」
全校生徒の前で、海斗は疾風にキスしたのである。
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