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どうも魔法少女(おじさん)です。【3】~魔王降臨!!おじさんの昔のオトコ!?~

【21】神様会議 その1

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「お前がコウジを“創った”神か?」

 フィラースが訊ねる。

「正確にはコウジの身体を創ったんだけどね。彼の魂は彼のものだ。神とても創造したあとのものの運命をいじることは出来ない」

 コウジの世界の神は、神様らしい言葉を口にしたと思った直後に。

「しかし、まあ、こんなに早く八咫烏やたがらすまで進化しちゃうと思わなかったけどねぇ」

 「だから俺はポケモンじゃねぇって!」とツッコミながらコウジは背中の翼を消した。こんな恥ずかしいもの、早くしまうに限る。

「さて、どれぐらいぶりだったか。あれは一千年前か、一万年、いやいや一億? それとも三十六億年前だったかね。創造神会議の内容を伝えるよ。
 魔王よ。おめでとう」

 いきなりの祝福の言葉にいぶかしげな表情となったフィラースに神は続ける。

「堕ち神となった君だけどね。会議の総意として、君の再びの“神”としての復権が承認された。
 君が他の神々より奪いとった魔界の領土の返還請求はなし、魔界はそのまま魔王たる“神”の世界として認められた訳だ。
 もう次元の海を漂うことはない。魔界はそのまま座標が固定された、君の世界となる」

 もう一度の「おめでとう」という神の言葉にしかし、フィラースが「計ったな……」と吐き捨てるよに言う。

「要らぬ神と元の次元から切り離し堕ち神としておいて、いまさらムシの良いことを……と言いたいところだが。
 それよりも目的は魔王を“神”として縛ることで、勇者と魔王の因果律を止め、魔界のこれ以上の拡大を阻止するつもりか?」

 そう、魔王が再び神として復権すれば、神としての立場に縛られることになる。それは神々同士の直接の戦いの禁止と、魔界もまた創世世界の一つとして座標が固定されて、他の世界と繋がり、そこを侵略するということも出来なくなる。

「それを魔王たる私が受け入れるとでも?」
「君が受け入れる受け入れないの意思は関係ないよ。これは幾多の創世世界の神々の総意だ。ほら、すでに君は“神”としてのことわりに繋がり始めている」

 たしかにコウジの目にはフィラースに対して、いくつもの見えない線というか鎖というか、それが彼の身体に巻き付いていくのが見えた。また魔王たる彼自身もなにか変わった。
 そう、堕ち神から神へとだ。神であってもその深い闇の力は変わらないが。
 自身を取り巻く変化にフィラース自身も気がついたのだろう。彼は「まったく、よく考えた」と声をあげて笑う

「再び魔王を神にして縛るか? 私がそれに抗うとは思わないのか? 目の前のお前に戦いを挑んでも良いのだぞ?」

 ゆらりと闘志をむき出しに、宙に浮かぶ神を見上げたフィラースに「それは困るなぁ」と神は間延びした声を出す。

「君と私がここでぶつかったら、妹の創った世界が木っ端微塵だよ」

 相変わらずののんびりとした声だが、その机に座る背後の空間がゆらりと揺らいだ。コウジの目には鳥居が見えその向こうの闇から、なんかヤバいモノの目やら、幾つもの手がにゅるりと飛び出したのにぎくりとする。
 フィラースもまた一見穏やかな神が放った圧に、額に汗を浮かべた。女神アルタナが「兄様、わたしの世界を壊してもらっては困ります!」と本当に焦った声をあげた。「しないよ、しないよ」と神は言い。

「だってねぇ、魔王君。決着はもうついているじゃないか? 
 君、そこの勇者君に負けたんだからさ」

 その言葉にフィラースは虚を突かれたような顔になった。





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