どうも魔法少女(おじさん)です。 異世界で運命の王子に溺愛されてます

志麻友紀

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どうも魔法少女(おじさん)です。【2】~聖女襲来!?~おじさんと王子様が結婚するって本当ですか!?

【23】神様ルール※ その1

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 気がつくとうつ伏せ、温かな胸の上で寝ていた。
 王子様の胸枕か。いつもの体勢だ。
 コウジは半分寝ぼけたまま、手を伸ばす。脇のテーブルに煙草が置いてあるはずだがない。スカッと空を切る。

 「あれ?」と思う。そういえばこのベッドはやけに狭いと思ったら。寝椅子に横たわったジークの上に寝ていた。
 明かりが落とされた室内だが、コウジは夜目が利く。ここは執務室の横の仮眠室か。
 そういえば執務机の上で……何回ヤったんだ? と考えていたら、寂しい口に煙草をくわえさせられた。

「悪い。起こしたか?」
「いいや、あなたが目を覚ましたのと、同時ぐらいだ」

 おじさんのくわえ煙草に王子様がその指先から小さな炎を出して火をつけてくれる。
 時間はまだ夜明け前か? と棚の上に置かれた置き時計を見る。
 これもいつものことだ。夜、ぽっかり目を覚ましたコウジの煙草に、ジークが火をつけて、とりとめもないことを話して、そのまま寝ることもあれば、また、ヤッたりって……元気だな。主に王子様が。

 煙草を指で摘まめば、自分の着ているシャツの袖が妙に長いことに気づく。ぶかぶかだな、おい。ジークのシャツか? 着せてくれたのはいいが。

「彼シャツ……」

 「?」という顔をするジークに「彼氏のシャツって意味だよ」と答える。おじさんに彼氏のシャツ……うわ~寒いぞと我ながら思う。

 見ればジークは上半身裸で、下は軍服のスラックスをはいていた。引っ付いて寝ていたし、二人で毛布一枚、くるまっていたから寒くはなかっただろう。
 そして、ジークの上。またがるコウジの尻にあたるものがグンと固くなった。コウジはシャツを一枚まとったきりで、下は……おじさんの細いナマ足……うん、考えないようにしよう。

 それより……と手を伸ばして王子様の股間をさわさわしながら。

「なに? おじさんの彼シャツ姿に元気になっちゃったの?」
「なった」
「……もうすぐ夜明けなんだけど、シたい?」
「シたい」

 素直でよろしいと、スラックスの前を開けば勢いよく飛び出てくる。寝る前に散々ヤったのに、ホント元気だなあと、手で扱いてやればますます固くなった。
 それに持ち上げた腰を落とそうとしたら、伸びた手に止められた。

「いきなりはあなたがつらい」

 ジークは自分がどんなに切羽詰まっていても、コウジの身体を気遣うことを忘れない。思えばあのとんでもない初日も、ケンカしたときだってそうだったな……とくすりと笑う。

「さっきお前の出したので濡れてるから大丈夫だ」

 身体は綺麗にぬぐわれているが、その奥が濡れている感覚がある。仮眠室にはシャワブースもついているから、あとで綺麗にするつもりだったのだろう。
 言って、再度、腰を落とそうとしたら、入り口をざらりと指で撫でられて、ジークの指が入ってきた。

 「は……」と思わず声が漏れる。いや、これ入り口じゃなくて出口だよな? ととりとめも無いことを考えていたら、なかの指が確認するようにぐるりとかき回される。「ふぁ……」と声があがり、のけぞる。

「よろしい」
「バカ…やろ……」

 長い指が抜き取られて、悪態をつきながら剛直を今度こそ自分のうちへと招きいれる。膝で支えようとしたが、先ほどの熱がまだ残っていたのか、性器の裏の弱い場所をジークの張ったモノがかすめるとダメだった。

「あ、あ、あ……」

 くしゃりと崩れ落ちて、自重で深くまで受け入れる。ぐったりと上半身も広い胸に再びあずけて、張りのある若い肌。筋肉におおわれた肩に噛みつけば、お返しとばかりグンと突き上げられた。くぐもった声が、コウジの口から漏れる。
 あとはギシギシときしむ寝椅子の立てる音。壊れねぇか? これ? とひらりと思ったが、それも力強い王子様の腰の動きが刻む快楽に呑み込まれた。





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