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クロクマ少年~あいとゆうきの物語~中身は美少年!?

第12話 イケナイ朝帰り その2

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 その小さなお口では、長くて太いそれを全部なんて無理だったけど、とりあえず先をぺろぺろ舐めてみる。やっぱりよくわかんないけど、なんかすごいことしてる気はする。それに身体もなんだか熱くなってきた。

 しかし、それもすぐに伸びたグラムファフナーの両手に、頬を包みこむようにされて「お前はそんなことしなくていいんだ」と持ち上げられた。テティはぷぅとふくれた。

「グラムも舐めたんだから、僕も舐めていいでしょ?」
「……舐めていい。舐めていいしそれも教えるが、今はもっとしたいことがある」
「したいこと……? あ……」

 再び寝台にぽふりと押し倒されて、その足のあいだにグラムファフナーの長身がはいる。そして、小さな尻を大きな両手でつかんで開かれて、最奥の蕾に指が触れる。

「……また、指入れるの?」
「今度は指だけじゃないけどな」
「なに? んっ!」

 ぬるりと指が入りこんでくる。ぬくぬくと抜き差しされて背筋がぞくぞくした。
 指を二本に増やすときにグラムが空中から綺麗なガラスの小瓶を取り出した。甘い花の香りがするそれをとろりと手の平に出し体温で馴染ませるようにしてから、指が差し入れられる。

「痛くないか?」
「ないけど……へん? やあっ!」
「ここか?」
「やだ、そこダメ、あ、あ、あっ!」

 奥の一点を二本の指の先がかすめるたびに、身体がびくびくはねてしまう。ほんとうにわけがわからなくなって、ぎゅっとグラムファフナーの両肩にしがみつくようにして爪を立てた。

「腰がゆれてる。これは気持ちいいんだ」
「きもち…いい……イイの? あ…うん、イイ、イイよ……」
「覚えが良い子だな」
 ひたいに優しく口づけられる。いつのまに指が三本に増えていたのも気づかなかった。
「え?」

 でも指が抜き取られて、その喪失感に声をあげてしまう。すぐにぴたりとすごく熱くて指よりすごいものがはいってきて、そんなの霧散してしまったけど。

「あ、あつ…い…すご…い……おっき…い……よ……」
「っ……あまり男をあおるな……」
「え? しら…な…い……ふあぁんっ!」

 ずるりずるりと動かされて抜き差しされる。お腹の中がかき回されるみたいで怖いのに、でも、ぞくぞくして気持ちいい。
 それにこれはグラムファフナーだ……とテティは途中で気づく。グラムが自分の中に入ってる。一つになってると、思ったら胸に熱いものがせり上がってきて、ほろほろ涙があふれてきた。

「テティ、テティ、痛いのか?」
「違う…の。いっぱい…で……あつく…て……もう、わけわか……な」

 「でも、はなさ…ない……で……」とお願いしたら、ぎゅっと抱きしめてくれた。それと同時にゆらゆらと波のようだったゆったりとした動きが激しくなって、背中に両手だけじゃなくて、腰に両足を回してしがみついて、一緒に揺れて、そして指がふれていたところよりも、もっと奥を突かれてこすられて、熱いのか気持ちいいのか、ほんとうにもう訳がわからなくなる。

「あ、あ、アッ! あっ……どっか……イッちゃ……う……つかま……え……」
「テティ、離さないから安心して、イケ……」
「ひゃあ……んっっつあああァアッ!」

 身体が弓なりになってガクガク震えると同時に、なかのグラムファフナーをきゅうっと締め付ける。美しい眉間にしわを寄せて、白い若木のような身体を抱きしめる男もまた、最奥に己の欲望を解き放つ。

 はぁはぁと息を整えているとグラムファフナーが顔中に雨みたいにキスしてきて、テティもまたその頬にお返しにふれる。
 そうして、ひとしきりじゃれ合ったあとに、テティは「あれ?」と声をあげる。

「……グラム、まだテティのなかにいる?」
「ああ」
「それも、元気みたい……」

 テティのは二度、白い蜜を出して、二人のお腹のあいだでちょっとくったりしている。でも、グラムファフナーのはずっと熱いままだ。

「ああ、だからな。もう一度、つきあってくれ」
「え? え? これって……二度する……もの…なのっ! やぁんっ!」

 二度どころか、三度されて、気持ち良かったけど、くたびれ果ててテティは眠ったんだか、気を失ったんだか覚えていない。



   ◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇



 翌日、当然テティは寝坊した。グラムファフナーもそんなテティを腕に抱いたまま、同じく寝坊を決め込んでいた。

 先日のことがあって、朝、起こしにきたメイドはベッドのカーテンをいきなり開くことなく「お目覚めですか?」とおそるおそる声をかけてきた。その声にテティは目覚めたが、テティを腕に抱いた宰相殿は、まったく慌てることなく「目は覚めているが、カーテンは開かないでくれ。ああ、ミルクたっぷりに蜂蜜をたらした茶を一つくれ」と注文した。

 彼の好みではまったくない注文に、すべてを察したメイドは「かしこまりました」と下がり、程なくしてカーテンの隙間から、湯気の立つカップが差し出された。

「飲めるか?」
「ん」

 グラムファフナーに支えてもらって、半分身を起こしてふうふう、テティはお茶を飲むと、その甘さにだんだんと目が覚めてきた。

「……お風呂はいりたい」
「そうだな」

 初め腰が立たなくて「あれ?」と思っていたら、グラムファフナーが抱きあげてお風呂につれて行ってくれた。それから一緒にはいったお風呂で、治癒の呪文を唱えてくれて、腰のだるさはなくなった。

 それから、クロクマの毛皮をかぶって、急いで自分の部屋に戻ったら「テティ様!」とメイドのイルゼが真っ青になっていた。

「どこにいらっしゃっていたんですか?」
「早く目が覚めちゃったから、お散歩してきた」

 と、このあいだもグラムファフナーの腕の中で寝坊したときも、言い訳したのだが。

「うそですね」
「え?」

 とたん目を据わらせたイルゼに、テティはその緑葉の瞳をぱちくりさせる。

「このあいだは黙っておりましたが、テティ様のベッドは昨夜ベッドメイクしたまま、まったくお休みになった気配がございません。
 これは、朝帰りに間違いありませんね」

 「どちらにいらっしゃっていたのです? テティ様がそんなにイケナイ子なんて」と潤む瞳のイルゼにテティは「な、ないしょ」と答えるしかなかった。

 たしかにイケナイことした朝帰りだった。





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