12 / 27
第12話 双頭のバーゲストとの戦い
しおりを挟む
「なんで、三角ビキニなんだよ!」
滅紫の光から飛び出してきた人影は、ボクの想像と全く違っている。双頭のバーゲストの牙に耐えた鎧でも、滅びの魔法を防ぎきることが出来なかった。
辛うじて破滅の光の中から抜け出すことは出来たが、チリチリと火花を散らし、滅びの魔法からは逃れれない。ただ、こちらへと向かってくる足取りはしっかりとしているが、一歩進む毎に鎧は崩れ落ちる。そこに爆風が重なれば、纏っていた鎧は一瞬で消え去る。
鎧姿とは全くかけ離れた、最小限を隠すだけの姿に、ボクは混乱するしかない。
「見っけぇーーーっ」
さらに、ビキニ姿の女が大声で叫ぶ。それが、ボクの混乱に拍車をかける。爆風に吹き飛ばされているのでなく、爆風をも利用し、ボクを目掛けて加速度的な勢いで迫ってくる。緊迫感のある声だが、助けを求めている感じはない。
それに、爆風の中を進んでくるビキニ姿の女の対処法なんて教科書にも載ってないし、こんな経験は誰もしたことがないはず。迫りくるビキニが、ボクにとって敵か味方なのかさえ分からないのに。
答えなんて出せるわけがない。それなのに、ボクの両手は勝手に開き、ビキニを受け止める準備をしてしまう。いや、これはボクの意思じゃなく、胸騒ぎの仕業だ。
「えっ、消えた?」
ハッキリと捉えていたビキニ姿がボクの視界から消えると、その代わりに衝撃が襲いかかってくる。多分、体当たりされたのだ思う。でも、衝撃はそれほど大きくなく、フワリと宙を舞った感覚さえある。
そして、何よりも柔らかな感触が伝わってくる。その感触がボクの思考の全てを占領し、気付けばボクは空を見上げていた。
周囲の木々は、破滅の魔法によって塵となって消滅している。消えたのは、それだけでなく周りを取り囲んでいた下位種のバーゲストも一緒で、胸騒ぎは危険を教えてくれない。
いや、ギュッと抱き締められる柔らかな感触。胸の高鳴りが、ボクの胸騒ぎを凌駕しているのかもしれない。ボクも抱き締め返すと、少し心が落ち着く気がした。
「いつまで、イチャついておる。ラドルが“アージ”に報告するぞ。どうせなら、後で妾も混ざってやろう」
ラドルが明滅し、ディードの言葉を肯定すると、ボクの混乱し止まっていた思考が、急激に動き出す。アージさんの顔を思い出すだけで、ボクの煩悩が恐怖によって粉々に打ち砕かれ、理性を取り戻させる。
まず、ボクの腕にはモフモフの感触。横にある頭を見れば、ピンと立ったケモ耳がある。
「獣人族」
「ゴセキの狐人族よ。それよりも優先することがあろうが、相変わらずのど阿呆種族が」
ディードは狐人族のことを知っている。しかし今は戦いの最中で、優先すべきは双頭のハーベスト。粉々打ち砕かれても、尚残った未練をボクは振り払い、なくなく抱しめていた腕を離す。しかし、ボクが強く抱き締められているのだから、事態は何も変わらない。
両手をつき体を起こせば、舞い散る塵の中から双頭のバーゲストがゆっくりと歩いてくる姿が見える。
一気に距離は詰めてこずに、大きく肩で息をしている。異形の魔物であっても、流石に破滅の魔法の負荷は大きく、魔力や体力が激しく消耗している。
「離れろ、今ならバーゲストから逃げれるかもしれない」
「ご主人様。離さない」
「ちょっも待て、何言ってる。ご主人様ってのも何なんだよ」
「後で妾も混ざってやる。そこで大人しく、待っておれ」
バーゲストの口が再び開き、滅紫の光が漏れ始めている。先の魔法よりは、開かれた口も小さく光も弱い。しかし、それは規模だけの問題で、ボクが少しでも触れれば消滅してしまうのは同じ。
狐人を離そうと両肩を掴めば、素肌に触れてしまい、それがボクに余計に獣人族の体を意識させてしまう。
ボクの理性よ、仕事をしろ!
思いきって体を回転させると、狐人を地面に押し付けて体を起こす。ボクは狐人の女の子に馬乗りの体勢となり、女の子は目を閉じる。いや、意識を失っている。
再度、心の中で叫ぶ。ボクの胸騒ぎ、状況を教えろ!
しかし、ボクの胸騒ぎは収まってゆく。バーゲストの口からは、破滅の魔法が放たれようとしていたはず。しかし、右のバーゲストの口は閉ざされ、滅紫の光は消えている。
「黒龍の鞭、ディードか!」
良く見れば、バーゲストの頭は地面から付き出した鞭によって、顎から脳天を貫かれている。
「まだよ、ここからが妾の腕の見せ所」
バーゲストの脳天を貫いた鞭は、まだまだ長く伸びると今度は向きを変える。そして狙うのは、まだ魔法を口に蓄えている左の頭。逃げようと思っても、右の頭を鞭で貫かれているのだから、自由に動くことは出来ない。少し首をくねらせる程度の抵抗しか出来ず、黒龍の鞭が左の頭を脳天から顎へとかけて貫く。
「どうだ、妾の力は。裁縫も得意での、良き伴侶となるぞ」
「それは……違うだろ」
御伽噺の世界だと思っていた異形種が、ディードの鞭で双頭を貫かれ、地面へと縫い付けられている。炎の精霊魔法を使わずとも、イスイの町でギルドマスターを務めるだけの力がディードにはある。
「さあ、ルクール。止めを刺せ!」
「えっ、何で?もう倒したんじゃ?」
「造り物の異形種。力は弱いが、生命力は強いのが厄介でな」
バーゲストを見れば、脳天を貫かれたにも関わらず、魔物特有の紅い瞳は輝き、こちらを睨み付けている。
「何でボクが止めを?」
「妾は動きを止めている。これ以上は出来ん。魔石を破壊するだけの簡単な仕事よ」
「でも、止めなんてどうやって?それに、どこにあるんだよ魔石なんて」
「そんなもん、知るわけがなかろう。でも、ルクールなら出来る。大丈夫、妾の女の勘を信用しろ」
そんな事を言われても……。それに、ボクには短剣と短刀しかなく、上位種でさえやっとなのに。
「ほれ、大人しくしろ」
双頭のバーゲストは、地面に縫い付けられているにも関わらず、体がジタバタと暴れだす。脳天から血が吹き出ようがお構い無しで、それを押さえつける為に黒龍の鞭に魔力を流せば、ディードの顔はさらに恍惚とした表情になり吐息が漏れる。
決して口には出さないが、ディードも余裕ではない。無駄にしてもいい時間はなく、ここに居るのはボクだけ。
幾ら時間をかけても、答えは変わらない。ボクにあるのは、この短剣と胸騒ぎだけだ。覚悟を決めて、短剣の柄に手をかける。
滅紫の光から飛び出してきた人影は、ボクの想像と全く違っている。双頭のバーゲストの牙に耐えた鎧でも、滅びの魔法を防ぎきることが出来なかった。
辛うじて破滅の光の中から抜け出すことは出来たが、チリチリと火花を散らし、滅びの魔法からは逃れれない。ただ、こちらへと向かってくる足取りはしっかりとしているが、一歩進む毎に鎧は崩れ落ちる。そこに爆風が重なれば、纏っていた鎧は一瞬で消え去る。
鎧姿とは全くかけ離れた、最小限を隠すだけの姿に、ボクは混乱するしかない。
「見っけぇーーーっ」
さらに、ビキニ姿の女が大声で叫ぶ。それが、ボクの混乱に拍車をかける。爆風に吹き飛ばされているのでなく、爆風をも利用し、ボクを目掛けて加速度的な勢いで迫ってくる。緊迫感のある声だが、助けを求めている感じはない。
それに、爆風の中を進んでくるビキニ姿の女の対処法なんて教科書にも載ってないし、こんな経験は誰もしたことがないはず。迫りくるビキニが、ボクにとって敵か味方なのかさえ分からないのに。
答えなんて出せるわけがない。それなのに、ボクの両手は勝手に開き、ビキニを受け止める準備をしてしまう。いや、これはボクの意思じゃなく、胸騒ぎの仕業だ。
「えっ、消えた?」
ハッキリと捉えていたビキニ姿がボクの視界から消えると、その代わりに衝撃が襲いかかってくる。多分、体当たりされたのだ思う。でも、衝撃はそれほど大きくなく、フワリと宙を舞った感覚さえある。
そして、何よりも柔らかな感触が伝わってくる。その感触がボクの思考の全てを占領し、気付けばボクは空を見上げていた。
周囲の木々は、破滅の魔法によって塵となって消滅している。消えたのは、それだけでなく周りを取り囲んでいた下位種のバーゲストも一緒で、胸騒ぎは危険を教えてくれない。
いや、ギュッと抱き締められる柔らかな感触。胸の高鳴りが、ボクの胸騒ぎを凌駕しているのかもしれない。ボクも抱き締め返すと、少し心が落ち着く気がした。
「いつまで、イチャついておる。ラドルが“アージ”に報告するぞ。どうせなら、後で妾も混ざってやろう」
ラドルが明滅し、ディードの言葉を肯定すると、ボクの混乱し止まっていた思考が、急激に動き出す。アージさんの顔を思い出すだけで、ボクの煩悩が恐怖によって粉々に打ち砕かれ、理性を取り戻させる。
まず、ボクの腕にはモフモフの感触。横にある頭を見れば、ピンと立ったケモ耳がある。
「獣人族」
「ゴセキの狐人族よ。それよりも優先することがあろうが、相変わらずのど阿呆種族が」
ディードは狐人族のことを知っている。しかし今は戦いの最中で、優先すべきは双頭のハーベスト。粉々打ち砕かれても、尚残った未練をボクは振り払い、なくなく抱しめていた腕を離す。しかし、ボクが強く抱き締められているのだから、事態は何も変わらない。
両手をつき体を起こせば、舞い散る塵の中から双頭のバーゲストがゆっくりと歩いてくる姿が見える。
一気に距離は詰めてこずに、大きく肩で息をしている。異形の魔物であっても、流石に破滅の魔法の負荷は大きく、魔力や体力が激しく消耗している。
「離れろ、今ならバーゲストから逃げれるかもしれない」
「ご主人様。離さない」
「ちょっも待て、何言ってる。ご主人様ってのも何なんだよ」
「後で妾も混ざってやる。そこで大人しく、待っておれ」
バーゲストの口が再び開き、滅紫の光が漏れ始めている。先の魔法よりは、開かれた口も小さく光も弱い。しかし、それは規模だけの問題で、ボクが少しでも触れれば消滅してしまうのは同じ。
狐人を離そうと両肩を掴めば、素肌に触れてしまい、それがボクに余計に獣人族の体を意識させてしまう。
ボクの理性よ、仕事をしろ!
思いきって体を回転させると、狐人を地面に押し付けて体を起こす。ボクは狐人の女の子に馬乗りの体勢となり、女の子は目を閉じる。いや、意識を失っている。
再度、心の中で叫ぶ。ボクの胸騒ぎ、状況を教えろ!
しかし、ボクの胸騒ぎは収まってゆく。バーゲストの口からは、破滅の魔法が放たれようとしていたはず。しかし、右のバーゲストの口は閉ざされ、滅紫の光は消えている。
「黒龍の鞭、ディードか!」
良く見れば、バーゲストの頭は地面から付き出した鞭によって、顎から脳天を貫かれている。
「まだよ、ここからが妾の腕の見せ所」
バーゲストの脳天を貫いた鞭は、まだまだ長く伸びると今度は向きを変える。そして狙うのは、まだ魔法を口に蓄えている左の頭。逃げようと思っても、右の頭を鞭で貫かれているのだから、自由に動くことは出来ない。少し首をくねらせる程度の抵抗しか出来ず、黒龍の鞭が左の頭を脳天から顎へとかけて貫く。
「どうだ、妾の力は。裁縫も得意での、良き伴侶となるぞ」
「それは……違うだろ」
御伽噺の世界だと思っていた異形種が、ディードの鞭で双頭を貫かれ、地面へと縫い付けられている。炎の精霊魔法を使わずとも、イスイの町でギルドマスターを務めるだけの力がディードにはある。
「さあ、ルクール。止めを刺せ!」
「えっ、何で?もう倒したんじゃ?」
「造り物の異形種。力は弱いが、生命力は強いのが厄介でな」
バーゲストを見れば、脳天を貫かれたにも関わらず、魔物特有の紅い瞳は輝き、こちらを睨み付けている。
「何でボクが止めを?」
「妾は動きを止めている。これ以上は出来ん。魔石を破壊するだけの簡単な仕事よ」
「でも、止めなんてどうやって?それに、どこにあるんだよ魔石なんて」
「そんなもん、知るわけがなかろう。でも、ルクールなら出来る。大丈夫、妾の女の勘を信用しろ」
そんな事を言われても……。それに、ボクには短剣と短刀しかなく、上位種でさえやっとなのに。
「ほれ、大人しくしろ」
双頭のバーゲストは、地面に縫い付けられているにも関わらず、体がジタバタと暴れだす。脳天から血が吹き出ようがお構い無しで、それを押さえつける為に黒龍の鞭に魔力を流せば、ディードの顔はさらに恍惚とした表情になり吐息が漏れる。
決して口には出さないが、ディードも余裕ではない。無駄にしてもいい時間はなく、ここに居るのはボクだけ。
幾ら時間をかけても、答えは変わらない。ボクにあるのは、この短剣と胸騒ぎだけだ。覚悟を決めて、短剣の柄に手をかける。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる