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オヤの街のハーフリングとオーク
252.上位スキルの分担
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「スキルの暴走をさせない為の方法はあるのか?」
「そうですね、まずは上位スキルを役割分担をしてはいかかがでしょうか?」
スキルの暴走は、上位スキルに魔力が流れ込み続けることで起こる。そして、俺には消費しきれない魔力がある為に、今回のように一度制御を失えば簡単にスキルは暴走してしまう。
「今ですと視覚スキルはナレッジ様、味覚スキルはイッショ様が制御しています。常に誰かが上位スキルを発動していれば、スキルの暴走に早く気付く事が出来ます」
「コア、俺様は常にサボっておるぞ。頼まれなければ、スキルの発動なぞせん」
「そうですか。イッショ様が何もしていないようには見えなかったのですが、もしそうだとすればイッショ様の才能ですね。流石は精神を司る精霊様でいらっしゃいます」
「そうだな、俺様の隠しようもない才能のせいかもしれんな。それを忘れないようにな♪」
あっさりと手のひらで転がされるイッショ。これがエルフ族と精霊の相性なのだろうかと思わせるが、これからはイッショとの面倒臭いやり取りはなくなりそうな気がする。
「後は嗅覚スキルと聴覚スキルか。どれも嫌なスキルだよな」
臭いを嗅いだり感情の声を聞くのは、かなりのストレスがかかる。常に発動となると、誰に任せるかとなると難しい。
「嗅覚スキルは任セテ。一番に臭いに耐性があるのは私ヨ」
ブロッサが真っ先に名乗りでる。確かに、毒でも薬でも臭いを嗅いでいるのは良く見かける。かなりの強烈な臭いであっても確かめれる嗅覚を持ち、影やブレスレットの外に出ることのない精霊では出来ない。
「そうだな、ブロッサが適任だな。嗅覚スキルはブロッサに任せるよ」
そして残るのは、聴覚スキル。聞きたくない心の声が、常時聞こえてしまう。俺としては一番厄介なスキルで、俺の精神を破壊しようとしたスキル。それに、このスキルを司る存在もオークのように攻撃的な性格をしていると思う。
「俺達の中で、一番精神が強いのは?」
みんなの視線が、ハンソを向く。確かに、誰から何を言われても、ハンソは耐えれるだろう。オオザの崖の上で、何百年もの間大岩を持ち続けた苦行にも耐えている。
『ハンソはダメよ。肝心な時に、何を言っているか分からないわ。それに、スキル暴走した事も理解出来ないし、伝える事もできないわ』
「それなら私がやる。カショウの一番精霊はクオン!」
『クオンもダメよ』
ムーアにすぐに否定されたことで、クオンは不機嫌な表情になる。しかしムーアの意見は間違っていない。聞こえてくる心の感情の声には、大人の事情がより強くなる。その声を聞かせるとすれば、クオンやベル、マトリでは難しいだろう。
『もし、クオンまでスキルの暴走に巻き込まれたら、誰がカショウを元に引き戻すの?私の声は、カショウには届かなかったのよ』
『ウン、分かった。クオンはカショウを守る役割♪』
そこでクオンの機嫌は直るが、ムーアの悔しいという感情の声は大きくなる。真偽が分かってしまうムーアの力。それが嫌で表に出なくなったのだと思うが、今はそれ以上に悔しさを感じ力を強化しようとしている。契約だけでは超えることの出来ない、俺とクオンの信頼関係の強さから感じ取ったもの大きいようだ。
「聴覚スキルは、俺と一番やり取りがあるムーアが適任なのかもしれないな。それに契約の精霊に嘘は通用しないんだろ」
『ええ、私に嘘は通用しないわ。任せておいて』
「それなら、先を進もうか。靄は待ってくれないからな」
「ご主人様、待ってください。もう1つだけ試したい方法があります。きっと悪くないとは思うのですが···」
今までの落ち着いた態度のコアとは違って、自身なさげな言葉遣いで、顔は紅潮し恥じらいを感じさせる。
「どんな方法なんだ?」
「私と夫婦の契りを!」
「えっ···」
「私じゃ、ダメでしょうか?」
今にも泣き出しそうな顔で、俺のことを見つめてくる。突然の告白に、否定した言葉を出さなかっただけでも、成長したと言って欲しい。
『クッ、クッ、クッ、クッ、面白いわね。それならば効果はあるわよ。だけど覚悟がいるわよ』
「はい、ムーア様。私は覚悟は出来ています」
『じゃあ、後はカショウを次第ね♪』
「ちょっと待て。どういう事か説明しろよ」
『コアに感謝しなさい。あなたと全てを分かち合うと言ってくれているのよ♪』
「だから、それは何なんだよ?」
「そうですね、まずは上位スキルを役割分担をしてはいかかがでしょうか?」
スキルの暴走は、上位スキルに魔力が流れ込み続けることで起こる。そして、俺には消費しきれない魔力がある為に、今回のように一度制御を失えば簡単にスキルは暴走してしまう。
「今ですと視覚スキルはナレッジ様、味覚スキルはイッショ様が制御しています。常に誰かが上位スキルを発動していれば、スキルの暴走に早く気付く事が出来ます」
「コア、俺様は常にサボっておるぞ。頼まれなければ、スキルの発動なぞせん」
「そうですか。イッショ様が何もしていないようには見えなかったのですが、もしそうだとすればイッショ様の才能ですね。流石は精神を司る精霊様でいらっしゃいます」
「そうだな、俺様の隠しようもない才能のせいかもしれんな。それを忘れないようにな♪」
あっさりと手のひらで転がされるイッショ。これがエルフ族と精霊の相性なのだろうかと思わせるが、これからはイッショとの面倒臭いやり取りはなくなりそうな気がする。
「後は嗅覚スキルと聴覚スキルか。どれも嫌なスキルだよな」
臭いを嗅いだり感情の声を聞くのは、かなりのストレスがかかる。常に発動となると、誰に任せるかとなると難しい。
「嗅覚スキルは任セテ。一番に臭いに耐性があるのは私ヨ」
ブロッサが真っ先に名乗りでる。確かに、毒でも薬でも臭いを嗅いでいるのは良く見かける。かなりの強烈な臭いであっても確かめれる嗅覚を持ち、影やブレスレットの外に出ることのない精霊では出来ない。
「そうだな、ブロッサが適任だな。嗅覚スキルはブロッサに任せるよ」
そして残るのは、聴覚スキル。聞きたくない心の声が、常時聞こえてしまう。俺としては一番厄介なスキルで、俺の精神を破壊しようとしたスキル。それに、このスキルを司る存在もオークのように攻撃的な性格をしていると思う。
「俺達の中で、一番精神が強いのは?」
みんなの視線が、ハンソを向く。確かに、誰から何を言われても、ハンソは耐えれるだろう。オオザの崖の上で、何百年もの間大岩を持ち続けた苦行にも耐えている。
『ハンソはダメよ。肝心な時に、何を言っているか分からないわ。それに、スキル暴走した事も理解出来ないし、伝える事もできないわ』
「それなら私がやる。カショウの一番精霊はクオン!」
『クオンもダメよ』
ムーアにすぐに否定されたことで、クオンは不機嫌な表情になる。しかしムーアの意見は間違っていない。聞こえてくる心の感情の声には、大人の事情がより強くなる。その声を聞かせるとすれば、クオンやベル、マトリでは難しいだろう。
『もし、クオンまでスキルの暴走に巻き込まれたら、誰がカショウを元に引き戻すの?私の声は、カショウには届かなかったのよ』
『ウン、分かった。クオンはカショウを守る役割♪』
そこでクオンの機嫌は直るが、ムーアの悔しいという感情の声は大きくなる。真偽が分かってしまうムーアの力。それが嫌で表に出なくなったのだと思うが、今はそれ以上に悔しさを感じ力を強化しようとしている。契約だけでは超えることの出来ない、俺とクオンの信頼関係の強さから感じ取ったもの大きいようだ。
「聴覚スキルは、俺と一番やり取りがあるムーアが適任なのかもしれないな。それに契約の精霊に嘘は通用しないんだろ」
『ええ、私に嘘は通用しないわ。任せておいて』
「それなら、先を進もうか。靄は待ってくれないからな」
「ご主人様、待ってください。もう1つだけ試したい方法があります。きっと悪くないとは思うのですが···」
今までの落ち着いた態度のコアとは違って、自身なさげな言葉遣いで、顔は紅潮し恥じらいを感じさせる。
「どんな方法なんだ?」
「私と夫婦の契りを!」
「えっ···」
「私じゃ、ダメでしょうか?」
今にも泣き出しそうな顔で、俺のことを見つめてくる。突然の告白に、否定した言葉を出さなかっただけでも、成長したと言って欲しい。
『クッ、クッ、クッ、クッ、面白いわね。それならば効果はあるわよ。だけど覚悟がいるわよ』
「はい、ムーア様。私は覚悟は出来ています」
『じゃあ、後はカショウを次第ね♪』
「ちょっと待て。どういう事か説明しろよ」
『コアに感謝しなさい。あなたと全てを分かち合うと言ってくれているのよ♪』
「だから、それは何なんだよ?」
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