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再構築
182.再構築
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ここは、どこなんだろう?
暗闇の世界の中に光があるのか、それとも光の世界の中に暗闇があるか?
今俺は、その不思議な世界を漂っている。
そして体中が熱くて寒気が止まらない。全身は鉛のように重いのにフワフワとした浮遊感がある。
視界は霞むのに、目の前に現れた禍々しい姿のリッチはハッキリと見える。頭だけでなく全身の骨が揃った完全体のリッチが、俺に何かを囁きかけてくる。
しかし、何を言っているのかは理解できない。アシスの理ではないのだろうか?全ての感覚が狂っている。
このリッチは何者なのだろうか。全身の骨は白いので、頭蓋骨だけのリッチとは違うのだろうか?それとも、俺はリッチに負けて取り憑かれてしまったのだろうか?
次第に頭が割れるように痛み始める。頭の中を何かに刺されているような痛みが襲い、全ての感覚を麻痺させる。
こんな狂ってしまった世界で、抗うことは出来そうもない。狂った全ての感覚では、何が正常で何が異常なのかも分からないし、抗う事が自体がバカらしくなってくる。
ふと、頭の中にゴブリンロードの姿が浮かぶ。俺の想像なのか、それとも体の中に吸収されたゴブリンロードが語りかけてきているのかもしれない。
しかし何も話しかけてくることはなく、結局お前も一緒じゃないかと笑われているような気がする。
ああ、そうだよ、お前と一緒だ。何とでも言うがいいさ。何も考えずに全てに身を任せよう。
その時、俺の体を衝撃が襲う。巨大な鉄球でもぶつけられたような大きな衝撃が、体の至るところを襲う。俺の狂ってしまった感覚を飛び越えて、記憶を呼び起こす。
「ダメ、起きて!」
『大丈夫よ、クオン。天之美禄で、死ぬ事なんてないのよ。死んで終わるなんて、そんな簡単な代償じゃないから』
「そうなの?だけど、カショウ諦めた顔をしたの?」
『カショウは、そんな簡単には諦めるような性格じゃないわよ。それより、あんまり強く叩くとカショウが痛いわよ。ほら、腕が変な方向に曲がってる』
「あれっ、本当だ?ブロッサ、大丈夫?」
「私のポーションなら何とか治せるケド、これ以上は体に後遺症が残るワ」
『クオン、カショウは精霊化してるから、ちょっとやそっとじゃ死なないわ。だけど、これ以上叩いたらダメよ』
「うん、分かった♪」
『もう少しで目を覚ますと思うから、影の中で待ってなさい。目覚めそうになったら、教えてあげるから』
「うん、そうする!」
そんな会話が聞こえたような気がする。そして、俺の前に現れたリッチやゴブリンロードが破壊されてゆく。それだけではなく、狂った感覚も壊され懐かしい知っている感覚が甦ってくる。
ただただ、痛い。今までに経験したことのない痛みだが、感覚が麻痺してくれる事はなく、より鮮明に研ぎ澄まされ俺に痛みを伝えてくる。
それからは暗闇の中で、ただもがき苦しんだ。全身を襲う激痛に耐えた。そして徐々に痛みが和らいでくると、妙な自信が湧いてくる。急激にレベルアップしたように漲る力を感じる。
もう恐いものなんて何もないと思えると、暗闇の中に光が射し込み、懐かしい顔が見えてくる。
「良かった。カショウが目を開けた♪」
真っ先にクオンの顔が見える。その後から、ムーアとブロッサが、俺を覗き込んでくる。
「皆、どうしたんだ?」
『天之美禄の後遺症から、なかなか目を覚まさないから心配してたのよ。』
普通は2·3日で目を覚ますらしい。同じ天之美禄を受けたソースイは3日で目を覚ましたが、俺は10日も寝込んだままだったらしい。
その違いは、なんなのだろうか?天之美禄はソースイには効果が大きく、俺にはそんなに効果がなかったような気もする。
俺はスキルを使わなかったから、スキルの能力を高めてくれるのかもしれないが、検証するにはあまりにも後遺症のリスクが大きすぎる。
「天之美禄は、今のところソースイだけだな。俺には後遺症が大きすぎるよ」
『そうね、しばらくは士気高揚までね』
しかし、ベッドから体を起こしてみると、妙にスッキリとした感覚がある。爆発し消滅しかけた体は精霊化する事で、繋ぎ止められている。
そこに魔物の魔石を取り込んでいるのだから、この部分は精霊でこの部分は魔物といった、どこかで非効率で都合の悪い所があったのは感じていた。
それらが今は感じられない。最初からこの体であったかのような、自然な感じがする体。しかし、しばらくはムーアには黙っておこう。
『カショウ、どうしたの?』
暗闇の世界の中に光があるのか、それとも光の世界の中に暗闇があるか?
今俺は、その不思議な世界を漂っている。
そして体中が熱くて寒気が止まらない。全身は鉛のように重いのにフワフワとした浮遊感がある。
視界は霞むのに、目の前に現れた禍々しい姿のリッチはハッキリと見える。頭だけでなく全身の骨が揃った完全体のリッチが、俺に何かを囁きかけてくる。
しかし、何を言っているのかは理解できない。アシスの理ではないのだろうか?全ての感覚が狂っている。
このリッチは何者なのだろうか。全身の骨は白いので、頭蓋骨だけのリッチとは違うのだろうか?それとも、俺はリッチに負けて取り憑かれてしまったのだろうか?
次第に頭が割れるように痛み始める。頭の中を何かに刺されているような痛みが襲い、全ての感覚を麻痺させる。
こんな狂ってしまった世界で、抗うことは出来そうもない。狂った全ての感覚では、何が正常で何が異常なのかも分からないし、抗う事が自体がバカらしくなってくる。
ふと、頭の中にゴブリンロードの姿が浮かぶ。俺の想像なのか、それとも体の中に吸収されたゴブリンロードが語りかけてきているのかもしれない。
しかし何も話しかけてくることはなく、結局お前も一緒じゃないかと笑われているような気がする。
ああ、そうだよ、お前と一緒だ。何とでも言うがいいさ。何も考えずに全てに身を任せよう。
その時、俺の体を衝撃が襲う。巨大な鉄球でもぶつけられたような大きな衝撃が、体の至るところを襲う。俺の狂ってしまった感覚を飛び越えて、記憶を呼び起こす。
「ダメ、起きて!」
『大丈夫よ、クオン。天之美禄で、死ぬ事なんてないのよ。死んで終わるなんて、そんな簡単な代償じゃないから』
「そうなの?だけど、カショウ諦めた顔をしたの?」
『カショウは、そんな簡単には諦めるような性格じゃないわよ。それより、あんまり強く叩くとカショウが痛いわよ。ほら、腕が変な方向に曲がってる』
「あれっ、本当だ?ブロッサ、大丈夫?」
「私のポーションなら何とか治せるケド、これ以上は体に後遺症が残るワ」
『クオン、カショウは精霊化してるから、ちょっとやそっとじゃ死なないわ。だけど、これ以上叩いたらダメよ』
「うん、分かった♪」
『もう少しで目を覚ますと思うから、影の中で待ってなさい。目覚めそうになったら、教えてあげるから』
「うん、そうする!」
そんな会話が聞こえたような気がする。そして、俺の前に現れたリッチやゴブリンロードが破壊されてゆく。それだけではなく、狂った感覚も壊され懐かしい知っている感覚が甦ってくる。
ただただ、痛い。今までに経験したことのない痛みだが、感覚が麻痺してくれる事はなく、より鮮明に研ぎ澄まされ俺に痛みを伝えてくる。
それからは暗闇の中で、ただもがき苦しんだ。全身を襲う激痛に耐えた。そして徐々に痛みが和らいでくると、妙な自信が湧いてくる。急激にレベルアップしたように漲る力を感じる。
もう恐いものなんて何もないと思えると、暗闇の中に光が射し込み、懐かしい顔が見えてくる。
「良かった。カショウが目を開けた♪」
真っ先にクオンの顔が見える。その後から、ムーアとブロッサが、俺を覗き込んでくる。
「皆、どうしたんだ?」
『天之美禄の後遺症から、なかなか目を覚まさないから心配してたのよ。』
普通は2·3日で目を覚ますらしい。同じ天之美禄を受けたソースイは3日で目を覚ましたが、俺は10日も寝込んだままだったらしい。
その違いは、なんなのだろうか?天之美禄はソースイには効果が大きく、俺にはそんなに効果がなかったような気もする。
俺はスキルを使わなかったから、スキルの能力を高めてくれるのかもしれないが、検証するにはあまりにも後遺症のリスクが大きすぎる。
「天之美禄は、今のところソースイだけだな。俺には後遺症が大きすぎるよ」
『そうね、しばらくは士気高揚までね』
しかし、ベッドから体を起こしてみると、妙にスッキリとした感覚がある。爆発し消滅しかけた体は精霊化する事で、繋ぎ止められている。
そこに魔物の魔石を取り込んでいるのだから、この部分は精霊でこの部分は魔物といった、どこかで非効率で都合の悪い所があったのは感じていた。
それらが今は感じられない。最初からこの体であったかのような、自然な感じがする体。しかし、しばらくはムーアには黙っておこう。
『カショウ、どうしたの?』
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