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第45話 黒子天使の力の証明
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「1つ聞くが、ブランシュの力に匹敵する黒子天使はおるのかの?」
ザキーサが問う黒子天使の力とは、地上の人々から姿や存在を隠す力。自身の姿だけでなく、黒子天使の触れたものや魔力を込めたものは姿が見えなくなってしまのは、全ては黒子天使の頭上の黒い輪っかのお陰になる。
ただ、触れたものを何でも見えなく出来るわけではない。熾天使の輪っかは、地上の人々に畏敬の念を抱かせ、隠匿する黒子天使とは真逆の力といえる。
「ブランシュの姿を消せるヤツは……」
「力だけではないぞ。消すには相性も重要じゃて」
ザキーサの言葉で、黒子天使から大きなどよめきが起こる。ブランシュの姿を消すには、最低でもブランシュの体に触れなければならない。そして、マリクは意味もなく大きく肩を回して、アピールしながら前へと出てくる。
「ブランシュさんを呼んでくるっすよ」
そして、マリクがブランシュを連れて戻ってくる。勝手に想像を膨らませ締りのない顔になったマリクと、満面の笑顔のブランシュ。
「急にどうしたの?マリクからダンジョンの外に連れて行ってくれるって聞いたけど」
「マリク、何て伝えたんだ?ピクニックに行くんじゃないんだぞ」
「えっ、もう遅いわよ。ローゼがサンドイッチ作ってるわ」
「安心して下さい。マリクがしっかりと責任を取って、職務を遂行するっすよ」
「ああ、それだけどな……残念ながら、今お前は失格になったんだ」
「先輩っ、ちょっとそれは横暴じゃないっすか。チャンスは皆一緒で、やってみなきゃ分からないことも多いっす。先輩も可能性は無限大だって、良く言ってるじゃないっすか」
「残念だけど、もう試されてるんだ」
ブランシュを呼びに行って近付いただけのマリクだったが、頭上の黒い輪っかの色が薄れてしまっている。
普段なら問題ないが、ダンジョンの中にずっと居たブランシュ。そして、外に出れるという喜びの感情が、頭上の輪っかをさらに輝かせている。そのハロの光は、黒子天使マリクの黒い輪っかの力を弱める。これでは、ブランシュの姿を消すどころかマリク自身の姿でさえ隠せない。
「ブランシュも、これはピクニックじゃないんだ。初めのダンジョンの聖女マリアナを探しに、迷いの森に行くんだぞ」
「でも、それなら余計に食事は必要よだし、問題ないわ」
そして、俺たちの会話を遮るようにザキーサが動き、定位置であるブランシュの肩に収まる。
「人数は厳選することじゃ。大人数で押し掛ければ、マリアナは出てこぬ」
「ああ、分かってる。もともと可能性があるのは、カシューかシーマ、それに俺だけだからな」
「雑念だらけでは、どう足掻いても不可能じゃぞ。ブランシュだけじゃなくて、余も一緒なのじゃからな」
ブランシュだけじゃなくザキーサの姿も消すとなれば、さらに難易度は上がる。
そして、カシューもシーマもブランシュに触れようと手を伸ばす。2人ともマリクとは違い、黒い輪っかはハッキリと現れたままだったが、ブランシュに触れた瞬間僅かに色が薄くなってしまう。
「残念じゃな。2人ともまだまだ修行が足らん。それでは、余の姿を消すことは出来ん」
そして、残るは俺一人。
「ザキさん、確認するけど外に出たくないだけじゃないよな」
「笑止な。余はブランシュの護衛じゃ。ダンジョンの外であろうが、ブランシュを1人にすることはないわ。それも、もう言い訳をするのかの?」
薄っすらと笑みを浮かべ、俺を挑発しているようにも見える。ザキーサの見えない圧力に抵抗することだけに意識を集中し、ブランシュに手を伸ばせば想定外の出来事が起こる。
「何やってるの。早く行きましょうよ」
伸ばした俺の手は一瞬でブランシュに絡めとられ、腕を組んだ状態になっている。さらに、ブランシュに引っ張られば、俺の腕にハッキリとブランシュの柔らかい感触が伝わってくる。そして、黒子天使達の鋭い視線が突き刺さる。
「ローゼも連れていくわ。イイでしょ」
「あっ、ああっ」
「それじゃあ、ローゼのお供はカシューね。ローゼもいいわよね」
「カシューがエスコートか。誰であっても、妾がしっかりと教育してやる。問題ないぞ!」
ザキーサが問う黒子天使の力とは、地上の人々から姿や存在を隠す力。自身の姿だけでなく、黒子天使の触れたものや魔力を込めたものは姿が見えなくなってしまのは、全ては黒子天使の頭上の黒い輪っかのお陰になる。
ただ、触れたものを何でも見えなく出来るわけではない。熾天使の輪っかは、地上の人々に畏敬の念を抱かせ、隠匿する黒子天使とは真逆の力といえる。
「ブランシュの姿を消せるヤツは……」
「力だけではないぞ。消すには相性も重要じゃて」
ザキーサの言葉で、黒子天使から大きなどよめきが起こる。ブランシュの姿を消すには、最低でもブランシュの体に触れなければならない。そして、マリクは意味もなく大きく肩を回して、アピールしながら前へと出てくる。
「ブランシュさんを呼んでくるっすよ」
そして、マリクがブランシュを連れて戻ってくる。勝手に想像を膨らませ締りのない顔になったマリクと、満面の笑顔のブランシュ。
「急にどうしたの?マリクからダンジョンの外に連れて行ってくれるって聞いたけど」
「マリク、何て伝えたんだ?ピクニックに行くんじゃないんだぞ」
「えっ、もう遅いわよ。ローゼがサンドイッチ作ってるわ」
「安心して下さい。マリクがしっかりと責任を取って、職務を遂行するっすよ」
「ああ、それだけどな……残念ながら、今お前は失格になったんだ」
「先輩っ、ちょっとそれは横暴じゃないっすか。チャンスは皆一緒で、やってみなきゃ分からないことも多いっす。先輩も可能性は無限大だって、良く言ってるじゃないっすか」
「残念だけど、もう試されてるんだ」
ブランシュを呼びに行って近付いただけのマリクだったが、頭上の黒い輪っかの色が薄れてしまっている。
普段なら問題ないが、ダンジョンの中にずっと居たブランシュ。そして、外に出れるという喜びの感情が、頭上の輪っかをさらに輝かせている。そのハロの光は、黒子天使マリクの黒い輪っかの力を弱める。これでは、ブランシュの姿を消すどころかマリク自身の姿でさえ隠せない。
「ブランシュも、これはピクニックじゃないんだ。初めのダンジョンの聖女マリアナを探しに、迷いの森に行くんだぞ」
「でも、それなら余計に食事は必要よだし、問題ないわ」
そして、俺たちの会話を遮るようにザキーサが動き、定位置であるブランシュの肩に収まる。
「人数は厳選することじゃ。大人数で押し掛ければ、マリアナは出てこぬ」
「ああ、分かってる。もともと可能性があるのは、カシューかシーマ、それに俺だけだからな」
「雑念だらけでは、どう足掻いても不可能じゃぞ。ブランシュだけじゃなくて、余も一緒なのじゃからな」
ブランシュだけじゃなくザキーサの姿も消すとなれば、さらに難易度は上がる。
そして、カシューもシーマもブランシュに触れようと手を伸ばす。2人ともマリクとは違い、黒い輪っかはハッキリと現れたままだったが、ブランシュに触れた瞬間僅かに色が薄くなってしまう。
「残念じゃな。2人ともまだまだ修行が足らん。それでは、余の姿を消すことは出来ん」
そして、残るは俺一人。
「ザキさん、確認するけど外に出たくないだけじゃないよな」
「笑止な。余はブランシュの護衛じゃ。ダンジョンの外であろうが、ブランシュを1人にすることはないわ。それも、もう言い訳をするのかの?」
薄っすらと笑みを浮かべ、俺を挑発しているようにも見える。ザキーサの見えない圧力に抵抗することだけに意識を集中し、ブランシュに手を伸ばせば想定外の出来事が起こる。
「何やってるの。早く行きましょうよ」
伸ばした俺の手は一瞬でブランシュに絡めとられ、腕を組んだ状態になっている。さらに、ブランシュに引っ張られば、俺の腕にハッキリとブランシュの柔らかい感触が伝わってくる。そして、黒子天使達の鋭い視線が突き刺さる。
「ローゼも連れていくわ。イイでしょ」
「あっ、ああっ」
「それじゃあ、ローゼのお供はカシューね。ローゼもいいわよね」
「カシューがエスコートか。誰であっても、妾がしっかりと教育してやる。問題ないぞ!」
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