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二章「迷い子に望みはない」
01(アダム視点)
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「ねえアダム。明日から十二月だよ!」
リビングのカレンダーを少しだけめくり、ジェッタが嬉しそうにアダムを振り返る。
厚手のカーテンを閉めた窓の向こうはとっくに真っ暗で、時刻はもう夜と言って差し支えないころ。見るからにそわそわしているジェッタがあまりに微笑ましく、つい口元が緩んだ。
「破りたいのかな?」
「うん!」
元気よく肯定され、ついにアダムは吹き出してしまう。
ジェッタはカレンダーの端を摘んだまま、アダムが肩を震わせ笑い声を噛み殺すのを嬉しそうに聞いていた。
だが彼女の黒い猫の耳はぴくりとも動かない。真後ろの声や音を聞こうとする時、獣人はもちろんヒト似獣人もそちらに向けて耳を動かすものなのに。
長い尻尾もそうだ。感情に合わせて元気に動くはずのそれは、ジェッタがどれだけはしゃいでも怒ってもシンと下に垂れたまま。
「あのね、家でもこれ私のお仕事だったんだ。だからさ、またやりたいなーって思って!」
「……そう」
家主が雑然とファイルに仕舞い込んだままにしていたと見える、この部屋自体や電気料金などの各種契約関係の書類。そのチェックや整理はまだ終わっていなかったが、今日はもういいかとアダムはファイルを閉じた。
立ち上がり、ジェッタの隣へと歩み寄る。
「破ってもいいと思う。ドクターもそんなことで怒りはしないよ」
「ほんと?」
「むしろ十二月十日くらいになってやっとカレンダーのことを思い出すような獣人だよ、彼は」
「……なぁんか分かるー」
悪戯っぽく笑い合い、ふたりは同時にシー、と唇の前で指を立てた。今頃、件の家主は職場か帰り道でくしゃみでもしているかもしれない。
絵に描いたように穏やかで平和な、家の中の夜。
ほんの数週間前までは、今にも崩れそうな廃墟や打ち捨てられた廃車などを見つけてはそこで夜を過ごすことが多かった。たまに変装の上ひっそりとモーテルなどを利用することもあったが、危険すぎてそう頻繁には使えない。
ヒトである自分は勿論——本当の耳と尻尾を切り取られ、偽物をつけなければ一見ヒト同様の姿となってしまっているジェッタも。
彼女と出会ったのは半年ほど前のこと。
森の中、厚手の布をかけられた大きな箱状の何かが目に入ってアダムはつい足を止めた。
何代目かも覚えていない飼い主の元から再び逃げてきたばかりだったため、アダム自身そんなものに気を取られている場合ではない。しかし、不思議とどうしても見なかったことにも出来ず——何故か、「この中に誰かいる」とアダムは確信していた。
そっと手を伸ばし、布を取り払う。布の下は無機質な鉄の檻。はたして、そこには黒い髪の小さな少女が蹲っていた。
獣人らしい耳や尻尾が見当たらず、一瞬ヒトなのかと思って全身が強張ったのをアダムは覚えている。生きたヒトを見たのは、老齢の猟師が死んだあと業者に捕えられた時が最後だったからだ。
しかしすぐに違うと分かる。髪を掻き分ければ無惨にも耳を切断された跡があった。ヒトと偽っての売買目的でヒト似獣人の子どもがそんな被害に遭うとは聞いたことがあったが、こうして目の当たりにすると否応なしに胸が痛くなった。
「わたし、もうどこにも帰れないの」
爪が食い込むほど必死にアダムの手を掴み、少女は「たすけて」と泣いた。
ヒトであるアダムは何も持っていない。たまたま幸運が重なり、生き延びてきただけだ。両親を殺され耳と尻尾を取られた孤独なヒト似獣人の少女を助けることなど、できるはずがない。
それにいくら可哀想な境遇とはいえ、彼女だってヒトの犠牲の上に成り立つこの世界に生きている獣人のひとり。
獣人たちが忘れ去り、振り返ることもないこの世の仕組み。彼らが重い伝染病に苦しむことが減り、かかっても治療できるようになったのはどうしてなのか。その裏で何が犠牲になっているのかなど、考えたこともないだろう。
——そう、思っても。
「ひとりにしないで…!」
簡素な服を着せられただけのボロボロな姿。絞り出す必死な叫びに【楽園】から共に外に出された仲間たちが、……自分が、重なった。
自分だってもうどこにも帰れない。「逃げてくれ」と目の前で閉ざされた扉を、あの顔を、繰り返し夢に見る。そのたびどれだけ絶望したことか。
この子をひとりにできない。してはならない。昔の自分を救う気持ちで、アダムは彼女の——ジェッタの手を取ることを決めた。
「アダムー……紙飛行機ってどうやって作るんだっけぇ……?」
声をかけられ、はっとアダムは我に帰る。
ソファに並んで座り、破り取ったカレンダー紙で工作しようと張り切っていたジェッタ。
ほどよい硬さでピンと伸びていたそれは、何度もやり直しを重ねたせいでものの数分でへんにょりとしてしまっていた。
己の不器用さに地の底まで落ち込んだジェッタがあまりに哀れを誘う顔でこちらを見るものだから、危うくまた吹き出してしまいそうになる。
「教えたいけど、その紙はもう無理かな。新しくこっちの紙を使おうか」
「えっ……それってディラン先生のショルイ? じゃないの?」
「それがね、あの方は大事な書類のファイルに印刷ミスした紙も一緒に突っ込んでいたみたいだ」
「……なんかよく分かんないけど、ディラン先生が抜けてるのは分かった!」
「それだけ分かれば十分」
ファイルから印刷ミスの紙をいくつか取り出し、束のままジェッタに見せてやる。
目を輝かせたジェッタが勢いよく紙を一枚引き抜いた途端。アダムの右手に鋭利な痛みが走った。
「っ」
「あっ……!」
声こそ上げなかったが、つい眉を顰めてしまった。そのせいでジェッタが気付いてしまい、アダムの手に視線を落とし泣きそうな顔をする。
右手の親指、その付け根あたりにぱっくりと赤い線が走っている。遅れて、じわりと血が滲み出した。
「ジェッタ、大丈夫だから——」
「ご、ごめん! ごめんなさい!」
気にしなくていい、と言うつもりが盛大な謝罪に遮られてしまった。
大きな目いっぱいに涙を溜め、ジェッタは大慌てでアダムの手を掴む。血に触らせてはいけないとアダムも焦り、傷口を急いで反対の手で覆った。
「ジェッタ。落ち着いて。これくらいは大丈夫だから」
「大丈夫じゃないよ! 痛かっただろ⁈ アダム、私より怪我しやすいんだから気を付けなきゃなのに……ほんとごめん!」
「この程度なら怪我とも呼ばないよ。ほら、泣かないで」
「ううー……!」
ぐすぐすと鼻を鳴らすジェッタの頭を撫でてやりたいが、右手には傷があるし左手にも血がついてしまった。手を洗ってからたくさん撫でてやろうと決め、ひとまず言葉で泣き止ませようと努める。
「あなたが思うほど痛くもないよ。こちらこそ、驚かせてすまなかった」
「なんでアダムが謝るんだよぉー!」
「俺の不注意でしかないからね」
「アダムのせいじゃない! 怪我させたの私だもん! ヒトの皮膚が弱いって知ってたのに……!」
テーブルに突っ伏してジェッタは泣き喚き始めてしまう。あまりに勢いよく伏せたせいで頭から付け耳が取れかけ、変な角度に傾いた。
初めて会ったあの日、自分の爪が手に食い込んだせいでアダムが流血するさまを見たジェッタは大いに狼狽えていた。この程度で怪我をしてしまうヒトの脆さに恐怖したのか、以来手袋をつけることが多くなるほど。
ディランの家に来てからは少し気が抜けたと見え素手で過ごすことも多くなったが、それでもあの日のことはジェッタのある種のトラウマのようだ。確かに紙程度で手を切るなど獣人たちには信じられないほどの弱さだろうが、本当に気にしてほしくないのにとアダムは嘆息する。
「気にしなくて大丈夫。だからジェッタ、泣き止んで……」
「お医者さんー! ディラン先生、さっさと帰ってきてよぉー!」
「……」
……これは手強い。
アダムはひっそり苦笑し、せめてと血のついていない指先でジェッタの付け耳を直してやった。
◆ ◆ ◆
リビングのカレンダーを少しだけめくり、ジェッタが嬉しそうにアダムを振り返る。
厚手のカーテンを閉めた窓の向こうはとっくに真っ暗で、時刻はもう夜と言って差し支えないころ。見るからにそわそわしているジェッタがあまりに微笑ましく、つい口元が緩んだ。
「破りたいのかな?」
「うん!」
元気よく肯定され、ついにアダムは吹き出してしまう。
ジェッタはカレンダーの端を摘んだまま、アダムが肩を震わせ笑い声を噛み殺すのを嬉しそうに聞いていた。
だが彼女の黒い猫の耳はぴくりとも動かない。真後ろの声や音を聞こうとする時、獣人はもちろんヒト似獣人もそちらに向けて耳を動かすものなのに。
長い尻尾もそうだ。感情に合わせて元気に動くはずのそれは、ジェッタがどれだけはしゃいでも怒ってもシンと下に垂れたまま。
「あのね、家でもこれ私のお仕事だったんだ。だからさ、またやりたいなーって思って!」
「……そう」
家主が雑然とファイルに仕舞い込んだままにしていたと見える、この部屋自体や電気料金などの各種契約関係の書類。そのチェックや整理はまだ終わっていなかったが、今日はもういいかとアダムはファイルを閉じた。
立ち上がり、ジェッタの隣へと歩み寄る。
「破ってもいいと思う。ドクターもそんなことで怒りはしないよ」
「ほんと?」
「むしろ十二月十日くらいになってやっとカレンダーのことを思い出すような獣人だよ、彼は」
「……なぁんか分かるー」
悪戯っぽく笑い合い、ふたりは同時にシー、と唇の前で指を立てた。今頃、件の家主は職場か帰り道でくしゃみでもしているかもしれない。
絵に描いたように穏やかで平和な、家の中の夜。
ほんの数週間前までは、今にも崩れそうな廃墟や打ち捨てられた廃車などを見つけてはそこで夜を過ごすことが多かった。たまに変装の上ひっそりとモーテルなどを利用することもあったが、危険すぎてそう頻繁には使えない。
ヒトである自分は勿論——本当の耳と尻尾を切り取られ、偽物をつけなければ一見ヒト同様の姿となってしまっているジェッタも。
彼女と出会ったのは半年ほど前のこと。
森の中、厚手の布をかけられた大きな箱状の何かが目に入ってアダムはつい足を止めた。
何代目かも覚えていない飼い主の元から再び逃げてきたばかりだったため、アダム自身そんなものに気を取られている場合ではない。しかし、不思議とどうしても見なかったことにも出来ず——何故か、「この中に誰かいる」とアダムは確信していた。
そっと手を伸ばし、布を取り払う。布の下は無機質な鉄の檻。はたして、そこには黒い髪の小さな少女が蹲っていた。
獣人らしい耳や尻尾が見当たらず、一瞬ヒトなのかと思って全身が強張ったのをアダムは覚えている。生きたヒトを見たのは、老齢の猟師が死んだあと業者に捕えられた時が最後だったからだ。
しかしすぐに違うと分かる。髪を掻き分ければ無惨にも耳を切断された跡があった。ヒトと偽っての売買目的でヒト似獣人の子どもがそんな被害に遭うとは聞いたことがあったが、こうして目の当たりにすると否応なしに胸が痛くなった。
「わたし、もうどこにも帰れないの」
爪が食い込むほど必死にアダムの手を掴み、少女は「たすけて」と泣いた。
ヒトであるアダムは何も持っていない。たまたま幸運が重なり、生き延びてきただけだ。両親を殺され耳と尻尾を取られた孤独なヒト似獣人の少女を助けることなど、できるはずがない。
それにいくら可哀想な境遇とはいえ、彼女だってヒトの犠牲の上に成り立つこの世界に生きている獣人のひとり。
獣人たちが忘れ去り、振り返ることもないこの世の仕組み。彼らが重い伝染病に苦しむことが減り、かかっても治療できるようになったのはどうしてなのか。その裏で何が犠牲になっているのかなど、考えたこともないだろう。
——そう、思っても。
「ひとりにしないで…!」
簡素な服を着せられただけのボロボロな姿。絞り出す必死な叫びに【楽園】から共に外に出された仲間たちが、……自分が、重なった。
自分だってもうどこにも帰れない。「逃げてくれ」と目の前で閉ざされた扉を、あの顔を、繰り返し夢に見る。そのたびどれだけ絶望したことか。
この子をひとりにできない。してはならない。昔の自分を救う気持ちで、アダムは彼女の——ジェッタの手を取ることを決めた。
「アダムー……紙飛行機ってどうやって作るんだっけぇ……?」
声をかけられ、はっとアダムは我に帰る。
ソファに並んで座り、破り取ったカレンダー紙で工作しようと張り切っていたジェッタ。
ほどよい硬さでピンと伸びていたそれは、何度もやり直しを重ねたせいでものの数分でへんにょりとしてしまっていた。
己の不器用さに地の底まで落ち込んだジェッタがあまりに哀れを誘う顔でこちらを見るものだから、危うくまた吹き出してしまいそうになる。
「教えたいけど、その紙はもう無理かな。新しくこっちの紙を使おうか」
「えっ……それってディラン先生のショルイ? じゃないの?」
「それがね、あの方は大事な書類のファイルに印刷ミスした紙も一緒に突っ込んでいたみたいだ」
「……なんかよく分かんないけど、ディラン先生が抜けてるのは分かった!」
「それだけ分かれば十分」
ファイルから印刷ミスの紙をいくつか取り出し、束のままジェッタに見せてやる。
目を輝かせたジェッタが勢いよく紙を一枚引き抜いた途端。アダムの右手に鋭利な痛みが走った。
「っ」
「あっ……!」
声こそ上げなかったが、つい眉を顰めてしまった。そのせいでジェッタが気付いてしまい、アダムの手に視線を落とし泣きそうな顔をする。
右手の親指、その付け根あたりにぱっくりと赤い線が走っている。遅れて、じわりと血が滲み出した。
「ジェッタ、大丈夫だから——」
「ご、ごめん! ごめんなさい!」
気にしなくていい、と言うつもりが盛大な謝罪に遮られてしまった。
大きな目いっぱいに涙を溜め、ジェッタは大慌てでアダムの手を掴む。血に触らせてはいけないとアダムも焦り、傷口を急いで反対の手で覆った。
「ジェッタ。落ち着いて。これくらいは大丈夫だから」
「大丈夫じゃないよ! 痛かっただろ⁈ アダム、私より怪我しやすいんだから気を付けなきゃなのに……ほんとごめん!」
「この程度なら怪我とも呼ばないよ。ほら、泣かないで」
「ううー……!」
ぐすぐすと鼻を鳴らすジェッタの頭を撫でてやりたいが、右手には傷があるし左手にも血がついてしまった。手を洗ってからたくさん撫でてやろうと決め、ひとまず言葉で泣き止ませようと努める。
「あなたが思うほど痛くもないよ。こちらこそ、驚かせてすまなかった」
「なんでアダムが謝るんだよぉー!」
「俺の不注意でしかないからね」
「アダムのせいじゃない! 怪我させたの私だもん! ヒトの皮膚が弱いって知ってたのに……!」
テーブルに突っ伏してジェッタは泣き喚き始めてしまう。あまりに勢いよく伏せたせいで頭から付け耳が取れかけ、変な角度に傾いた。
初めて会ったあの日、自分の爪が手に食い込んだせいでアダムが流血するさまを見たジェッタは大いに狼狽えていた。この程度で怪我をしてしまうヒトの脆さに恐怖したのか、以来手袋をつけることが多くなるほど。
ディランの家に来てからは少し気が抜けたと見え素手で過ごすことも多くなったが、それでもあの日のことはジェッタのある種のトラウマのようだ。確かに紙程度で手を切るなど獣人たちには信じられないほどの弱さだろうが、本当に気にしてほしくないのにとアダムは嘆息する。
「気にしなくて大丈夫。だからジェッタ、泣き止んで……」
「お医者さんー! ディラン先生、さっさと帰ってきてよぉー!」
「……」
……これは手強い。
アダムはひっそり苦笑し、せめてと血のついていない指先でジェッタの付け耳を直してやった。
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