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イベントは何かが起こる

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体育祭実行委員に招集がかけられ、放課後校庭に集合した。
体育祭実行委員をやる人達は簡単に言えば運動得意な陽キャばかりだ。正直ノリが合わない。だってあの人達声とテンション高いだけだからね。あとはバカなことばかり言ってる。もちろん自分を棚の上に上げて言ってるわけではなく事実なのだ
女子がいるなかあの子胸大きくねとか俺この前エロ本買ってさぁ~とか言ってる。そして何より腹立つのが僕を巻き込んでくることだ。

「ねぇ~ねぇ君も思わないあの子胸でかいよね」
「……」
「あっちの子ブスくね」
「……」

さっきからずっとこんな感じだ。こんなことなら
亮太を連れてくればよかった。彼なら上手くやってくれただろうに。ただ僕も段々イライラしてきたわけでついうっかり感情を抑えたつもりが低い声になってしまった

「キモいんだけど……いい加減にしてくれる……」 
「え、あぁごめん」

このノリについていけない時点で体育祭実行委員でのぼっちは確定してたものだ。話しかけてきた男は他の人のところに移動した。きっと今頃あいつマジ空気読めねぇよか言ってんだろうな。
憂鬱に感じていると3組の男が話しかけてきた

「君もあのノリが苦手なタイプ?」
「えっと、どなた」
「ごめんごめん俺の名前は斎藤薫さいとうかおるテニス部だよよろしく」
「テニス部ね……僕の名前は大宮晴人よろしく」
「よろしく晴人」

このキザっぽい雰囲気がある人に同レベ判断されたのね。むしろこの人僕のこと見下してるよね。
さっき端で1人気まずそうにしてたのに良いけどさ

「俺はねテニス部のみんなからお願いされて体育祭実行委員をやることになったんだよ。ほんとできる男は大変でね。君は」

お願いじゃなくて押しつけられたんだろうな……

「クラスの体育祭実行委員は今不登校だから滝沢先生にお願いされたんだ」

不登校にさせたのは僕のせいでもあるから断ることもできなかった

「あぁ確か中村裕木だっけ、あの暴君がざまぁ見ろって感じだよね」
「嫌いなの?」
「大っ嫌いだよ。俺ばかりに色々押しつけてくるしこの運動できるだけの単細胞のノリ動物園って話」

僕は中村のことを好きではないけど、嫌いでもない。だけど、なんだかなって感じ。
体育教師が校庭にくると種目の説明と必要な物の確認を指示されて準備をする。その準備のときもキザ男は僕に付きまとってきた。

「さっきの話の続きだけど、斎藤くんは中村の何を知ってるの」
「何を知ってるって彼は自分の好きなことしかしないで、いやなことは押しつけるような人間だってことだよ」
「僕は少なくともそれだけの男が慕われてるとは思わないけど」
「へぇ~じゃあ君は何を知ってるの?」
「斎藤くんと同じことしか知らないよ、強いて言うなら彼女がいることかな」
「彼女ね、彼は顔は良いからね」
「そんな相手じゃなさそうだったけどな……」

聞こえるかわからないぐらいで吐いた言葉は誰にも知らずに消えて行く。中村に彼女ががいることを知ったのは少し前のことだった。学級委員の集まりで他のクラスの人達と話していたときに3組の学級委員長谷川未来はせがわみらいさんから告げられた。私は裕木の彼女だと、彼のことを許して欲しいと。僕はもうなんとも思っていないと伝えるとショートカットの髪を揺らして安心したようによかった……と呟いていた。少なくとも中村とは正反対のような性格に見える彼女は中村を心配していて、大切にしていた。そんな男がただ暴君なだけではないと思っただけだけど

***

朝のHR僕は体育祭実行委員として教卓に立つ。
昨日受けた説明をブァインダーに挟まれたプリントを見ながら話す。

「1ヶ月後の体育祭の説明をします。個人種目は1人1つ必ず出ます。団体種目はクラス対抗リレーと綱引きをします。個人種目は体育の計測結果を元にこちらで決めて行きます。どうしても無理な場合は相談してください。」

説明を終えるとブァインダーをしまい座席に着く
滝沢先生がそれを確認すると咳払いをして話し始める

「今日は転入生がいる。入ってこい」

初耳の情報だった。けれど、転入生で喜ぶのはせいぜい中1くらいまでだろう。みんな期待しなくなる。だから驚きなんてものはない。ドアが開いて1人の女子が入ってくる。

「星川夢で~す!皆さんよろしくお願いします」
「え!」
「え!大宮くん久しぶりだね~河合くんも」

驚くはずなんてないと思っていた。だけど実際は声に出すほど驚いた。人を魅了する天才の彼女はこの一瞬で転入生とゆう異分子だということを払拭させた。身長は高くもなく低くもない丁度良い高さで、目はクリクリとしていて、常に笑顔。さらさらな綺麗なショートカットに明るい雰囲気。少し合わない間にさらに魅力的になっていた。
彼女は僕の列の1番後ろが席になった。歩いて席に向かう途中僕の耳元に囁いた。

「私まだ大宮くんのこと諦めてないから」

色んな感情が湧くなかその言葉に思考は崩壊して
うっかりにも照れて顔を赤くしてしまう。
それほどまでに油断ならない相手なのだ。欲しいものは必ず手に入れようとする彼女は誰よりも恐ろしいと感じた。それでも嬉しいと思ってしまうのはズルいだろうか……
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