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〜オマケ後日談〜

転生ヒロイン驚愕する

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 「嫌ああああああッ! リーナがッオッサンとキスするなんてぇ―――! ぎゃあああぁあッ!!」


 「「うわッ!?」」


 辺りに響き渡る女性の金切り声で、ギョッとして思わず目の前のスタンさんに余計にギュッと抱きついちゃって・・・ ラッキー・・・その後声が聞こえてきた下を2人で覗き込む。―― そこには地面に膝をついて此方を凝視している女性の姿が・・・


 え~~~・・・ 又あの人なの? ソニアさん?? そしてその横には金髪イケメンだけどチャラいレオナルド・・・ 叫ぶソニアさんと私達のいるこちらを交互に見てる。

 顔は超絶困惑中って感じだ。


 「主任~~~ッ! 何やってるんですかッ! リーナたんは、主任みたいなオッサンには超絶勿体ないこのなんですよッ。このロリコンオヤジッ! その手を離しなさいッ!!」


 ――はぁ? いやいやいやいや、そんな事言ってるアンタこそ、両手に持ってる双剣ダガーから手を離しなさいよおぉッ!? 目ぇ血走ってるじゃんッ!?

 鬼気迫る顔で此方を・・・ ていうか、スタンさんを睨むソニアさんがこっわ!!


 「リーナたん、あなたはこの世界で唯一無二のヒロインなのよ~!! そんな普通顔のオッサンの毒牙に引っかかっちゃ駄目なのよッ! いくらシルファ王太子ルートが駄目だったからって他にも相手が残ってるでしょうがッ! 人生諦めちゃ駄目なのよッ」


 ・・・・ん?


 「たった1回の失敗でお手頃なオッサンで手を打つなんて駄目よッ! アジェスだって、テオドールだって、ノインだって、2ndだけどレオナルドだって残ってるじゃないのッ!」


 ・・・・・んん?


 まって、この人の言ってる事ひょっとして・・・・


 「え、それって『ドキ☆キュン魔法少女リーナ♡貴方のハート狙い撃ちしちゃうぞ☆』の事言ってるの?」

 「そうに決まってるでしょッ!! ――て? あら? 何でリーナたんがその名前知ってるのッ?!」


 リナ達2人とソニア達の間に沈黙が流れた・・・・



×××


 
 「と、兎に角その手に持ってるダガーをしまってください怖いからッ!!」


 スタンさんが足場をゆっくり降ろし地面に降り立つ私達。と言ってもスタンさんはソニアさんを警戒してるみたいで、未だに私はお姫様抱っこのままだけど・・・

 スタンさん、細見えしてたけど、こっそり触ったら筋肉質だった・・・ ポッ♡ 背が高いから細く見えてたんだ・・・ 納得。


 ソニアさんは私達と向かい合わせに立って困惑顔のままブツブツと呟くいてる。

 まるでスマホハンズフリーイヤホンマイクで歩きながら喋ってる人みたいで怖い・・・・。

 意外とアレって知らないままで周りから見ると気持ち悪いんだよね・・・


 「え・・・ リーナたんが『ドキ☆キュン魔法少女リーナ♡貴方のハート狙い撃ちしちゃうぞ☆』の事をなんで知ってるの・・・ え??」

 「え~と、ひょっとしてソニアさん? もしかすると転生者なんですか?」


 ――ビクッ! と肩を竦めた後でオズオズと此方に顔を向ける彼女。


 ウ~ン、やっぱり清楚系美人だ。


 でもスタンさんは私のこと好きって言ってくれたもんね~♡


 アレ? でもこの人なんか私の事彼には勿体無いとか言ってた気が・・・ 

 私が首を傾げた瞬間彼女にズザザッと詰め寄られて、私を横抱きにしたまま(キャ~♡)後ろに飛び退くスタンさん。


 「そうッ! そうなのよリーナたん! ひょっとして貴女もなのッ?!」


 あ~、3人目見つけた・・・

 リーナ推しの人か~・・・

 面倒くさそうだなぁ・・・



 ――自然とリナの眉間にシワが寄った。



×××



 『ドキ☆キュン』は攻略ゲームとしては、王道っていうかテンプレ的な作りの三人称視点ゲームで主人公リーナのキャラメイキングは無く運営の考えたキャラクターをまんま使うヤツ。

 その代わりネットのサーバーに繋いで課金ガチャでアクセや髪型衣装を引いて当たったやつに着替える事もできるっていう携帯ゲーム機でやるヤツだった。

 ま、言い換えれば着せ替え人形的に好きな衣装に変更できるのは、主人公のリーナだけだから私にはつまらなかったけど、それが好きな子は課金してゲーム会社を潤してる信者もいっぱい居たのよね。


 ま~、ルート的には逆ハーエンドもある微妙な15Rだったから私の友人とかは全ルートを隈なくやりつつ課金もお小遣いを貰う度に全額注ぎ込んでた。
 足りないってバイトまでして・・・

 そんなのを見てたから、私は結局2ndは興味が湧かなくてほぼやらなかったのよね。


 だってソフィアたんが出てこないんだもん。


 でも、ま、親友は2ndも楽しそうだったからソレはそれでいいんだけど・・・ ガチ課金勢もいたから、ある意味怖いなとも思う。

 リーナにお金あんなに使い込んだのにって逆恨みされそうでもあるし・・・

 前世と今生は違うからって言って通じる人と良いんだけど。


 「郁ちゃん位の課金勢ならいいけど・・・・」


 思わず溜息を付きながらそう呟やいた。


 「えッ? 郁? それ前世の私の名前?」


 目の前のソニアさんがギョッとして此方を向いた・・・


 「え?!」


 急にソニアさんがスタンさんに視線を向けて首を傾げ、


 「・・・広田恒樹? え?」


 前世の旦那の名前を小さく呟いた・・・


 「え、ソレ前世の旦那の名前」


 思わず小声で返してしまう。


 「「・・・・・・・」」


 お互いの視線が絡まって。


 「ひょっとしてソニアさんって、郁ちゃん?」

 「え? ひょっとして里奈?」

 「「えぇええええぇッ!」」


 2人してお互いを指さして絶叫した。




 スタンさんはギョッとして私を落としかけ、レオナルドはその場で両耳を塞いだ。






 ――因みに未だ全員仕事中である。

 仕事しろ。
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