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71 ポチとな?

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 「可愛くありませんわッ! そのポーズッ! ピ◯コちゃんに謝りなさいッ!!」


 ――あ。キレた・・・。多分ギャラリー全員の心の声が一致した――


×××



 『うわわっ。人類ってこんなに凶悪なの?』

 「出ましたわね」


 ――まるでモグラたたきゲームである。当たりが出たら(出なくとも?)すかさずぶっ叩く――


 『ゴスッ』


 ワンドを素早く杖に戻し柄尻にある、きらめく金属で出来た石突で鳩尾を思い切り突くソフィア。


 『ウゲッ』


 次に遠慮は彼女の辞書にあったはずだが、多分修正ペンで消してしまったのだろう。

 そのまま遠慮無く思い切り空中で回し蹴り。


 『ドゴッ!』

 『ぐえッ』


 しかも身体が飛んでいかないように、鞭になった杖で又もや引き戻される。


 『ひえええええええぇ』

 「これで終いとするッ」


 足に巻き付いた杖が元に戻ると共に、地面に落ちていく魔人(ステイ?)の身体を追いかけて空中で片足で蹴り上げる・・・ ドレスの裾から見える生足がとっても素敵である。 

 ――鬼かな?


 『げっ!?』


 身体強化したソフィアの強烈なキックで透明な障壁に『ビタンッ!』という音をさせ、窓に貼り付いたアマガエルのようになったのはスタンの身体の中の魔人(大当たり!)だったようである。


×××



 『チクショ~、コントロール出来ないッ!』


 最初の勢いはどこへやら。

 半泣きで地面に突っ伏し叫ぶ魔人(当たり!)の横にヒラリと降り立つソフィア。


 「他人のフンドシで相撲をとろうとするから、そうなるんですわッ」


 フンスと胸を張る美少女である。


 『何だよそれッ?』

 「他人の物を利用して、自分は何の努力もせずに利を得ようとする事ですッ」

 『でも魔人はそういう存在なんだもんッ』

 「だもんじゃありませんッ」


 『ゴスッ!』と音をさせ、頭を杖でもう1度ぶん殴るソフィア。

 全く遠慮無しである。


 「反省しなさいッ!」

 『こんな怖い女知らねえッ』

 「何でスタンさんなんですかッ!」

 『ぎゃああああああああッ』

 「リーナさんもすっこんでなさいッ!」

 
 どうやらソフィアは全員を完全掌握してしまったようだ・・・


 「なんなんですか、貴方達全員そこに座りなさいッ!」


 因みに身体は1個(?)である。


 『『『ハイッ!』』』


 いきなり説教モードに突入した。


 「大体ですよ? 魔人様、貴方名前すら名乗らないなんて失礼じゃないですか? 名前無いんですか?」

 『え? 名前・・・ 何だっけ』

 『コイツ、自分の名前知らねえみたいだな』

 『ホントだ~ カッコ悪い~』

 「名前ないんですか。不便ですね。じゃ、取り敢えず『ポチ』で」


 と。ソフィアが言った途端・・・


 『『『あッ!!』』』

 「どうしたんですか?」


 ソフィアが眉を寄せたまま可愛くコテンと首を傾げるが・・・


 『『『テイムされたみたい(よ)(だな)』』』

 「え・・・?」






 魔人ポチ、テイムされる。

 飼い主はソフィアである・・・・







 「あちゃー・・・」



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