【完結】転生辺境伯令嬢は可憐な魔法少女を目指しますッ〜心ゆくまで気の済むまで殴っても宜しいでしょうか？ 勿論物理で〜

１１ ベヒモス、ゲッ◯だぜ！

　一方廃棄ダンジョン内のソフィアはお悩み中。


　――生け捕り・・・生け捕りねえ。


　例えばこちらの魔力が高ければ魔獣は警戒して人を襲わない場合がい多い。
　そして調教師テイマーは自分の駒として彼らを使える様に従わせる事ができる。

　つまり従属させ調教するテイムするのだ。

　魔物は知能が高くその上魔法も使えるヤツが多い為テイムはできないと言われている。しかも眼の前のパンクッてるサイのモンスターはこのまま放置するとダンジョンが崩壊する訳で・・・


　「テイムできるとは思えないし・・・似たようなもんでなんかあったかな・・・」


　ボソリと呟くとその場の全員が一斉に美少女をグリンと振り返る。


　「「「「無理！」」」」

　「えー、だってさあ。このまま置いとくのもだめなんでしょ？　魔法で攻撃するの？」

　「「「「・・・」」」」


　廃ダンジョンはダンジョンそのものが生きてないので脆いのだ。

　あっさり崩落する恐れもある・・・

　ダンジョンコアがあれば復活するだろうが眼の前のベヒモスを倒し、その心臓を最奥の階層内に埋める必要がある。

　その前にあのでっかいモンスターを倒してもヤツの重さでダンジョンが崩れて自分たちが生き埋めに・・・


　――『卵鶏論争』以前の問題である。

　今この時点でも既にベヒモスの４本脚の下の地面が重さでめり込んでいる・・・


　「あ、いい手を思い付いた。小さく纏めちゃえばいいのよね」

　「「「「「は？」」」」」

　「空間魔法を物質化して、中で生物が死なないように時空魔法で広げて、転移魔法を応用して・・・」


　ブツブツ呟きながら手の中で魔法を練り何かを構築し始めるソフィア。


　「で～きたッ！　名付けて『魔物育成ボール』

　「「「「「・・・」」」」」


　そう、紅白に別れる丸い物体・・・　中央の黒いラインと真ん中のボタンのようなものがある非常に著作権的にヤバイ物体である。

　「吸収するんじゃなくて、この中に転移させればモン◯ター◯ールみたいに持ち運びができちゃう優れものッ！」


　その場の全員が彼女の手の中に収まるボールを見る目が非常に痛いが、気にしていたら話？　が進まない。


　「なぁ、それナニ？」


　代表して質問するのは勿論従兄弟の役目である。


　「ベヒモスを捕獲する道具よ」


　当たり前じゃんと口を尖らす美少女は非常に愛くるしいが、この場には不似合いだと思ったのは多分この場にいる全員である。