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43. 仲良し・・・?

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 「・・・そうだね、ってお前なぁ、確か今17歳だっけ? 前にも言ったが俺の年齢聞いてただろう? 30歳は過ぎてるって。こんな顔だが実際は40歳間近なんだぞ? そんなオジサンをパートナーに指名してどうするんだよ」


 呆れた顔になるカインはやはり美少年だ・・・年齢は言わない。


「妖精族って寿命は天人くらいあるの?」

「いや、ちょっとだけ短くて120年位かな? 俺は先祖のどっかで人族が入ってるらしいから、もっと短いかもな」

「ふうん。でもまぁ人間いつ死ぬかなんてわかんないからね。実際私は飛行機事故で死ぬ予定だった訳だし? あの時カインさんと付き合ってれば良かったって死ぬ時後悔するのは嫌だから~やっぱり死ぬまで私と付き合って?」


 あっけらかんと返され、カインは渋顔になった。


「お前な~!」

「私は、カインさんが好きなの。年齢はマジで関係無いよ? そもそもオッサンでも顔は美少年だから気にならないよ?」

「顔か?! 顔なのか?」

「うん。結婚するなら美少年がいいの。デカイのもゴツいのも、ケツ顎もお断りなの私。この世界の男の人って大抵がバタ臭い顔で歳と共に絶対髭面になるでしょ? 無理。その点カインさんは40歳近くてその美貌ならきっとヨボヨボになっても綺麗なおじいちゃんだと思うし」


 ニヤっと不敵に笑う涼子。


「それに、カインさんは口悪いけど神官長には優しくしてた。根は優しいんだろうなってわかっちゃうよ」

「・・・」


 答えないカインにニシシと悪ガキのように笑う涼子。


「私、狙った獲物は逃さない主義だから」

「え、・・・えぇ~」






 ・・・獲物は逃げられそうにない。



×××



 『コンコンコン』


 応接間のドアを叩く音がした。


「はい? どうぞ」



 涼子の返事と共に、メイド服姿のウサギ獣人がドアを開けた。


「ああ、やっぱりリョーコ様お帰りだったんですね? 部屋から話し声がするので、もしやと思い確認に来させていただきました」


 ピョコンとお辞儀をすると、ブリムの横で白いうさ耳がフルリと揺れる。


「え・・・あ、ああッ! そうか私も望さんも魔法で直接部屋に帰って来ちゃったんだった!! すっかり忘れてた。ごめんね。ただいま!」

「おかえりなさいませ? ローザ様は未だ帰って来ておられないので、私共も如何したものかと・・・神官様もおいでのようですので、お茶をお持ちしますね。お待ち下さいませ」


 再びお辞儀をすると又耳がピョコンと揺れる。


「あ、じゃあ4人分お願い」

「え? お2人では?」

「実は隣の部屋に望さんともう1人いるんだ」


 フム、と首を傾げたあとで


「ノゾミ様のお部屋は物音が全くしませんので気が付きませんでした。ああ、遮音魔法でもお使いなのですね。それでは至急4人分お持ちします」


 1度丁寧なお辞儀をして、彼女は退室していった。


「遮音魔法?」

「防音の魔法だな。密談する時に使うヤツだ。隣の2人は周りに聞かせたくない感じだったしな」

「エッチな事だったり・・・する?」


 慌ててバッとソファーから立ち上がり、望の部屋に続くドアに片耳を当てる涼子。


「おい・・・」

「だって気になるじゃん。ルーカスさん変だったしさ~」

「・・・やめとけ、どうせ聞こえねえよ」

「チッ・・・」

「お前、ホントに変わった女だよなッ!」

「イロイロ気になるお年頃なんだよッ!」






「え、2人共何やってるの?」


 望とルーカスが応接室に入ると、何故か涼子とカインが絨毯敷の床に座って互いの頬を両手で引っ張り合っていた。


「ノジョミしゃんおかふぇりい」

「・・・おう」

「仲良くなったの?」

「「・・・うん。まぁ」」


 2人は同時に手を引っ込め、咳払いをして立ち上がりバツが悪そうにお互いにそっぽを向いた。

 
「何があったのかしら?」

「・・・分からん」



×××



 運ばれて来たお茶のカップに香り高い紅茶が注がれ、メイドが部屋を出て行くと早速涼子が話を切り出す。


「でさ、ルーカスさんと望さん一体何だったの? 遮音魔法が望さんの部屋に張られてるってメイドのルルちゃんが言ってたからさぁ、なんか難しい話しなのかなって・・・」

「うん。まぁ・・・結果から言うとね、ルーカスさんとお付き合いする事にしたの」


 そう言って顔を赤らめルーカスを見上げる望。


「・・・そういう事です」


 ルーカスが愛おし気に望の肩を抱く。


「え。あそうなの」

「ブホッ」


 飲みかけの紅茶を吹き出しそうになったのはカインだ。


「やだなぁ。カインさん大丈夫?」


 ゴホゴホと咽る彼の背中を甲斐甲斐しく擦るさする涼子。


「え、閣下、マジで? アンタ女嫌いじゃなかったのか?!」


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