星屑のリング/リングの導き

星歩人

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第三話 ギブ・アンド・テイク

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 砂地と岩場の境を歩くこと一週間、やっと、あたしは目的の入江についた。眼前には見覚えのある砂上船が停泊していた。さすが、五ヶ月かけてグレン家の自家製コンピュータを解析しただけのことはある。
 普通のハッカーなら、一年かかったってプロテクトすら破ることは出来ない自信があったのに、金で動く連中のネットワークは想像以上に広いようだ。
 あの暗号めいた情報をもとに、彼らは、あたしが目指す場所と同じ場所に来ている。あたしは、砂漠服の望遠マイクの感度を広げ、彼らの会話を盗み聞くことにした。

「ちょっと、テッド」

 カレンの声が音の無い入江の岩肌の壁を伝わって甲高く響いている。この入り江は、相当に音が反射するようだ。まさか、それを分かって、あたしに聞かせているのか。いや、それはない。あたしが放置されてから、ここへ来るまで一週間もかかっているのだ。都合良く、会話の時間にわたしが来ることなんて予測できっこない。
 落ち着け、マキナ。なんでも頭で考えてはダメだ。これは偶然なんだ。そう、偶然だ。

「なんだよ、カレン」

 テッドはなにやら気だるそうだ。いや、カレンがカリカリしずぎているだけだ。テッドはだいたいこんな感じだ。

「あの娘から奪った情報、ここで正しいの。ここにあのお宝があるって言うの。こっちに着いて、かれこれ一週間たつけど、何の収穫も無いわよ。変な藻が絡まったような岩クズみたいなのはいっぱいあったけどさ」
「なあ、船長。もう一回、あの娘をとっ捕まえましょうや。今度は我々に協力させるんですよ」
「そうですよ。それが早ええ」
 船員たちも、やきもきしているようだ。

「よせよ。俺たちは『砂漠の鼠』だが、こちとら百何十代も前から砂上船のりよ。その誇りってーもんがあるのさ。あの娘も断片情報しか持たされてなかったんだ。
 ただなあ、まだ十四なのに大学の修士課程をとって、いくつもの博士号を取っているような賢い娘だからな、もしかすると、この岩陰にひそんで俺たちの会話を盗み聞きしているかもしれんぞ」

 あたしはギクッとした。しかし、同時に安心もした。彼らは、アレがどこにあるのかを見つけてなかったのだった。彼らは藻が絡まったような岩クズをたくさん見たと言っていた。それは正に目的の植物の死骸だ。やはり場所は正しいのだ。

 それにしても、五ヶ月間のずれは痛い。予定では師匠たちと合流しても二ヶ月以内には、目的の植物をさらって帰る予定だったのだから、それが四ヶ月もオーバーしている。シェルターでの生活可能期間はまだ一年以上はあるが、師匠の助言なしにそれが探せるのか不安になった。

 昨日行った気象観測結果によれば、先月までは乾季だったのだが、先月からは雨季に移っていた。この惑星の雨は惑星表面の熱い熱の影響で水蒸気のようにもあっと散布されるのが特徴だが、砂漠服を着ている状況では、ヘルメットのガラスに水滴がつく程度で体がそれを感じることはない。
 ただ、その時は生あたたかい温水シャワーでも浴びているようで、日差しも遮られて、結構快適だということだ。状況を考えれば不謹慎なことなのだが、科学者たるもの実地調査も必要だ。時間を作ってでも体感しなければなるまい。

 師匠の情報をもとにすると、その植物は岩に張り付いている時は、あたかも岩の一部であるかのような擬態をなすのだという。故に死んでしまうと地表の熱気も伴って藻が絡まったような干からびた岩クズのようになってしまうそうなのだ。
 通常の生息域は、比較的水の澄んだ水量の多い入江とのことだ。砂の海とは言われているが、この砂の海は何も全てが砂ではない。
 遙か下の方には水もあるのだ。ただし、光が全く通らないので、闇の海である。その中の生態系については、まだどこの学者もほとんど手をつけていない。砂の海の表面は比重の軽い砂が高密度で重なっている為それなりに表面は硬いのだ。

 この星の深海には巨大生物の砂虫がいる。砂虫は、砂の中にいると思われているが、実は下層の海の中を回遊しているのだ。虫と呼ばれてはいるが、昆虫ではない。

 呼吸器は哺乳類の肺と似た構造をしてはいるが、わりと長く潜っていることが可能らしい。それでも、十時間に一度は浮上して呼吸をする必要があるといわれている。もとはクジラのような生物だったのだろうが、光のない海で暮らしているうちに目が退化し、水流をつかって体をひねるだけで移動が可能になったので、ひれも退化してさながら巨大な芋虫のような姿になったというのだ。

 砂虫は、呼吸をする際、二、三度浮上を繰り返して、その大きな肺の隅々に空気を溜め込むのだという。その浮上した時に砲銛手が銛を撃ち、砂虫を仕留めているのだ。
 砂虫の血肉には豊富なミネラルが含まれていて、様々な医薬品の原料となる成分が含まれている。一匹しとめて、解体して企業にでも売れば、亜光速航行可能な宇宙船が一隻買えるほどの大金が得られるらしい。
 だが、この砂虫は出現場所が特定されてなく、砂の海に引きもどると打つ手がない。呼吸をする為に砂の上にあがったときに仕留めないといけないのだ。

 砂虫の急所は、ベテランの砲銛手でないとわからないというのだから、誰でもできるというものでも無い。仕留めたいが為に銛を撃ちすぎると、食料にはなっても、医薬品などの原料にはならない。砂虫は身動きこそできなくなるが、いつまでも生きているため、体の成分が変わってしまい質が落ちてしまうのだ。

 あたしは、自分の捕獲目標がこの砂虫でなかったことに感謝した。だが、あまり安心もしてられない。テッドたちがアレを見つける前にあたしが見つけなければならないのだから。

『行動するのは夜がいい』

 あたしはそう判断した。装備は何も砂漠服だけにあるのでは無い。わたしも科学者の端くれだ。索敵装置を誤魔化す塗布剤など簡単に作れるのだ。とりあえず、一旦、入江から退き準備を整えることにした。



 入江に来て三日目が経った。

 テッドたちの動きに大きな変化は見当たらない。そして、今朝は雨が降っている。霧がかかったようで、視界もわるい。テッドたちは昼間は入江を散策してはいるが、昼には上がって甲板でどんちゃん騒ぎをやり、夜は死んだように寝静まっている。

 なかなか諦めようとい無いところがもどかしい。やはり相当な額を出す買い手が見つかったのだろう。おまけに彼らは今年の仕事は既に終わっている。
 だから、特にやることはなく、この上なく暇なのだ。砂上船は彼らにとっては家も同然なのだからどこに居てもいいわけだ。出来れば彼らをよそに遠ざけたいところだが、その方法は今のところ見つからない。

 あたしはテッドたちからは死角となる岩場に穴を開け、ねぐらを作っていた。腕のリストバンドに装備されている武器には、ショックガン以外に、岩盤に穴をあける爆薬弾が装備されている。それを岩盤の比較的柔らかいところに、丁度人が入れる程度の穴をほじるのだ。あとは少し力仕事になるが、崩れた岩盤を取り除けば、ねぐらが出来上がるという訳だ。

 霧状の生暖かい雨がとても気持ちよさそうなので、あたしはねぐらに戻り、服を脱いで、自然のシャワーをあびることにした。噂には聞いていたが、体験するのは初めてだった。心地よい生暖かい霧のシャワーが体全体を覆う感覚は例えようもないほどに快感だった。体を洗いながら、冷静になろうと努めた。

 だが、こういう状況にいながらも家族のことが頭から離れない。シェルターのみんなは大丈夫だろうか。師匠や兄貴の怪我は治ったのだろうか。通信したいが、この惑星の衛星と砂漠服の通信設備程度では、長距離通信は不可能だ。もっと大きな出力がいる。

「かあちゃん。とうちゃん。じいちゃん。ユキ、コズナ、メロ、師匠、クランツ兄貴・・・・・」

 思いがけず、言葉がこぼれ、涙が出た。情けない。こんなところでくじけるな。何か打開策を考えろ、考えろ。



 入江の岩肌付近は、夜中に散策して調べた。砂上船の索敵装置は、あたしを認識することができずスルーしているのがわかった。世に出回っているのはグレン社の索敵装置が九十パーセントだから、他はうちのコピーだし設計したのはあたしだから弱点は知り尽くしている。
 調査結果は都度、ねぐらに設置した中継サーバーを通してオアシスゼロの貸切りホテルに設置したサーバーへ送っている。調べた結果をいくら解析しても、例の植物の痕跡は無かった。あるのは何ヶ月も前に死に干からびた死骸だけだった。調べ方が悪いのか、何か見落としていないか思案したがわからなかった。やはり、師匠の助言が欲しい。

「大出力の通信設備さえあれば・・・・・」

 わたしは、夜空を見上げため息が漏れた。夜空は満天の星で埋め尽くされていた。ふいにアクアリアの星を探す。でも見つからない、今の位置だと反対側になることは天球儀が示さなくてもわかっていた。
 科学万能の時代なのに人ひとり荒野に放り出されると、食事をするのも容易ではない。人というちっぽけさを実感しながら、あたしは冷えた岩の上にへたり込んだ。気温はかなり下がり始めているが、まだ宵の口で三十度はある。氷点下になるのはまだ三時間は先だ。

 ふいに涙がこぼれ出す。諦めるなと振るい立たせるあたし。そして、遠くにいるテッドの船に目を向ける。すると、脳裏にある物が浮かんだ。そうテッドの”砂上船”の甲板で見上げた時の光景だ。すごく大きな帆があったが、それが単純な布でないことはなんとなく気づいていた。あれは見覚えある繊維だ。

 そうなのだ五ヶ月かけて、あたしのコンピュータをハッキングする程の装備があるのだから、きっと大出力の惑星間通信装置も備えているはずなのだ。きっと、あの帆がレーダーも兼ねているに違いないのだ。

 彼らも、目的の物がさがせずにイラついているはずなのだ。それに理由を言えば、分からない連中でもなさそうだ。ここは彼らと協力して、アレを一つでも持ち帰ることを優先すべきなのだ。

 あたしはそう考えると気が楽になった。あたしは、準備をするためねぐらへ戻ることにした。霧のカーテンをくぐり、入口にかけていたローブをまとい、カムフラージュの岩肌をめくって岩穴に入った。だが目の前にはあのテッドがいた。

「いよー、お嬢さん。マキナ・グレンさん」

 彼は、夜であるに真っ黒なサングラスをかけ、薪をで火を起こし、あたしの装置と同じものを使ったのだろう、もうひとつ椅子をこさえていた。そして、どうやら、あたしのためにディナーを用意してくれていた。テーブルには、保温用のシチューポットのようなものと、密閉タイプのランチボックスとおぼしきものがあった。

 そして、テッドは、たき火を使って、なにやらステーキのようなものを調理中だった。わたしが彼の対面に来ると、眼鏡を下に下ろし、澄んだ碧色の瞳で、わたしを見つめた。

「相変わらずお美しいボディラインだ。まったく、将来が楽しみだな」
「もう、いやらしいこと、言わないで頂戴」

 あたしは、このテッドに全裸を既にくまなく見られていることを思い出し、かっとなってしまった。いけない落ち着け、これは彼の策略だ。あたしを感情的にさせて、また何か騙そうとしているのだ。

「話の前にまず、メシを食えよ。腹が減ってるだろ。こっちは、ジュリアーノの手作り料理だ。冷めないように、容器にいれてある。そして、こっちのは俺の手作りだ。グラーノフ家直伝の漁師料理、砂虫の熟成ヒレステーキさ。スパイスがきいて結構いけるぜ」

 あたしは、ジュリアーノさんの料理から手にとった。まずは、岩トカゲのクリームスープを口にした。相変わらずおいし、いい出汁がとれている。野菜の茹で加減もよく、スープの舌触りもなめらかだった。あの岩のようにゴツゴツして、肉の硬い岩トカゲからよくもこれだけの出汁が出るものだ。きっと圧力釜を使ったのだろう。手間暇かけた手料理は何物にも代えがたい。

 さらに、これをパンにつけて食べるとまた格別だった。このパンはミランダさんが焼いたそうだが、まさに母の味。悔しいが、うちの母が焼いてくれるパンよりも格段においしかった。
 続けて、テッドのステーキも食べてみた。口にいれると芳醇な肉汁が口の中にぱっとひろがり、この上なく極上の旨みを体の芯まで伝えた。

「どうだ、美味いだろう。我が家直伝の味って奴だよ」
「ええ、とても美味しいわ」

 あたしは、自分でもびっくりするほどの勢いで、テッドの特性ステーキをぺろりと平らげてしまった。

「それで、お前も俺と同じことを考えていると思うんだが。率直に言おう。俺に手を貸して、おまえが探しているものを山分けしよう」

 あたしは一瞬、ぽかんとなった。と、同時に笑いもこみ上げてきた。つられてテッドも笑い出した。

 このテッドという奴は、全く素直だ。あきれる程に。あたしは笑いが止まらなかった。あたしの情報を盗み見ておいて、今度は山分けを言い出してきたのだ。あたしも全部はいらない、一個持ち帰れれば、後は培養すれば簡単に増殖できるのだから。一体いくつ見つけられるか知らないが、残りは、全部、テッド達にくれてやっても構わない。

「いいわよ。あたしも丁度、使える相棒が欲しかったところなの」

 あたしは、騙されたことをとやかく言わない方が良いと思った。この男は、こういう素直な目をした男は、素直に対処するのが一番なのだから。その辺のさかりのついた小娘みたく、キャー、キャーと黄色い声を発しながら、あれよこれよと騒ぎまくるのは、かえって逆効果になるだろう。

 あたしは、テッドと正式に契約を交わすことにした。だが、不安は無いわけではなかった。身分証IDの無い者との契約は成立できないから、結局は口約束同然になってしまうのではないかと。だがすぐにその不安はかき消された。テッドから身分証ID反応が出たのだ。あたしは思わず目口をあんぐりと見開いてしまった。

「ああ、これか?」

 テッドはあたしの驚きに気づいたようだ。

「あん時はよ。俺もカレンも用心して、身分証IDが読み取られないよう船から妨害電波を送らせていたんだよ。それに身分証IDなしに大金が動く商売はできねーからな。俺たちが身分証IDなしてーのは、俺たちが広めたいわばハッタリさ。俺たちを無法者にすることで、俺たち自身を守っていたのさ。だから安心しな。マキナ。契約の不履行は絶対にありえねえ」
 テッドはサングラスを外して、その澄んだ碧色の瞳であたしを見つめ、自信満々に言い放った。
「これな。物体の輪郭しか見えない特殊眼鏡さ。砂の海はどこでも歩けるって訳じゃないことはおまえさんも知ってるだろう。おまえさんは比較的強度の硬い陸地側を常に歩いていたよな。それで正解なんだが、そこから外れると強度の極端に弱い場所があってな。そこに足を踏み入れると」
「砂の振動を感じて、砂蛭が噛み付いて来るってんでしょう」
「そう、そいつは歯がとにかく鋭いからな。砂漠服でさえ破けちまう。今日みたいな軽装だったら、大怪我しちまうからな」

 正論だ。このテッドは意外と丁寧だと感じた。周囲は暗いが昼間のように見える必要はないし、むしろ穴やくぼみが分かった方がよいはずだ。ここはこいつの弁明を信じてやるとしよう。テッドはわたしが理解したことを会釈すると話を続けた。

「それとこれは、おまえさんの名誉の為に言っておく。さっきのおまえさんの裸体も、砂漠服脱がした時の裸体も、俺は一切見ていないぜ。見たのはカレンじゃねー。もう一人の相棒だな。小五月蠅い女なんだんだが、結構な美人でさ。コンピューターとかに強くてさ、なんだったら今度、会わせてやるよ。おまえさんとなら気が合うかもしれなーからな。
 それと一応、あの船には医療施設があってな、医者も常駐してんだ。ちょっと年増の女医だがな」
「シェスカさんでしょ」
「そう、そのシェスカだ。そいつが阻止しやがったのさ。おっと、いっとくが、俺様はまだ独身だぜ」
「でも、筆はおろされたんでしょ、シェスカさんに。ね、筆おろすって何?」
「だ、誰からその話聞いた?

 ノックスの爺さんだな、くそ、なんてことをこ子供に話やがるんだ。筆をおろす意味か、がきはまだ知らなくていい。まあ、当時はショックと感動があったな。あいつは嫌いじゃないし、しゃべらなきゃ結構いい女だし。おかげて荒くれ者をまとめる俺に箔をつけてもらえたよ」

「そういうお前は、・・・まあ聞くまでもないな。だが、そろそろ経験してもいいんじゃないか。お前さんがその気ならここで事に及んでも俺はかまわないぜ」

《テッド、何ふざけてんの!話は終わったんだから、その娘連れて帰ってきなよ!》

 無線機のスピーカー音が敗れるほどに大きな声で、カレンの声が鳴り響いた。テッドはカレンの声がする装置をあわてて探している。どうやら、彼女がテッドに内緒で装着したようだ。

 船長なのに副長に信用されてないのがおかしかった。彼は腕のブレスレット肩の端末で発信源を探査し、ブーツの裏底に薄いカードチップが挿入されているのを発見すると、それを取り出し右手の親指とひとさし指に挟んで一瞬で破壊した。

「どいつも、こいつもうちの女どもは、女房気取りで困るな!」
「あんたの星の妻は、夫の行動を監視するの?」
「そ、そんな訳ねえだろ、俺がいい男すぎてだな、他の女に取られまいとしてるだけなのさ」

 とても変ないい訳だが、これはかなり自慢なのだろうとわたしには思えた。だがなんだ、この男。わたしに気があるのか、それとも軟派しているのか。それとも女と見れば見境ないのか分からない奴だ。

「しかも、ウルスラと来たら、ひどいんだぜ。あ、ウルスラつーのが、今話した。小五月蝿い女のことだ。こいつがよ、ぐーで顔面殴るんだぜ。しかも、しっかり腰入れて、手首のスナップまできかせやがった。俺だって、年端もいかない少女の裸を喜んで見る趣味はねーよ。それでなくとも、姉貴や妹が風呂上がりに真っ裸でうろつきまわるんだぞ。そんでもって、俺の頭の上を平気でまたぎやがるし、風呂あがりには、タオルを首にかけたまんまでいやがるのよ。だから見慣れているんだよ、若い女の裸体はさ」

 テッドはその後も、あたしが聞きもしない船の生活の話や彼の仲間のことをぺらぺらと喋り続けた。

 やがて、砂上船からあたしを向かい入れる為の小型のホバークラフトが差し向けられた。テッドはあたしの手を引きエスコートしてくれた。その間も彼の話は続いている。

 あたしは、なんだか分からないこのテッドという男に興味を持ったようだ。
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