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第四十四話 夜が明けました。※R18表現あり
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自分で慰めるのとは比較にならない……、この世界で初めて味わう強烈な快感が、オスカーへの抵抗力をみるみる削いで諦めさせていく。
自分だけが素っ裸で一方的に弄られて、こんなにも恥ずかしくて悔しいのに、こんなにも気持ちが良くて喘ぎが止まらない……ほんと最悪だっ!
「はっ、はっ、あっ、もぉ……ん、ん、ぁんっ……」
粘ついた水音のリズムが、だんだんと淫らに早まっていく。
気持ちいい。どうしよう。すごく気持ちいい。
「あっ……もうっ! 出るっ! 出ちゃ……っ」
「出せばいい。イク時のいやらしい顔を俺に見せて」
「やだっ……ぅん、あ、あっ、やぁっ」
「さあ、カルス様」
「ぃっ――ああああっ!」
オスカーの意のままに、俺は背中を仰け反らせて、あえなく射精した。
自分の腹や胸に、白い精液がパタパタと散っていく。
「はあ、はっ……はあ、はぁ……」
快楽を極めた直後の、心地よい倦怠感に包まれる。
だらしなく弛緩した表情を男に晒したくはなかったが、腕を縛られていては隠しようもない。
いやもう無理。これ以上は本当に無理。
俺、結構頑張ったよね? 新しい扉ガンガン開いたよね?
「もぉ、や、休みた……、はあ、はあ、……ねむ…ぃ…」
「このまま眠ってください。後始末はしておきます」
「……ん」
そうか……もう休んでいいんだ。
あとはいつものように……、オスカーがやってくれる……。
そうおぼろげに認識した途端、急速な眠気に襲われた。
ふわふわとしてた意識が、快適な闇にくるまれていく……。
「……まったく、こんな状況下ですら無意識に甘えてくるんですから……。昔からあなたは、俺を買いかぶり過ぎなんですよ。勝手に信頼して、勝手に傷ついて……始末に負えない」
いたわるように前髪をすかれ、額に柔らかな感触が落とされる。
「おやすみなさい。カルス様」
「……ぉや…しゅ……み」
反射的に挨拶を返したところで、俺の意識は完全に閉ざされた。
翌日の朝の目覚めは、それはもうスッキリとしたものだった。
……それはそうだよね。
昨晩、出すものたんまり出しちゃったんだから。
いろいろな液体にまみれていた俺の身体は、綺麗に清拭されていた。
はだけていた寝間着も整えられて、下着もちゃんと履いている。全部オスカーが後始末をしてくれたのだろう。
腕にも縛られた跡はないし、キスマークすら何処にもない。
あんなになぶられた乳首も……、いつもの見慣れたピンク色だ。
これなら、三つ子にも誰にも気づかれることは無いだろう。
……いや待てよ。
本当に誰も気づいてないのか?
あんなに声出してたのに?
風神雷神とか、一晩中また扉の向こうにいたのかもしれない。
いやいや、オスカーが遠ざけてくれたと信じよう。
おまえなんか信じたくないけど、今だけは信じてるぞっ! オスカー!
しかしこの先、どんなツラして、奴と顔を合わせればいいんだ。
このベッドで、俺はオスカーにヌかれ……ぎゃああああっ!
記憶がっ! 記憶が俺を殺しにかかってくる!
誰か鈍器で俺を殴って! いますぐ記憶を消してくれぇ!
早朝の薄暗がりのなか、枕を抱えてウーウーとひとり唸る。
我ながら、相当不気味な姿だ。
……カチャリ。
すると突然、ノックもなく静かに扉が開かれた。
「……おや、もう起床されていたとは」
オスカーっ!
いま一番会いたくない奴キタ――――ッ!
「おはようございます。昨晩は【アレ】から良く寝られましたか?」
爽やかな笑顔で問いかけてくる。
この野郎! よくもぬけぬけとっ!
とりあえず、奴の頭へ枕をブン投げようと振りかぶったところで、
「カルス様。おはようございます」
愛らしい巻き毛の天使が、ひょっこりとドアから顔をのぞかせた。
サッと慌てて枕を元に戻す。
「お……、おはようガブリエル」
心の中でオスカーをクソミソに罵りながらも、なんとか笑顔を浮かべることに成功した。はにかみながら嬉しそうに、少年も微笑み返してくれる。
見ないで!
こんな穢れた俺を見ないで!
キラキラとした無垢な笑顔が、いまの俺には眩しすぎた。
自分だけが素っ裸で一方的に弄られて、こんなにも恥ずかしくて悔しいのに、こんなにも気持ちが良くて喘ぎが止まらない……ほんと最悪だっ!
「はっ、はっ、あっ、もぉ……ん、ん、ぁんっ……」
粘ついた水音のリズムが、だんだんと淫らに早まっていく。
気持ちいい。どうしよう。すごく気持ちいい。
「あっ……もうっ! 出るっ! 出ちゃ……っ」
「出せばいい。イク時のいやらしい顔を俺に見せて」
「やだっ……ぅん、あ、あっ、やぁっ」
「さあ、カルス様」
「ぃっ――ああああっ!」
オスカーの意のままに、俺は背中を仰け反らせて、あえなく射精した。
自分の腹や胸に、白い精液がパタパタと散っていく。
「はあ、はっ……はあ、はぁ……」
快楽を極めた直後の、心地よい倦怠感に包まれる。
だらしなく弛緩した表情を男に晒したくはなかったが、腕を縛られていては隠しようもない。
いやもう無理。これ以上は本当に無理。
俺、結構頑張ったよね? 新しい扉ガンガン開いたよね?
「もぉ、や、休みた……、はあ、はあ、……ねむ…ぃ…」
「このまま眠ってください。後始末はしておきます」
「……ん」
そうか……もう休んでいいんだ。
あとはいつものように……、オスカーがやってくれる……。
そうおぼろげに認識した途端、急速な眠気に襲われた。
ふわふわとしてた意識が、快適な闇にくるまれていく……。
「……まったく、こんな状況下ですら無意識に甘えてくるんですから……。昔からあなたは、俺を買いかぶり過ぎなんですよ。勝手に信頼して、勝手に傷ついて……始末に負えない」
いたわるように前髪をすかれ、額に柔らかな感触が落とされる。
「おやすみなさい。カルス様」
「……ぉや…しゅ……み」
反射的に挨拶を返したところで、俺の意識は完全に閉ざされた。
翌日の朝の目覚めは、それはもうスッキリとしたものだった。
……それはそうだよね。
昨晩、出すものたんまり出しちゃったんだから。
いろいろな液体にまみれていた俺の身体は、綺麗に清拭されていた。
はだけていた寝間着も整えられて、下着もちゃんと履いている。全部オスカーが後始末をしてくれたのだろう。
腕にも縛られた跡はないし、キスマークすら何処にもない。
あんなになぶられた乳首も……、いつもの見慣れたピンク色だ。
これなら、三つ子にも誰にも気づかれることは無いだろう。
……いや待てよ。
本当に誰も気づいてないのか?
あんなに声出してたのに?
風神雷神とか、一晩中また扉の向こうにいたのかもしれない。
いやいや、オスカーが遠ざけてくれたと信じよう。
おまえなんか信じたくないけど、今だけは信じてるぞっ! オスカー!
しかしこの先、どんなツラして、奴と顔を合わせればいいんだ。
このベッドで、俺はオスカーにヌかれ……ぎゃああああっ!
記憶がっ! 記憶が俺を殺しにかかってくる!
誰か鈍器で俺を殴って! いますぐ記憶を消してくれぇ!
早朝の薄暗がりのなか、枕を抱えてウーウーとひとり唸る。
我ながら、相当不気味な姿だ。
……カチャリ。
すると突然、ノックもなく静かに扉が開かれた。
「……おや、もう起床されていたとは」
オスカーっ!
いま一番会いたくない奴キタ――――ッ!
「おはようございます。昨晩は【アレ】から良く寝られましたか?」
爽やかな笑顔で問いかけてくる。
この野郎! よくもぬけぬけとっ!
とりあえず、奴の頭へ枕をブン投げようと振りかぶったところで、
「カルス様。おはようございます」
愛らしい巻き毛の天使が、ひょっこりとドアから顔をのぞかせた。
サッと慌てて枕を元に戻す。
「お……、おはようガブリエル」
心の中でオスカーをクソミソに罵りながらも、なんとか笑顔を浮かべることに成功した。はにかみながら嬉しそうに、少年も微笑み返してくれる。
見ないで!
こんな穢れた俺を見ないで!
キラキラとした無垢な笑顔が、いまの俺には眩しすぎた。
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