俺は兄弟に愛されすぎている…

日高 アンズ

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時刻は、もうすぐ昼になる頃だろうか。
カーテンがかかっている窓から、少しの光が差し込んでいる。


「たくさん気持ちいいことしよ♪」

そう言って伸ばしてきた和春の手を振り切り、俺は

「俺ッ。ふっ……………風呂に入りたいっ!!」
そう、咄嗟に叫んだ。
もう、これ以上大好きな兄弟達が間違った道を進まないためにも、俺は全力で阻止しなけれならない。

そのために、なにか断るための口実を作らなければ……そう思い、咄嗟に出てしまったのがこの言い訳だ。


すると和春は少し、しょんぼりとした顔をして
「…俺とするの………いや?」
と言ってきた。


ヴヴゥゥ~~………。顔がいい!!!!
何この可愛い生き物~ッ。
心無しか、動物の耳としっぽがはえているようにみえる。
なんで俺の兄弟、こんな顔がいいんだろうか……。

………って、惑わされるな俺。
一瞬の油断も命取りであることを忘れてはならない。

ここはビシッと、「そうだ」と言っておかなければ……。

「いや~~。一回風呂はいっておきたい的な?。アハハー。だからそんなんじゃないって。」

……言えない。
こんな潤んだ瞳で、俺の事見てきてそんなこと言えるわけない。

そうやって俺が風呂に入るための他の口実を必死に考えていると、


「わかった。じゃあ俺も一緒に入るよ。」
と言ってきた。


俺が「えっ……。」と言い終わらないうちに、
和春は、よいしょっと立ち上がり俺を毎度おなじみの、お姫様抱っ子をしてお風呂場の脱衣所へ運んだ。
もう、お姫様抱っこにも馴れた気がする。
どちらかと言うと、俺はしたい側なのだが……。


そしてどこからか鍵を取り出し、俺の足枷をがチャリと外した。

「ずっとしてると、擦れちゃって痛くなるからね。お風呂の時は外そうか。逃げちゃダメだよ。」


ここで逃げられればいいのだがどうせ部屋の鍵は閉まってるだろうし、すぐ掴まって終わりだろう。
ここは大人しく従っておこう。


今思えば、「風呂に入りたい」という選択は完全に選択をミスった、と言っても過言ではない。
俺が風呂に入りたいといえば、「一緒に入りたい」と言いそうなことくらい少し考えたらわかったはずだ。

こうゆう展開、エロ漫画やAVとかでもよく見る気がする………。
一緒に風呂はいっておっぱじめるやつ。


俺がそうこう考えてるうちに、和春は来ていたスーツを脱ぎ、ハンガーにかけ、たくましい腹筋を晒した。


あーいいなぁ。
俺もああなりたい。
 

そうして俺は和春の腹筋を舐めるように凝視していると
「四季、何してるの?もう風呂湧いたよ?。早く入ろ。もしかして、お姫様抱っこされたい?」
と、和春が腕を広げてきたので俺は

「あっ。大丈夫です。」
と腕を避けてふろ場に向かった。
















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