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ドアをくぐると、昨日みんなでご飯を食べた広いリビングに出た。
よかった。ここなら、玄関までのルートがわかる。
あとは着るものだけだな。
もしこのまま外に出られたとしても、裸だから確実に痴漢で捕まる。
そう考えていると
「シーくんは、いつもはここで食べないよ。ご飯は今いた部屋で食べてもらう予定なんだけど、今日は特別。ここで食べようね。」
と夏来が言った。
もし、あそこに閉じ込められたら、鍵のついてる部屋を突破しないと、外に出られない。
ということは、チャンスは今しかない。
「ご飯来るまでここに座ってよっか。」
夏来はそうやって、昨日俺らが晩御飯を食べた席を指さした。
俺は指示された席に腰をかける。
夏来は俺の真隣に座って俺の手を握る。
やばい。このままでは逃げられない。
俺は、玄関へ続く廊下へのドアに目を向けた。
鍵穴がないので鍵はかかっていないようだ。
俺がドアの方を見ている横で、夏来は俺に引っ付いて、だらけている。
そして、席に座ってそう時間も経たないうちに、冬空が俺の目の前に大きなサンドイッチを置いてくれた。
「ごめんね。僕料理苦手だから簡単なものしか作れなかった。
秋影がいたらもっと美味しいの作れたんだけど…。」
と、冬空がそう自信なさげに言った。
これに、俺はすかさず
「いや、すごく美味しそうだよ!!。
いただきまーす。」
と言って、一口かぶりつく。
ハムとレタスとチーズが入った、シンプルなものだった。
普通に美味しい。
お腹が空いていたので俺は、結構大きなサンドイッチをガツガツと、あっという間に平らげた。
「わぁー。すごい、もうないや。
また作って来ようか?」
「ほんと!!
じゃあお願いします。」
俺は、この言葉に即刻OKした。
冬空は「はーい。」
とまた嬉しそうにキッチンの方へ駆けていく。
さて、と俺は逃げ出すタイミングを伺う。
冬空はいないが、隣にはベッタリと夏来が俺に引っ付いている。
夏来をどうにかしなければ…。
そう考えていると、俺の足が机にあたり、上に乗っていたコップの水が結構零れた。
それを夏来が
「あ。こぼれちゃった。
待ってて。今タオル持ってくるね。」
と、言い席を立ち、タオルが積まれている所に向かった。
しかも、夏来の座っていた椅子には丈の長いトレーナーがかけられている。
これはまたと無いチャンス。
これを逃がしたら次はない。
そう思った俺は即座に席をたち、トレーナーを持って、玄関へと続く廊下のドアに手をかける。
しかし、簡単に開くと思ったそれはガチャガチャと音を立てるばかりで一向に開く気配はない。
えっ…。
そう思った時
ドンッ!!
と自分の後ろから手が伸びてきて、俺が今開けようとしているドアに手をついてきた。
慌てて振り返ると、そこには自分とそう背丈の変わらない、それはそれは美しい男の子が俺を壁にドンしている。
顔を見ると、口元は笑っているがその、綺麗な茶色の目は全く笑っていない。
「ねえ。シイちゃん。どこに行こうとしてたの?」
冬空はそういつもより声を低くして聞いてきた。
俺はその迫力にビビりながらも
「えっ……えーと、その。あの、えー、ト…トイレ!!」
なにか言い訳をと、咄嗟にそういった。
「ふーん。そっか。ねえ。本当のこと言よっか。」
今度は口元も笑わなくなった。
これは、完全にやばい。
俺は意を決して、
「す…すいません!!。
逃げようとしました!。」
と言った。
すると、冬空は「ハァー。」とため息をついて
「シイちゃんは、僕らと一生一緒に暮らすんだよ。
逃げようとしたって言うことは、僕らがどれだけ本気かってわかってないってことだよね。
これは本格的に身体に叩き込まなくちゃね。」
そしてヒョイッと俺を持ち上げる。
その華奢な体のどこにそんな力があるのだろうか。
そして、いつの間にか机を拭き終わっていた夏来が、さっきの部屋への扉を開ける。
冬空は俺を持ったまま、そこへ入りベットの上へ下ろした。そして「足出して。」
と言われ、足を出すとまた足枷をつけられた。
そして、ドサッと押し倒される。
「シイちゃん。これはお仕置だからね。また逃げたいなんて、思えないような身体にしてあげる。」
そして俺に深い深いキスをした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回は続きです。\( ˆoˆ )/♡
よかった。ここなら、玄関までのルートがわかる。
あとは着るものだけだな。
もしこのまま外に出られたとしても、裸だから確実に痴漢で捕まる。
そう考えていると
「シーくんは、いつもはここで食べないよ。ご飯は今いた部屋で食べてもらう予定なんだけど、今日は特別。ここで食べようね。」
と夏来が言った。
もし、あそこに閉じ込められたら、鍵のついてる部屋を突破しないと、外に出られない。
ということは、チャンスは今しかない。
「ご飯来るまでここに座ってよっか。」
夏来はそうやって、昨日俺らが晩御飯を食べた席を指さした。
俺は指示された席に腰をかける。
夏来は俺の真隣に座って俺の手を握る。
やばい。このままでは逃げられない。
俺は、玄関へ続く廊下へのドアに目を向けた。
鍵穴がないので鍵はかかっていないようだ。
俺がドアの方を見ている横で、夏来は俺に引っ付いて、だらけている。
そして、席に座ってそう時間も経たないうちに、冬空が俺の目の前に大きなサンドイッチを置いてくれた。
「ごめんね。僕料理苦手だから簡単なものしか作れなかった。
秋影がいたらもっと美味しいの作れたんだけど…。」
と、冬空がそう自信なさげに言った。
これに、俺はすかさず
「いや、すごく美味しそうだよ!!。
いただきまーす。」
と言って、一口かぶりつく。
ハムとレタスとチーズが入った、シンプルなものだった。
普通に美味しい。
お腹が空いていたので俺は、結構大きなサンドイッチをガツガツと、あっという間に平らげた。
「わぁー。すごい、もうないや。
また作って来ようか?」
「ほんと!!
じゃあお願いします。」
俺は、この言葉に即刻OKした。
冬空は「はーい。」
とまた嬉しそうにキッチンの方へ駆けていく。
さて、と俺は逃げ出すタイミングを伺う。
冬空はいないが、隣にはベッタリと夏来が俺に引っ付いている。
夏来をどうにかしなければ…。
そう考えていると、俺の足が机にあたり、上に乗っていたコップの水が結構零れた。
それを夏来が
「あ。こぼれちゃった。
待ってて。今タオル持ってくるね。」
と、言い席を立ち、タオルが積まれている所に向かった。
しかも、夏来の座っていた椅子には丈の長いトレーナーがかけられている。
これはまたと無いチャンス。
これを逃がしたら次はない。
そう思った俺は即座に席をたち、トレーナーを持って、玄関へと続く廊下のドアに手をかける。
しかし、簡単に開くと思ったそれはガチャガチャと音を立てるばかりで一向に開く気配はない。
えっ…。
そう思った時
ドンッ!!
と自分の後ろから手が伸びてきて、俺が今開けようとしているドアに手をついてきた。
慌てて振り返ると、そこには自分とそう背丈の変わらない、それはそれは美しい男の子が俺を壁にドンしている。
顔を見ると、口元は笑っているがその、綺麗な茶色の目は全く笑っていない。
「ねえ。シイちゃん。どこに行こうとしてたの?」
冬空はそういつもより声を低くして聞いてきた。
俺はその迫力にビビりながらも
「えっ……えーと、その。あの、えー、ト…トイレ!!」
なにか言い訳をと、咄嗟にそういった。
「ふーん。そっか。ねえ。本当のこと言よっか。」
今度は口元も笑わなくなった。
これは、完全にやばい。
俺は意を決して、
「す…すいません!!。
逃げようとしました!。」
と言った。
すると、冬空は「ハァー。」とため息をついて
「シイちゃんは、僕らと一生一緒に暮らすんだよ。
逃げようとしたって言うことは、僕らがどれだけ本気かってわかってないってことだよね。
これは本格的に身体に叩き込まなくちゃね。」
そしてヒョイッと俺を持ち上げる。
その華奢な体のどこにそんな力があるのだろうか。
そして、いつの間にか机を拭き終わっていた夏来が、さっきの部屋への扉を開ける。
冬空は俺を持ったまま、そこへ入りベットの上へ下ろした。そして「足出して。」
と言われ、足を出すとまた足枷をつけられた。
そして、ドサッと押し倒される。
「シイちゃん。これはお仕置だからね。また逃げたいなんて、思えないような身体にしてあげる。」
そして俺に深い深いキスをした。
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次回は続きです。\( ˆoˆ )/♡
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