俺は兄弟に愛されすぎている…

1－1

｢はぁ～。やっとバイト終わったー。｣
俺の名前は白壁 四季(しらかべ  しき)。21歳。
只今、バイト帰りである。
｢しっかし。明日からご飯どうしよう…。｣
夏の終わり。まだ蒸し暑さが残る8月。
俺は明日の飯にありつけるか。というのが心配だった。
何故かって？
それは思いっきりパチンコで散財したから……。
俺は一応フリーターとして働いているから少しは(金が)あったんだ。
それを一瞬で。
いや、あれは夢中になりすぎた…。さすがに馬鹿だな。
これじゃあタバコも買えない。
俺は地味な見た目に反してよく遊ぶしタバコも吸う。
ここで間違えてはならないのは俺は決して陽キャではないと言うこと。どちらかというと、ど陰キャだ。
顔もお世辞にも整っているとは言えない。
生まれてこの方、陽キャの｢よ｣の字にもなったことがない。
俺の兄弟とは違って…。

｢はぁぁぁ。しっかし、これからどうしよっかな。金貸してくれる 人もいないし。｣
俺には友達がいない。昔からそうだった。
親しみにくいって、感じじゃないと思うんだけどなー。
昔から、やっと友達が作れてもすぐ離れていってしまう。
それも何か怯えた様子で。
本当にあれはなんだったのだろう。 
そんなことを考えながら俺は道路沿いの道を歩いていた。
すると
｢シーくん？｣
名前を呼ばれ振り返りかけた時、右腕をぐっと捕まれ引っ張られた。
結構力が強かったため俺は、若干よろけた。
なんだ！？と思い、俺の腕を引っ張った人物の顔を見るとそこに居たのは、俺の兄。
白壁  夏来(しらかべ  なつき)だった。